いきものがかりの勢いが止まらない。昨年12月にリリースした4thアルバム『ハジマリノウタ』が、週間アルバムランキングで3週連続1位を記録。大晦日には2年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場、そして今年3月に発表した17枚目のシングル「ノスタルジア」(映画『時をかける少女』主題歌)もヒット。セールス力、知名度、そして何よりも、ジャンルや世代といった壁を越えて、あらゆる人が“あ、いい曲だな”と素直に感じる楽曲のクオリティ――音楽的好感度の高さ、とでもいうのだろうか――こそが、今のいきものがかりの強い存在感を支えているのだと思う。もちろん、2010年2枚目のシングルとなる「ありがとう」(NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』主題歌)にも、彼らの魅力がたっぷりと込められている。 ドラマ開始直後から大きな話題を集めてきたこの曲は、切なさと力強さ、喜びと慈しみの気持ちがゆったりと響いてくるバラードナンバー。“ありがとう”という言葉に込められた深くて愛おしい感情が、吉岡聖恵のボーカルによって大きく広がっていき、1人ひとりのリスナーの心を揺らしていく。誰にでもすんなりと理解できると同時に、時間が経っても輝きを失わない普遍性をたたえた名曲といっていいと思う。 大事な人といっしょに歩いていきたい、という思いをシンプルな言葉で綴った歌詞も秀逸。<“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて/かけがえのない手を あなたとのこれからを わたしは 信じてるから> ケンカしたり、泣いたりを繰り返しながら、喜びも悲しみも分かち合い、ふたりでひとつの夢に向かって進んでいく。その道のりにこそ、本当の幸せは存在している――「ありがとう」は、人間関係でグチャグチャになっている人が多い現在において、最も大事なメッセージを描き出しているのだと思う。 いきものがかりは今、9月の終わりまで続く全都道府県ツアー『いきものがかりの みなさん、こんにつあー!! 2010 全国あんぎゃー!! 〜ハジマリノウタ〜』の真っ最中。そこでもきっと、「ありがとう」は大きく豊かな感動を呼び起こすことになるだろう。そして、その記憶はオーディエンスの1人ひとりの人生を照らし、この先もずっと心の支えとなっていくはずだ。 (文:森朋之)
吉岡聖恵(Vo)、水野良樹(G&Vo)、山下穂尊(G&Har)によるスリーピースバンド。 P R
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