ORICON STYLE

2008年07月02日
 

椎名林檎 デビュー10周年を迎えた椎名林檎を徹底解剖!

 

 デビュー10周年を迎えた椎名林檎。その記念リリース作品として、アルバム『私と放電』とシングルクリップ集DVD『私の発電』が同時リリースされた。独特の世界観を持つ椎名林檎の魅力とDVD『私の発電』の中で好きなPVをインターネット調査。椎名林檎のヒストリーとも呼べるアルバムと彼女の魅力を徹底解剖!

 
 

■改めて感じる椎名林檎の“凄み”と音楽の“パワー”

 1998年に椎名林檎がデビューしてから10年。その記念リリース作品として、アルバム『私と放電』とシングルクリップ集DVD『私の発電』が同時リリースされた。『私の発電』はシングルクリップ集とあるように、彼女の代表作をPVで一挙に楽しめるという豪華な内容だが、それ以上に興味深い選曲となっているのが『私と放電』だ。
 これまでに椎名林檎は10枚のシングル(デビュー作であり、1999年に再リリースされた「幸福論」は1枚としてカウント)、1組のシングル集を発表してきたが、それらからカップリング曲、アルバム未収録曲を網羅。さらに2003年の映像作品『賣笑エクスタシー』にCD音源としてセットされていた「映日紅(いちじく)の花」も加えた22曲を2枚組にコンパイルした、椎名林檎ヒストリーとも呼べる充実の1作となっている。
 圧倒されるのはボリュームだけではない。ここに収められた楽曲の色、匂い、存在感がいずれも際立っていることに、息を呑むことすら忘れてしまいそうになる。誤解を恐れずに言うなら、通常、カップリング曲というものは“メイン”曲の後ろに並んだ日陰の存在であり、ヒットシーンを押さえておきたい音楽ファンとはあまり接点もない。だから、そういう曲が集まっても「へー、こんな曲も作ってたんだ」って、つい“上から目線”で構えて聴いてしまうはず。
 しかし、この2枚組に詰め込まれた作品群はそんな“ヤワ”なものじゃない。ある曲は激しく心を揺さぶり、ある曲は(一見)可愛く擦り寄ってくる。言葉遊びの作品もあれば、名曲を椎名流サウンドに構築し直したカバーを超えたカバーも入っている。とにかく、聴いていて、眩暈がしそうなほどに色鮮やかで、次々と繰り出される音の粒子に身体がズタズタにされてしまうそうになる。
 10年前出現した椎名林檎という才能に衝撃を覚えた人、当時の活動をあまり知らなかった人。改めて椎名林檎の“凄み”に、音楽の“パワー”にその身を委ねてみよ。  

 
 

■椎名林檎の好きなところ

  1位

 
2位

メロディー

 
3位

歌詞

 
4位

ビジュアル

 
5位

スタイル

 
 

他の追随を許さない“声の個性”

 唯一無二の存在としてミュージックシーンを牽引している椎名林檎。人々は彼女のどこに魅力を感じているのだろうか。ORICON STYLEでは彼女の魅力を10代〜30代の男女にインターネット調査を実施。
 トップに選ばれたのは【声】。「女性らしさがすごくありながら、なおかつとてもかっこいい声だと思うので」(新潟県/10代/女性)「あの独特の声は誰にも真似できないと思う」(栃木県/20代/男性)など、声が醸し出す抜群の存在感が多くの人の心に彼女の音楽を植え付けている様子。セクシーにもべらんめえな感じにも自在に変化するバリエーションの広さを持ちながら、一聴しただけで椎名林檎だとわからせる“声の個性”は他の追随を許さない。

 

 続いて人気を集めたのは【メロディー】。「音のセンスが良い。個性があるけどスタンダードなところもあって良い」(東京都/20代/女性)「初めて聴いた時、それまでに聞いたことのない感じのメロディーで、衝撃的だった」(福岡県/30代/女性)。声も個性的ならサウンドも個性的。あらゆるジャンルを包括しながらも、スタイルにこだわらない彼女の音楽は、常に驚きを与えてくれる。だから、10年経っても新鮮なのだ。
 そして、そのメロディーに載ってくる【歌詞】もまた斬新。「独特な歌詞の言い回しが魅力的で引き込まれる」(大阪府/10代/男性)「独特の毒や、甘美さがある」(富山県/30代/女性)。変幻自在で奥が深い。言葉の魔力にもまた、我が国屈指の才能が光っている。

