ORICON STYLE

2006年11月01日
AEROSMITH SPECIAL ISSUE
AEROSMITH SPECIAL ISSUE
レーベルを横断して、デビューからの歴史が初めて1枚に!!



“ちょいワルおやじ”もびっくりなツワモノたち

 “ちょいワルおやじ”。唐突に、しかもごく私的な話でなんなんだけれど、筆者はその言葉がどうも苦手というか、聞くたびにむず痒いような不快感を覚えるというか、ハッキリ言って嫌いである。
 いや、正確に言うならば、言葉自体は嫌いでもなんでもなくて、面白いと思う。そしてそうしたテーマを打ち出したファッションも大いに結構だと思っている。ただ、ひとたびブームになった瞬間に、猫も杓子も状態で“自称ちょいワル”になって喜々としている、ただのおやじ連中がイヤなのだ。飲んだ席などで、「オレも若いころはちょっとやんちゃで・・・」とか「こんなオレでも昔は血の気が多くてね・・・」とか、聞かれてもいないのに遠い目をして語ってくれちゃう、酒とスポーツ新聞と若い女の子をからかう(でも口説けないし手も出せない)のが好きなおやじたち。この世に数多いるそういう輩のことは、絶対に信用しないほうがいい。・・・ん?それってオレ自身のことじゃん・・・。
 というわけで、エアロスミスである。というわけでってこともないかもしれないのだけど、スティーヴン・タイラー(58才)、ジョー・ペリー(56才)、ジョーイ・クレイマー(56才)、トム・ハミルトン(54才)、ブラッド・ウィットフォード(54才)の5人のツワモノたちのことを見たり考えたりするたびに、“自称ちょいワル”(自分を含む)どもがあまりにちっぽけで、しょうもない男に思えてしかたがないのだ。悔しいやら、うらやましいやら妬ましいやら・・・。

レーベルの枠を超えた初のオール・タイム・ベスト!

 これまでにリリースしたアルバムの全世界トータルセールスが軽く1億枚を超えるという、世界最高にして最強のロックンロール・バンド、エアロスミス。彼らが無敵のキングであることに、もはや異論を挿む余地はあるまい。しかしながらその栄光の道のりは、順風満帆と呼ぶには程遠い、波乱に満ちたものだった。ファンならご存じの通り、1970年代中盤に黄金期を築いたエアロスミスは、その後ドラッグに溺れ、メンバーが脱退するなど空中分解寸前の状態に陥りながら、1980年代後半に劇的に復活。そして1990年代にキャリアの絶頂へと昇りつめたのだ。その30年以上に及ぶヒストリーは、奇跡というほかない。
 ここに届けられた『エアロスミス濃縮極極ベスト』は、レーベルの枠を超えた初のオール・タイム・ベストとして2002年にリリースされた2枚組『アルティメイト・エアロスミス・ヒッツ』から、さらに楽曲を選りすぐって1枚のCDに収めた、まさに濃縮のベストセレクション。「ドリーム・オン」「スウィート・エモーション」といったエアロクラシックから、「ピンク」「ジェイデッド」などの近年のヒットナンバーまで、ライブでもお馴染みのキラートラックがズラリと揃ったラインナップは、実に壮観だ。さらには本作だけのスペシャルトラックとして、ニューレコーディングによる2曲が加えられていて、これがまたすこぶるイイのだ。
 膨大なディスコグラフィーを誇るエアロスミスだが、レーベルを横断してデビューからのすべてのキャリアを1枚にまとめたベスト盤は、これが初めて。入門編として、若い世代のロックファンにこそ聴いてほしい。

(文:鈴木宏和)


RELEASE
エアロスミス濃縮極極ベスト
エアロスミス
2006/11/01[アルバム]
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
【初回生産限定盤】
\3,150(税込)
SICP-1165/6
CDを購入する
【通常版】
\2,520(税込)
SICP-1167
CDを購入する


PROFILE
スティーヴン・タイラー、ジョー・ペリー、ジョーイ・クレイマー、トム・ハミルトン、ブラッド・ウィットフォードの5人組。
1970年、バンドを結成。
1972年、カンザスシティ・クラブ(米国・ニューヨーク)でライブをしていた彼らに驚いたレコード会社社長クライヴ・デイヴィスが、その場でコロンビア・レコードとの契約を取り付ける。ほどなくセルフタイトルのデビューアルバム『野獣生誕(エアロスミスI)』をリリース。続いてリリースしたアルバム『飛べ!エアロスミス』でゴールドディスクを獲得。
1975年、アルバム『闇夜のヘヴィ・ロック』をリリース。重大な転機となった同アルバムの売上は、何百万枚にも上った。
1979年7月、メンバー同士の不和が絶えず、ジョー・ペリーが脱退。まもなくブラッド・ウィットフォードも脱退。残った3人でアルバム『美獣乱舞』(1982年)をリリースしたものの、以前のような輝かしい評価は得られず
1984年、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードがバンドに復帰し、1985年に新たにゲフィン・レコードと契約しアルバム、『ダン・ウィズ・ミラーズ』をリリース。
1986年、デフ・ジャムのリック・ルービンによるアイディアで、エアロスミスと新進のヒップホップ・バンド、ランDMCが名曲「ウォーク・ディス・ウェイ」をリメイクし、ロックンロール史に足跡を刻む大ヒットを記録。
1987年、メンバー全員が一丸となってリリースしたアルバム『パーマネント・ヴァケーション』以降、『ゲット・ア・グリップ』 『ナイン・ライヴス』と大ヒットアルバムをリリース。1970年代の栄光よりもさらに驚異的セールス、人気を世界各国で獲得。
1990年代の終わりを締めくくった映画『アルマゲドン』のサウンドトラック収録の「ミス・ア・シング」では、同バンド史上最大のヒットシングルとなる。
2001年、“ロックの殿堂”入りを果たす。これまで、ピープルズ・チョイス・アワード2回、ビルボード・ミュージック・アワード6回、アメリカン・ミュージック・アワード8回、ボストン・ミュージック・アワード23回、MTVビデオ・アワード12回、グラミー賞4回。また、「ミス・ア・シング」では、アカデミー賞最優秀主題歌賞にノミネートされる。
2001年3月7日、アルバム『ジャスト・プッシュ・プレイ』をリリース。
2006年11月1日、ベストアルバム『エアロスミス濃縮極極ベスト』をリリース。
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