ORICON STYLE

2010年02月17日

AKB48 Special Issue

詩的な表現と合唱で卒業式のスタンダードに!?

ライブレポート
100曲カウントダウン!!

進化を遂げたAKB48のサプライズ

1月21日(木)〜24日(日)の4日間、東京・SHIBUYA-AXにて開催された“リクエストアワーセットリストベスト100 2010

1月21日(木)〜24日(日)の4日間、東京・SHIBUYA-AXにて開催された“リクエストアワーセットリストベスト100 2010”

 卒業式というセレモニーを経験してきた多くの人たちにとって、それは切なくも感動的な思い出として心に残っていることだろう。式典と名のつくモノは、どうも硬くて苦手という人にとっても、学校が好きじゃなかった人にとっても、卒業式は別という気がしている。だからこそ“卒業ソング”と呼ばれる歌が、サマーソングやクリスマスソングと並んで数多く存在するし、毎年この時期になるとテレビや雑誌で特集を組まれたり、新しくリリースされたりする。近年は、卒業式でJ-POPアーティストの卒業ソングを歌うことも多くなってきているようだ。

 AKB48の卒業ソングといえば、2006年にメジャーデビュー前に1stシングルとしてリリースされた「桜の花びらたち」が、まず頭に浮かぶ。ポップでキャッチー、なんといってもドラマティック。今年の年明けに行われた恒例のライブ“リクエストアワーセットリストベスト100 2010”では、32位と上位にランキングされていた人気曲である。

 そして2010年、目の覚めるような進化を遂げたAKB48が、サプライズを超えるサプライズを見せてくれた。

 「桜の栞」は、「桜の花びらたち」と同じく別れと旅立ちをテーマにした歌ではあるが、卒業ソングというよりも、卒業の歌。……まぁ、“ソング”を日本語にしただけだが、このニュアンスの違いはわかっていただけるだろう。そして、J-POPというよりも100%“合唱曲”。演奏もピアノの伴奏(……という表現がピッタリなので)と、ストリングスのみ。歌詞は等身大口語調ではなく、全世代に伝わる詩的な表現になっている。この歌の美しさは、その言葉のやさしさはもちろん、コーラスにある。1番、2番、大サビ、すべて異なったコーラスが重なっていて、主メロを切なくも感動的に盛り上げているのだ。

今だからこそ歌えるタイムリーナンバー

 「桜の栞」というタイトルにもまたグッとくる。想像してみてほしい。たとえば、ふと教科書にヒラヒラと降りてきて、挟んだままにした桜の花びら。時が経って教科書を開いたときにヒラリと落ちる花びら。それは歌詞にあるように、大切な友だちとの思い出や、その頃抱いていた夢を思い起こさせるし、何年経っても、桜が咲くと思い出す……という不思議なアイテムに変わるのだ。ずっと、自分の人生のページに、忘れないように挟んである栞なのである。10代の頃の宝物って、ブランド物のバッグとか高価なものではなく、そんなふうに他人にとってはどうでもいいようなものだったりしなかっただろうか?

 ミュージックビデオにはAKB48全員が参加。監督は、映画監督である岩井俊二。撮影当日のメンバー入り、袴の着つけ風景から始まり、なにげなくピアノのイントロが入ってくる。そして、歌を口ずさみながら秋葉原を中心とした都内のいくつかの場所を歩いたり。清楚な紺の制服で手話をしながら歌うシーンを挟み込みながら、独特のやわらかなトーンでメンバーの自然な姿を映し出している。袴姿の背中には天使の羽があって、“あれ?やっぱりみんな天使だったんだ”なんて、ちょっとだけファンタジーな気分にもなってしまうのだ。

 M2は、テレビ東京系ドラマ『マジすか学園』のオープニングテーマ「マジスカロックンロール」。「桜の栞」とは一転、文字通りのロックンロール・ナンバー。言葉づかいは男の子っぽいし、歌い方はアンニュイ。ミュージックビデオもおもしろい。ヤンキー風だが、これも制服。髪型はワイルド、ちょっと悪そうなマジ顔もイケてる……。

 M3の「遠距離ポスター」は、80年代アイドルブームをほうふつさせるかわいらしさ。この曲は、AKB48×『週刊プレイボーイ』×『週刊ヤングジャンプ』という企画で編成されたチームPBとチームYJが、TypeA、TypeBのそれぞれで歌っている。

 いや、いずれはどんな形であれ、AKB48が日本中の人たちを巻き込む日が来るだろうとは思っていた。昨年末は、秋元康氏とともに『輝く!日本レコード大賞』特別賞を受賞し、NHK『紅白歌合戦』に2回目の出場を果たした。「桜の栞」はトップアイドルとなった今だからこそ歌えて、しかも注目を集めること間違いなしのタイムリーナンバーである。いずれは名曲「川の流れのように」のように、ジャンルは違えど卒業式のスタンダードになっていく曲だろう。そして、いつか教科書に載る日が来る……(?)かもしれない。いや、そうなってほしいと密かに思っている人も少なくないだろう。

(文:三沢千晶)

RELEASE

桜の栞【Type-A】/AKB48

桜の栞【Type-A】
AKB48

発売日:2010/02/17[シングル] 価格:\1,600(税込)
キングレコード 品番:KIZM-45/6

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桜の栞【Type-B】/AKB48

桜の栞【Type-B】
AKB48

発売日:2010/02/17[シングル] 価格:\1,600(税込)
キングレコード 品番:KIZM-47/8

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PROFILE

2005年、秋元康による新たなアイドルプロジェクトとして『会いにいけるアイドル』をコンセプトに誕生。専用劇場である“秋葉原48劇場”で毎日ステージを行いながら、全国区デビューを目指す。
2006年2月1日、シングル「桜の花びらたち」でCDデビュー。10位を獲得。
以降、「会いたかった」、「制服が邪魔をする」、「軽蔑していた愛情」などをリリース。
2008年10月22日、シングル「大声ダイヤモンド」をリリース。3位を獲得。
2009年3月4日、シングル「10年桜」をリリース。3位を獲得。
2009年6月24日、シングル「涙サプライズ!」をリリース。2位を獲得。
2009年8月26日、シングル「言い訳Maybe」をリリース。2位を獲得。
2009年10月21日、シングル「RIVER」をリリース。1位を獲得。
2010年2月17日、シングル「桜の栞」をリリース。

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