2007年のMr.Childrenは、本当に精力的に活動を行っていた。1月に40万枚限定シングル「フェイク」、3月に13thアルバム『HOME』、5月にシングルのカップリング曲をセレクトしたアルバム『B-SIDE』をリリース。5月からは全国アリーナツアー、8月からはスタジアムツアーを行い、このふたつのツアーの合間には『ap
bank fes
’07』に出演。そしてそんなあわただしい日々のなかでも、彼らは新曲のレコーディングを行っていたのだという。07年のMr.Childrenの日々は、いつも音楽がそばにあった。10月31日にリリースされた約9ヶ月ぶりのシングル「旅立ちの唄」は、そんな彼らの日常から生まれた作品だ。
タイトルチューン「旅立ちの唄」は、スタジアムツアー『Mr.Children
“HOME” TOUR
2007 -in the
field-』のいちばん最後に演奏されたミディアムバラード。この曲は映画『恋空』の主題歌だが、実は彼らの元に主題歌の依頼が届く前に、すでに桜井は「旅立ちの唄」を作っていて、しかもアルバム『HOME』の制作が終わった直後にメンバーと小林武史がスタジオに集結し、ファーストセッションが行われていた曲だった。
映画『恋空』はケータイ小説『恋空』を原作にした映画で、主人公の女子高生が様々な体験や出会いのなかで成長していく姿を描いている。桜井はその原作を読んだとき、あまりにもその物語と「旅立ちの唄」との共通点が多いことに驚いたらしい。主題歌のために書き下ろした曲じゃないのに、何かに導かれるように、まるで出会うことが決まっていたかのように、運命みたいに繋がっていた「旅立ちの唄」と『恋空』。別れの歌であると同時に、新しい始まりの日を祝福している「旅立ちの唄」は、優しさと強さにあふれた歌になり、きっとたくさんの人たちの日常のなかにじんわりと浸透していく歌になるのだろう。
2曲目に収められたのは、なんと全国スタジアムツアー『Mr.Children
“HOME”
TOUR
2007
-in the
field-』の合間にレコーディングされたピカピカの最新曲「羊、吠える」。アルバム『HOME』制作終了直後にレコーディングした「旅立ちの唄」といい、ツアーの合間にレコーディングした「羊、吠える」といい、彼らはなんとアクティブに音楽と共に生きているんだろうと思う。新しい歌ができたから、ステキな歌が生まれたから、その思いをすぐにでもスタジオで鳴らし、形に残しておきたいという素直な衝動が、このシングルには収められている。
そして、3曲目に収められたのは、アリーナツアー『Mr.Children
“HOME”
TOUR
2007』で演奏された「いつでも微笑みを」のライブバージョン(‘07年6月15日に行われた名古屋公演を収録)。アルバム『IT’S
A WONDERFUL
WORLD』に収められていた「いつでも微笑みを」も、とても温かな歌だったけれど、このライブバージョンはより優しく、愛しくなって私たちの元に届き、音のみなのにそのライブ会場の雰囲気やメンバーや観客の笑顔までもが見えてくるような歌になった。さて、11月14日にはライブDVD『Mr.Children
“HOME”
TOUR
2007』をリリースする彼らだが、きっとすでに“ステキな曲ができたから”と、次なる新しい未来に向けて、音楽と共にある毎日を過ごしているにちがいない。
(文:松浦靖恵)
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