小説家・湯本香樹実氏の『岸辺の旅』が、名匠・黒沢清監督により映画化されることが18日、わかった。主演には、俳優・深津絵里と浅野忠信を抜てき。映画『悪人』で、第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞した深津と、映画『マイティ・ソー』でハリウッド映画デビューも果たした浅野という国際的に活躍する二人が初の夫婦役で“究極の夫婦愛”を演じる。

　同作は、3年間失踪していた夫の優介（浅野）が突然帰宅し、これまで離ればなれになっていた夫婦が、失われた時間を生き直すように旅へ出る。優介は、なぜ突然帰ってきたのか？　優介が瑞希（深津）に伝えたかったこととは？　“愛の巡礼”という名の旅を通じて究極の愛を描く。

　黒沢監督とは初顔合わせとなる深津は、「初めての黒沢組、浅野さんとの共演、ただただ楽しみです」と声を弾ませ、「監督の思い描く、独特な世界にどーんと飛び込みたいと思います。そして自分でも驚くほど似た者同士な浅野さんとの夫婦役。このステキなめぐり合わせを大切にして私たちなりの夫婦になれたらと思います」と意気込む。

　一方、12年ぶりに黒澤組に参加する浅野は「変わらない演出と今までとは違う、今の監督だけにある想いを感じていきたいです」と静かに力を込め、深津との共演には「普通の夫婦役とは違う距離感を保ちながら、深津さんに頼っていければ良いと思っています」と期待を寄せている。

　映画『岸辺の旅』は2015年全国ロードショー。