 
 

■DVD『私の発電』に収録の好きなPV

10年の鮮烈な足跡を映し出したPV集

 シングルクリップ集『私の発電』には、この10年の一瞬一瞬に鮮烈な足跡を刻んだ椎名林檎のさまざまな表情や姿が映し出されている。楽曲だけでなくPVもまた、彼女の魅力を語るうえで欠かせないものである。その中でも最も人気を集めたのが、彼女の名を全国に轟かせたブレイクチューン「ここでキスして。」。バックミュージシャンを従えた林檎がギターをかき鳴らしながらも、ほとんど不動の状態で振り絞るように歌い上げる様をあらゆる角度から映したこの映像は、限りなくキュートで限りなくロックしている。カメラ目線を用いず聴き手に媚びることのないスタイルが新鮮だった。「キュートなのに妖艶な感じが良い!」(静岡県/10代/女性)「PVが独特で好き。今でも記憶に残っている」(兵庫県/20代/男性)。

 

 2位には、ナースのコスプレと、次々にガラスを砕いていく映像が衝撃的だった「本能」が選ばれた。「ナース、ピンヒール、まっ赤な口紅のインパクトは今でも忘れられない」(東京都/20代/女性)「とにかくカッコイイ! PVのナーススタイルがよく似合ってた。女の強い面と弱い面をうまく引き出せている楽曲のように思えて、共感できる」(福岡県/30代/女性)。ジャケット写真とも連動したイメージ戦略の勝利。彼女の時代を確立させた金字塔のようなPVだ。
 ベスト3の最後の枠には「歌舞伎町の女王」がランクイン。「3分くらいだけど、とてもストーリー展開が豊か」(東京都/30代/男性)。自らを“新宿系”と名乗っていた彼女のスタンスを見事に描き出している。現代のはずなのに時間を巻き戻したかのようなビジュアル、強く、しかしどこか儚げな眼差しが見る者の心を鷲づかみにした、ブレイクの予感十分な1作である。

(文:田井裕規)

【調査方法】
自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】による全国の10代、20代、30代の男女、計1,200人にインターネット調査したもの。

 
 

■ALBUM

私と放電 /椎名林檎
2008/07/02[アルバム] EMIミュージック・ジャパン
【初回限定盤】
価格:\3,800(税込) 品番:TOCT-26574/5

【通常盤】
価格:\3,600(税込) 品番:TOCT-26576/7

 

■DVD

私の発電 /椎名林檎
2008/07/02[DVD] EMIミュージック・ジャパン
価格:\3,400(税込) 品番:TOBF-5577

【全曲視聴】

01. 幸福論「幸福論」視聴!
02. 歌舞伎町の女王「歌舞伎町の女王」視聴!
03. ここでキスして。「ここでキスして。」視聴!
04. 本能「本能」視聴!
05. ギブス「ギブス」視聴!
06. 罪と罰「罪と罰」視聴!
07. やっつけ仕事「やっつけ仕事」視聴!
08. 真夜中は純潔「真夜中は純潔」視聴!
09. 茎(STEM)「茎(STEM)」視聴!
10. りんごのうた「りんごのうた」視聴!
11. この世の限り「この世の限り」視聴!
12. メロウ(新撮PV)「メロウ(新撮PV)」視聴!
 
   
 

■PROFILE

1978年11月25日生まれ。福岡市出身。

1998年5月27日、シングル「幸福論」でデビュー。

4枚のアルバム『無罪モラトリアム』(1999年)、『勝訴ストリップ』(2000年)、『唄ひ手冥利〜其ノ壱〜』(カバー集 2002年)、『加爾基 精液 栗ノ花』(2003年)をリリース。

2003年、バンド東京事変を結成。

2004年、1stアルバム『教育』をリリース。

2006年、映画『さくらん』で音楽監督に初就任。

2007年2月、映画をイメージして制作した椎名林檎×斎藤ネコ名義のアルバム『平成風俗』をリリース。

2008年、デビュー10周年を迎える。

2008年7月2日、アルバム『私と放電』とDVD『私の発電』をリリース。

 

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