ORICON STYLE

2008年07月09

 新作『たみおのしあわせ』で、人生の一大事“結婚”を迎えるオクテな主人公・民男に扮した、オダギリジョー。ユーモラスかつ、「しあわせって?」とプチに哲学もできる作品の魅力、自身のしあわせ観などについて、聞いてみました!

親子のすれ違っている感じが、僕はけっこう好き

――監督が岩松了さん、お見合い結婚の相手役が麻生久美子さんと、ドラマ『時効警察』(テレビ朝日系)シリーズの顔ぶれが揃いましたが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
【オダギリ】 3人でいても、やはりドラマとは違っていました。みんながみんな、『時効警察』が独特で、たとえて言うなら、ディズニーランドに行っているような状況だったとわかっていましたからね。むしろ、同じようにやっていたら問題です(笑)。

――原田芳雄さん演じる父親、その父親に結婚を急かされる民男。親子の関係がユニークでしたね。
【オダギリ】 岩松さんが脚本を書くと、父と子と結婚と、という一見、ストレートな内容に聞こえそうな題材も、そうはならないですからね。シニカルというのか・・・そこが面白いと思います。父親と民男の関係も、友達のようでもあり、仲がいいのか悪いのかわからなくもあり。親子のすれ違っている感じが、僕はけっこう好きですね。

――オクテでちょっと変わり者なキャラクターを、抑えた演技で表現されてましたね。表情のこまやかさが印象的でした。
【オダギリ】 前に出る役でもないので、大きな芝居は控えたのですが、かといって何もしなさすぎると、『たみおのしあわせ』というからには主役なので、バランスがとれなくなっちゃうなぁ・・・とも(笑)。自分でもわからないんですが、最初に脚本を読んだときに、民男のなかにねじれのようなものを感じたので、そのイメージは持っていました。

――原田さん、大竹しのぶさん、小林薫さんといった演技派のベテラン勢、忌野清志郎さんなどのカメオ出演陣など、キャストも味があって豪華ですね。
【オダギリ】 最高のキャスティングですよね。最初に岩松さんに声をかけてもらって以来、僕はもう参加している気分になっていましたから、ひとりずつ決まったと聞くたびに、我が子のことのように嬉しくなっていたんですよ。

“しあわせ”とは、日常の延長に見つけるもの

オダギリ ジョーの写真
『たみおのしあわせ』の写真
――大竹さんと小林さんとは、撮影中、“愛”について討論されたとか。
【オダギリ】 そうなんですが・・・実は、諸先輩方の話をほとんど聞いてなかったんですよ。お酒を飲んでたので。たしか、おふたりが愛について語っていたのを、ただ面白い意見のほうに乗っかってたような気がします。大竹さんとは今回初めてご一緒したんですが、すっごい面白かったです。僕は“面白い”と思った人には、けっこうちょっかいを出しちゃうんですが(笑)、大竹さんもそれができる距離感の方で。からかっても許してくれる、優しい人ですね。麻生さんと似ていると思いました。

――作品には、しあわせを求めて人とつながろうとする大人たちの姿がユーモラスに描かれていますが、オダギリさんが興味を持った登場人物は?
【オダギリ】 高齢の方々ですね。恋愛というか、映画のなかで、こう・・・いろいろとなりますよね(笑)。僕もああいうふうになるのかなぁ、なるといいなぁ、という意味も込めて。年を重ねてまで、素敵だと思いました。

――最後に、オダギリさんが考える“しあわせ”について教えてください。
【オダギリ】 この作品を見た方も、しあわせについて考えると思うんですが、僕は最近、家にいる魚を見ていて、「この魚のしあわせって何なんだろう?」ってすごく気になっちゃうんですよ(笑)。その魚はだいたい寝てるんです。餌をあげると食べるけど、あとはぼっーとしている。見るほどに何がしあわせなのか、わかんなくなっています(笑)。ただ、しあわせについて思うのは、何かが起きるからじゃなく、何も起きないことにあるんじゃないかなと。日常の延長に見つけるものなのかな、という気はしますね。

(写真:柴田和彦)
(文:上原桂子)

【映画『たみおのしあわせ』情報】

映画『たみおのしあわせ』の画像

 大人になりきれず、かといって子離れもできず、責任感もいまいち、過去を引きずりながら生きる父・伸男(原田芳雄)と、地味で冷めている息子の民男(オダギリ ジョー)。そんな2人が、一癖も二癖もある隣人たちに翻弄されながらも、見た目麗しきマドンナ、瞳(麻生久美子)との結婚という、一大イベントの成就に向けて大奮闘する、リアルで切実なストーリー。果たして、民男親子と瞳の結婚はいかに・・・。

監督・脚本:岩松了
出演:原田芳雄、オダギリ ジョー、麻生久美子、大竹しのぶ、小林薫、忌野清志郎、石田えり、冨士眞奈美

【主題歌情報】
ゼン・サマー・ケイム
勝手にしやがれ
発売日:2008/07/02[アルバム] 価格:\2,500(税込)
tearbridge records 品番:NFCD-27092

 

■Profile

【生年月日】 1976年2月16日
【出身地】 岡山県
【血液型】 O型
【身長】 176cm

映画では『転々』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『蟲師』『ゆれる』『パビリオン山椒魚』『血と骨』『アカルイミライ』他、出演。 ドラマでは『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)、『不機嫌なジーン』(CX系)、NHK大河ドラマ『新選組!』、『サトラレ』(テレビ朝日系)など、話題作に出演。 2008年7月19日より公開の映画『たみおのしあわせ』に出演。

 

■過去の特集

■勝手にしやがれ+オダギリ ジョー インタビュー
 『意外にしてピッタリのスペシャルコラボを語る!!』(2006/08/23)