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加藤 公隆 氏
72年 8月30日生まれ。96年慶應義塾大学法学部 卒業、同年三和銀行(現 三菱東京UFJ銀行) 入社。98年ポリドール株式会社 入社(現 ユニバーサル ミュージック株式会社)、 営業、洋楽宣伝・編成などを担当。05年ユニバーサル インターナショナル第1マーケティンググループ チーフ・マーケティング・マネージャー 就任。07年1月ユニバーサル インターナショナルマネージング・ディレクター 就任。 |
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英国ロック史における名盤、ザ・ポリスのファースト・アルバムは私にとってとてつもなく思い出深いアルバムである。
英国パブリック・スクール在学中にこの名盤に出会い、聴く度に寮生活での様々な思い出が鮮明に蘇ってくる。英国病といわれた時代を背景にイギリス人ならではの皮肉なユーモアがアルバムの随所に盛り込まれており、解散後も若者の間で不動の人気を博した。感受性の高い少年時代、私にとってスティングはあまりにもカッコよく、スティングこそが私がベースをはじめたきっかけとなった。人前で演奏するという楽しさを身にしみて感じた人生初のライヴで演奏したのもこのアルバムに収録されている「ソー・ロンリー」と「ロクサンヌ」。私にとっていつ聴いても色褪せることはない名盤なのである。
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彼らのデビューは鮮烈だった。1987年、「ガンズ」のファースト・アルバムとなったこの作品の発売直後、ロボットが女性をレイプするジャケ写が問題となり差し替えられるなど、話題の尽きないまま、彼らは突然変異したように世界的なモンスター・バンドへと化けてしまった。ガンズ・ブームは凄まじかった気がする。少なくとも私の中では。そして思い起こせば、コンパクト・ディスクというものが普及し始めた頃、私が初めて「CD」として購入したのがこのアルバムだった。レコードの針を落とすことなく、CDラジカセのPLAYボタンを初めて押したときの思い出が蘇る。 |
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ティーンエイジを振り返ってみると私の人生はずっとベースに基づいていた気がする。インパクトのあるベーシストに憧れ、ベースラインだけを一生懸命聴きとってひたすら練習していた頃。スティングに憧れベースをはじめ、ガンズのベースラインを完コピし、レッチリのフリーに憧れ、チョッパーをはじめた。このアルバムはまさに疾風怒涛!私にとってこのアルバムはレッチリがもっとも激しく、そして爆発的なパワーに満ち溢れていたピークの作品だと思っている(もっとも売れたということではなく)。当時イギリスではマンチェスター・ミュージックが台頭していたにも関わらず、私はどっぷりアメリカン・ロックに心酔していた。FAITH NO MOREやJANE’S ADDICTIONその後に続くシアトル系グランジ・ロックといわれたSOUNDGARDENやNIRVANAなど。その中でも私はフリーの躍動感溢れるベースラインに心底打たれてしまい、(なることはなかったが)自分も将来ロックスターになりたい!と思わせてくれたのが私の永遠のヒーロー、フリーなのである。

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※この原稿は2008年1月に寄せられました
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松尾 潔 氏
音楽プロデューサー。代表作に平井堅、CHEMISTRY、DOUBLE、EXILEなど。 |
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まずは自己紹介がわりに自分のプロデュース作品から。
DOUBLEの「残り火-eternal BED-」、鈴木雅之さんのアルバム『Champagne Royale』と並んで最も時間を割いた昨年の作品がこれです。私が初めてプロデュースしたEXILEの楽曲。とはいっても、メンバーのATSUSHI君とは私がASAYANでボーカリスト・オーディションの審査をした時からの付き合いなのですが。
口の悪い人たちは私がオーディションで彼を「落とした」とよく非難したものですが、それはあまりに短絡的な見方。番組が進行して趣旨が明確になった時点で、それとは資質を異にするATSUSHI君を「外した」というのが真相であり、むしろ1万9千人の中から彼を最後の5人枠に「選んだ」ことにこそ私の意図がありました。
諸事情でなかなか一緒に仕事することができませんでしたが、出会いから6年あまり、ようやくコラボレーションが実現しました。最近おとなしいジャパニーズR&Bシーンに一石を投じることができれば、という思いを込めて作ったのですが、目的はある程度達成できたかなと。
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世に出ることは難しいもの。がしかし、それよりも難しいのは、世に出つづけること。価値を失うことなく年を経ることの難しさよ。
竹内まりやさんはその難題を彼女にしかできない方法でクリアーされているように思います。露出を控えることで世に出つづける。作品数を絞ることで価値の低下を未然に防ぐ。無駄なところが全くないその軌跡は、他の何とも比べようのない美しいかたち。
これは、女性シンガー・ソングライターかくあるべし、という見本のような佳品集。年を経ることの素晴らしさ、楽しさ、美しさ。賢明なる彼女はそこにささやかな寂寥感を織り込むことも忘れません。ひと掴みのお塩がお汁粉の甘さを引き立てることを熟知されているのでしょう。誤読の余地のない、しかし豊かなふくらみのある言葉で綴られた詞が、50代を迎えてより艶やかさを獲得した低音ボーカルで歌われます。
山下達郎さんのプロデュースは、確たる自信のもとタイムリーよりもタイムレスな表現の獲得に向かってブレがありません。新たなるスタンダードの誕生の背景には、然るべき理由があります。
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彼女かアリシア・キーズか、または最近出たばかりのメアリー・J・ブライジかで散々迷いました。まあアリシアやメアリー・Jについては別の場所でもよくお話ししていますが、エイミーについてきちんと語る機会はこれまでなかったのでこちらを選んだ次第。
多くのメディアでは便宜上ロックというカテゴリーに入れられているようですが、この作品をロックと呼ぶことには少なからず躊躇を感じます。だからといってR&Bやジャズあるいはヒップホップという呼び名にも収まりきれませんよね、この感じは。そのいずれも含んでいながら、どれでもない。この構造自体が越境者としての証。新しいポップ・ミュージックはいつも彼女のような人の手によって生み出されてきたのではないでしょうか。
ともすれば蓮っ葉なイメージ先行のエイミーという厄介な素材をうまく調理したプロデューサーのマーク・ロンソン(とサラーム・レミ)には強い嫉妬の念を覚えました。こんな気持ち、いつ以来かなあ。なお、2003年発表のデビュー作『Frank』で隠しトラックとして披露された「Moody’s Mood For Love」での歌いっぷりにノックアウトされた立場としては、そちらも強く推薦します。
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