今秋からのアニメ放送を控え、注目度急上昇中の漫画『TERRAFORMARS(テラフォーマーズ)』(原作:貴家悠、作画:橘賢一/集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)。西暦2599年の火星を舞台に、人間大に進化したゴキブリと人類の戦いを描いた斬新な設定とストーリーを生み出した貴家氏は、1988年生まれの25歳。オリエンタルラジオの中田敦彦似のイケメンだ。「単行本1巻で終わる予定の漫画だったのに、こんなに続くとは思っていなかったし、まさかアニメにまでなるなんて…、ミラクルです」と喜びを語った。
「なぜ、敵がゴキブリなんですか?と聞かれるんですが、“ゴキブリ”ありきで始まったわけではないんです」(貴家氏)。
小学生の頃、『世紀末リーダー伝たけし!』を読んで漫画にハマり、「漫画家になりたい」と思うようになった。しかし、学生時代はラグビー部で汗をかき、泥まみれになっていたといい、「漫画家になるために何をしたらいのかもわからず、ラグビーばかりしていたら、絵がうまくならなかった(笑)」。
大学生になり、いよいよ自作のラグビー漫画をいくつかの漫画雑誌の編集部に持ち込んだがうまくいかない。その時、偶然『ヤングジャンプ』に掲載されていた橘氏のアシスタント募集の広告を見て「弟子入り」を思い立つ。そこで、ヤングジャンプ編集部所属で、増刊の『ミラクルジャンプ』の創刊スタッフでもあった新藤正人氏(現在は『ヤングジャンプ』編集部所属)と運命的な出会いを果たすのだった。
新藤氏は、貴家氏の漫画を見て「絵は下手だけど、せりふのキレが抜群にいい」と光るものを感じ、橘氏のアシスタントに採用にするとともに、「潜水艦か宇宙船か火星の話を書いてみて」と提案する。
そこで思いついたのが『テラフォーマーズ』の斬新なアイデア。「火星に苔とゴキブリを送り込めば、地球のようになるんじゃないかと考えた研究者が実際にいたらしいんです。昔、テレビで見た覚えがあって…。でも、絵が下手すぎたため、原作者になりました」(貴家氏)。師匠にあたる橘氏が作画を担当することになり、アシスタントはわずか3日で“卒業”することになる。
2011年、隔月誌『ミラクルジャンプ』で、全6回の予定で連載がスタート。貴家氏は、大学を休学して連載に全力投球する。「いずれ、ラグビー漫画で大ブレークする貴家先生の初期の“迷作”的な位置づけのつもりでシナリオを書き始めて、5話目の途中だったかな、いよいよ火星の謎が明らかにしていこうとした矢先、『続くから』と言われ…、謎はいまも残ったままです」(貴家氏)。
人気に火が付き、同年に『ヤングジャンプ』にその前日談となる読み切りが掲載され、翌12 年には同誌へ連載の場を移し、現在も連載中。2013年版『このマンガがすごい!』(宝島社)オトコ編で第1位を獲得した。8月20日に発売されたコミックス第10巻と、11月発売予定の第11巻には、第1巻収録の「バグズ2号編」をコミックス同梱のOVAとしてアニメ化し、前後編にて収録。原作第2巻以降収録の「アネックス1号編」がテレビアニメとして秋より放送開始される。
デビュー作が大ヒット、大学も無事卒業し、ここまでトントン拍子。「本当に運がよかったと思います。いろんな偶然が重なった。前世でいいことしたのかな(笑)」(貴家氏)。
自身のシナリオ作りについては、「リアリティよりも漫画的に面白いものをストレートに伝えることを意識しています。キャラクターの怒りや悲しみを増幅させて、熱を伝えたい。外面はSF漫画ですが、こぶしで語り合うヤンキー漫画を描いている感じに近いかもしれませんね」と話していた。
■ルーツはSFバトル漫画とヤンキー漫画にあり
貴家氏の作家性は、小学生の頃から親しんだ漫画の影響を強く受けている。作中で語られる昆虫や動物の詳細な解説は、1980年代に一世を風靡した漫画『魁!!男塾』に登場する架空の出版社「民明書房」へのオマージュ。「兄の影響でヤンキー漫画も大好きで、『BOY』、『湘南純愛組!』『ウダウダやってるヒマはねェ!』などが好きでしたね。『グラップラー刃牙』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『ダイの大冒険』、『ARMS』、『世紀末リーダー伝たけし!』を知った上で『テラフォーマーズ』を読むと、影響を受けていることを全く隠さない感じが出ていると思います」。
