ORICON STYLE

2008年12月10日

Mr.Children Special Issue

“伝えたい”“届けたい”という思いが詰まった最新アルバム
大ヒットシングルが1枚のアルバムにいっぱい詰まっている。Mr.Childrenが前作『HOME』以来、約1年9ヶ月ぶりにリリースした15thアルバム『SUPERMARKET FANTASY』。「旅立ちの唄」(映画『恋空』主題歌)、「GIFT」(NHK『北京オリンピック』放送テーマソング)、「HANABI」(ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』主題歌)、「花の匂い」(映画『私は貝になりたい』主題歌)など、すでにシングルとしてリリースされ、多くの人たちの耳に届いている歌、アルバムがリリースされる前から“知っている曲”が、このアルバムを華やかに彩っている。

みんなに喜んでもらいたい

 桜井和寿は「みんなに喜んでもらいたい」と、新しいアルバムを作る前からメンバーにその想いを伝え、メンバーもその思いを持ってレコーディングしていたのだとか。前作『HOME』は優しい感触を持った作品だったけれど、その反動で例えば重厚なメッセージを持ったアルバムや実験的な作品へと向かうこともできただろうし、それこそこれまでのMr.Childrenならば、そういう方向に向かうんじゃないかと予想できたかもしれない。けれども、彼らはみんなを喜ばせたかった。自分たちの音楽をいつも愛してくれるみんなに、Mr.Childrenとして感謝の気持ちを届けたかった。だから彼らは昨年行った全国ツアーの合間にも、全国ツアーが終わった直後からもレコーディングを行っていた。そこで生まれた音楽がみんなの待っているシングルや新しいアルバムへとつながっていったのだった。

 アルバムの1曲目を飾る「終末のコンフィデンスソング」は、Mr.Childrenのアルバムには珍しく(!?)、それこそドライブミュージックのように気軽な気持ちで聴ける曲。この曲を1曲目にしたというだけでも、「あれ?ちょっと今までのアルバムとは何か違うんじゃない!?」と思ってしまうはずだ。また、「エソラ」や「声」や「ロックンロール」など、今回のアルバムには音楽にまつわる言葉が歌詞にいくつも登場している。例えば、メロディーライン、リズム、ロック、音楽、唄などなど。彼らの日常生活の中に、他の言葉と何も変わりなくある音楽にまつわる言葉たち。

 みんなの生活の中にも、きっとそんな言葉たちはたくさんころがっているんだろう。昨年の夏フェスで演奏していた「少年」、シングル「旅立ちの唄」のカップリング曲だった「羊、吠える」、またシングル「GIFT」に収録されていた「風と星とメビウスの輪」のアルバムバージョン(これがシングル収録曲のバージョンと同じ曲とは思えないくらい変化していて聴きごたえあり!!)と、すでに耳にしていた曲がアルバムの中で新鮮に聴こえてくるのは、きっとその曲たちに“伝えたい”“届けたい”という力があるからだと思う。実際に桜井が水上バスに体験乗船(!?)してから歌詞を書いた「水上バス」、ライブでやったらきっと盛り上がること間違いなし!!の「ロックンロール」。

生活の中に自分たちの音楽を残していく

 『SUPERMARKET FANTASY』というアルバムを、パワフルにカラフルに輝かせてくれる曲たちからは、彼らの“喜んでほしい”という思いが充分に伝わり、それを受け止めてくれる一人ひとりが“共有できる歌”になった。お店に足を運んで、自分の買いたいものをカゴに入れ、それらを自分の家に持ち帰る。スーパーマーケットにはたくさんの品物が並んでいて、それらはどれも消費されてしまうものだけれど、手にする品物はその人にとって必要なものだ。

 『SUPERMARKET FANTASY』というアルバムタイトルは、ジャケットのアートディレクションをしたデザイナー・森本千絵さんが今回のジャケットを提案したときに付けていたタイトルなんだとか。メンバー以外の人物がアルバムのタイトルを付けるのは、彼らにとっては、初めて。シングルとしてすでに聴いていた曲、ドラマや映画で耳にしていた曲。Mr.Childrenはそれが一時的な流行であったり、もしかしたら消費される品物のような歌であることを知っていても、ちゃんとみんながそれらを手にしていてくれて、生活の中に自分たちの音楽にして、必ず何かを残してくれているんだと信じている。『SUPERMARKET FANTASY』というタイトルは、確かにメンバーが名付けたものではないけれど、彼らの想いをしっかりと刻んでいるタイトルだ。

 09年2月からは全国ツアー『Mr.Children Tour 2009 〜終末のコンフィデンスソングス〜』がスタートする。Mr.Childrenのメンバー、小林武史(Key)、ナオト・インティライミ(Cho)という最少人数で奏でられる彼らの音楽が、みんなの生活のなかで鳴り響く――。

(文:松浦靖恵)

Release

SUPERMARKET FANTASY
Mr.Children
発売日:2008/12/10[アルバム]
トイズファクトリー
【初回盤】
品番:TFCC-86291
価格:\3,359(税込)
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【通常盤】
品番:TFCC-86292
価格:\3,059(税込)
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Profile

1989年、桜井和寿(Vo&G)、田原健一(G)、中川敬輔(B)、鈴木英哉(Dr)の4人により結成。
1992年5月10日、小林武史プロデュースによるミニアルバム『Everything』でデビュー。
徐々に注目を集めるようになり、1993年11月10日、シングル「CROSS ROAD」で大ブレイク。
ミリオンセラーを達成。
1994年9月1日、アルバム『Atomic Heart』で300万枚のセールスを記録。日本のトップアーティストへと登りつめる。
その後も桑田佳祐とのコラボシングル「奇跡の地球」「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」「名もなき詩」など数々の名曲を生む。
2006年11月15日、シングル「しるし」をりりース。1位を獲得。
2007年1月24日、シングル「フェイク」をリリース。1位を獲得。
2007年3月14日、アルバム『HOME』をリリース。1位を獲得。
2007年5月10日、アルバム『B-SIDE』をリリース。1位を獲得。
2007年10月31日、シングル「旅立ちの唄」をリリース。1位を獲得。
2008年7月30日、シングル「GIFT」をリリース。1位を獲得。
2008年9月3日、シングル「HANABI」をリリース。1位を獲得。
2008年12月10日、アルバム『SUPERMARKET FANTASY』をリリース。

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