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マツダの品質支える「リリーフ」制度とは?

 「リリーフ」という仕事があることをご存知だろうか? 言葉の通り“救援”を使命に働く人のことで、この制度は野球界や看護師が働く病院など、さまざまな職場で導入されている。車の製造現場も同様、現在業績を伸ばす「マツダ」でも、リリーフ制度を敷き品質管理を徹底している。同社ではさらなるクオリティ向上を目指し、今春からリリーフたちに“あるルール”を設けたというが、果たしてその試みとは? 広島の本社工場に潜入した。

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◆厚い信頼と高度なスキルを持ったスーパーマン

 2010年秋にデザインテーマを“魂動(こどう)”に統一して以来、一段と好調な動きを見せている同社。今後も新型『マツダ デミオ』、『マツダ ロードスター』など、フルモデルチェンジする人気車の登場によって、ますますその勢いに拍車がかかっていきそうな予感が漂う。

 品質を保つには、従業員が困った時に“頼れる存在”が重要。そう考える同社の本社工場では、現在60名のスタッフがリリーフとして働いている(昼夜各30名)。これは単純に、ひとりのリリーフが最大18人分の作業を請け負う計算。リリーフには、多数のエリアの仕事を熟知しこなしていく高度なスキル、そして同僚たちから信頼を得る人間性も求められ、まさに彼らはスーパーマンのような存在なのだ。

◆「ありがとう」の声がけで、より作業のしやすい環境に

 「不良品は絶対にお客様へ送らない」という信念を掲げる同社では、さらなる品質管理の徹底を実現する施策として、今年4月からリリーフを呼んだ従業員ではなく、“呼ばれたリリーフ側”から率先して「(呼んでくれて)ありがとう」と感謝の言葉を贈るという新たなルールを徹底している。

 その理由は、【1】呼んでもらうことで不良品の発生を未然に防ぐことができるため、【2】呼びやすい環境を作るため、【3】落ち込んだ従業員を励まし、その後の失敗を防止するため、の大きく分けて3つ。

 この取り組みを考案した、第2組立課の末廣誠二マネージャーは、「作業が遅れてムリをしてその遅れを取り戻そうとすると、安全や品質に影響する可能性があるため、みんながムリをせず、安全で確かな仕事ができるようにと思ってはじめました。呼んだら怒られるかも…という不安を取り除いたことで、リリーフを呼ぶ合図の黄ランプの点灯率があがりました」といい、早くも施策の手応えを感じている。

 新しいルールの導入に現場に戸惑いはなかったのだろうか? リリーフ歴5年目という第1車両製造部の松田秀晃さんは、「最初の内はなぜ?と思っていたんですが、ありがとうを言うようになってからは、みなさん細かく申告してくれるようになって。そのおかげで、後工程に良い車が送れるようになったという実感もあるので、常日頃から感謝の言葉を言うように心がけています」。

 声をかけることによって今まで関わりがなかった同僚を覚えるきっかけにもなったといい、「仕事が終わった後に『今日は助けてくれてありがとう』と言われた時は嬉しいですね」と爽やかな笑みを浮かべる松田さん。もちろん品質管理が一番の目的ではあるが、職場の雰囲気を明るくしイキイキと働く場を提供する意味もあるようだ。

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マツダ 公式サイト



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  • お決まりのポーズとともに“呼んでくれてありがとう”と感謝を伝える、リリーフの松田秀晃さん(右) (C)oricon ME inc.
  • さまざまなエリアの仕事をこなすため、リリーフが常備するアイテムはこんなにも (C)oricon ME inc.
  • リリーフは呼び出しがない時も、常に生産ラインを見まわっている (C)oricon ME inc.
  • マツダ本社工場、第1車両製造部のリリーフ・松田秀晃さん 「ありがとう」の言葉はお決まりのポーズとともに伝える (C)oricon ME inc.
  • 黄色いヒモを引くと“黄ランプ”が点灯し、リリーフが駆けつける (C)oricon ME inc.
  • 従業員から“SOS”の声があがると電光板のランプが、点灯エリアにリリーフが駆けつける (C)oricon ME inc.
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