「なぜ、敵がゴキブリなんですか?と聞かれるんですが、“ゴキブリ”ありきで始まったわけではないんです」(貴家氏)。
小学生の頃、『世紀末リーダー伝たけし!』を読んで漫画にハマり、「漫画家になりたい」と思うようになった。しかし、学生時代はラグビー部で汗をかき、泥まみれになっていたといい、「漫画家になるために何をしたらいのかもわからず、ラグビーばかりしていたら、絵がうまくならなかった(笑)」。
大学生になり、いよいよ自作のラグビー漫画をいくつかの漫画雑誌の編集部に持ち込んだがうまくいかない。その時、偶然『ヤングジャンプ』に掲載されていた橘氏のアシスタント募集の広告を見て「弟子入り」を思い立つ。そこで、ヤングジャンプ編集部所属で、増刊の『ミラクルジャンプ』の創刊スタッフでもあった新藤正人氏(現在は『ヤングジャンプ』編集部所属)と運命的な出会いを果たすのだった。
新藤氏は、貴家氏の漫画を見て「絵は下手だけど、せりふのキレが抜群にいい」と光るものを感じ、橘氏のアシスタントに採用にするとともに、「潜水艦か宇宙船か火星の話を書いてみて」と提案する。
そこで思いついたのが『テラフォーマーズ』の斬新なアイデア。「火星に苔とゴキブリを送り込めば、地球のようになるんじゃないかと考えた研究者が実際にいたらしいんです。昔、テレビで見た覚えがあって…。でも、絵が下手すぎたため、原作者になりました」(貴家氏)。師匠にあたる橘氏が作画を担当することになり、アシスタントはわずか3日で“卒業”することになる。
2011年、隔月誌『ミラクルジャンプ』で、全6回の予定で連載がスタート。貴家氏は、大学を休学して連載に全力投球する。「いずれ、ラグビー漫画で大ブレークする貴家先生の初期の“迷作”的な位置づけのつもりでシナリオを書き始めて、5話目の途中だったかな、いよいよ火星の謎が明らかにしていこうとした矢先、『続くから』と言われ…、謎はいまも残ったままです」(貴家氏)。
人気に火が付き、同年に『ヤングジャンプ』にその前日談となる読み切りが掲載され、翌12 年には同誌へ連載の場を移し、現在も連載中。2013年版『このマンガがすごい!』(宝島社)オトコ編で第1位を獲得した。8月20日に発売されたコミックス第10巻と、11月発売予定の第11巻には、第1巻収録の「バグズ2号編」をコミックス同梱のOVAとしてアニメ化し、前後編にて収録。原作第2巻以降収録の「アネックス1号編」がテレビアニメとして秋より放送開始される。
デビュー作が大ヒット、大学も無事卒業し、ここまでトントン拍子。「本当に運がよかったと思います。いろんな偶然が重なった。前世でいいことしたのかな(笑)」(貴家氏)。
自身のシナリオ作りについては、「リアリティよりも漫画的に面白いものをストレートに伝えることを意識しています。キャラクターの怒りや悲しみを増幅させて、熱を伝えたい。外面はSF漫画ですが、こぶしで語り合うヤンキー漫画を描いている感じに近いかもしれませんね」と話していた。
■ルーツはSFバトル漫画とヤンキー漫画にあり
貴家氏の作家性は、小学生の頃から親しんだ漫画の影響を強く受けている。作中で語られる昆虫や動物の詳細な解説は、1980年代に一世を風靡した漫画『魁!!男塾』に登場する架空の出版社「民明書房」へのオマージュ。「兄の影響でヤンキー漫画も大好きで、『BOY』、『湘南純愛組!』『ウダウダやってるヒマはねェ!』などが好きでしたね。『グラップラー刃牙』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『ダイの大冒険』、『ARMS』、『世紀末リーダー伝たけし!』を知った上で『テラフォーマーズ』を読むと、影響を受けていることを全く隠さない感じが出ていると思います」。
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2014/08/21