ORICON STYLE

2006年08月09日
MUSIC PICNIC 2006ライブレポート
沖縄でしか体験できなかった超レアイベント『MUSIC PICNIC』が東京上陸!
最高のステージをとれたてレポート!!
ORANGE RANGE、HIGH and MIGHTY COLORなどが所属する音楽事務所“スパイスミュージック”が主催するイベント『MUSIC PICNIC』が、開催5回目にしてついに本州上陸。地元・沖縄でしか体験できなかった超レアなイベントを、東京で観ることができる。赤、緑、黄色などカラフルなタオルを首に巻いたオーディエンスで埋め尽くされた会場は、DJが繰り出す夏モード全快のダンスミュージックに煽られながら、開演前から“とことん楽しみつくしてやる!”という空気に包まれていた。
成長し躍進したステージ
HOI FESTAの写真
【HOI FESTA】
 最初に登場したのは、7月26日にニューシングル「僕モノガタリ」をリリースしたばかりのホイフェスタ。いきなりトップスピードに達する推進力バツグンのバンドサウンドのなかで、ちっちゃな身体の女の子ボーカル“あち”がポップに弾けまくる――ヘビィロック直系の音像と“歌モノ”としてのわかりやすさがクルクルと回転していく楽曲はライブにおける高揚感もバッチリ備わっていて、フロアをグイグイと引っ張っていく。彼らのライブを観るのは去年の『MUSIC PICNIC』以来だったのだが、同じバンドとは思えないほどの成長ぶりに驚かされた。
エンターテイメント感いっぱいのステージング
HIGH and MIGHTY COLORの写真
【HIGH and MIGHTY COLOR】
インタビュー
 続いてはHIGH and MIGHTY COLOR。アメリカツアー、国内での単独ツアー、対バンツアーなど、今年のハイカラは“とにかく、ライブをやりまくるんだ”という意思に裏打ちされた活動を続けているわけだが、その成果は今回のステージにもしっかり表れていた。調子のいいバンドはステージに出てきた瞬間にグッと観客をひきつける求心力を持っているものだが、この日のハイカラはまさにそれ。思わず“おおっ!”と声を漏らしてしまうほどのヘビィネスをたたえたアンサンブル、ラウドロック特有の“デスボイス”と高音のシャウトを駆使しながら会場を煽りまくるユウスケ、そして、イノセントなメッセージ性とポップな手触りを同居させたマーキー。独特のフォーマットを持つハイカラはライブという場所を数多く経験することによって、明らかにひとつ上のレベルへと達していたのだ。特に印象に残ったのは、ユウスケの存在感。髪が伸び、ワイルドな雰囲気を漂わせるルックス、観客の理性をブチッと切り裂き、ひたすら興奮の渦へと巻き込むパフォーマンスは、ヘビィな楽曲を立て続けに演奏したこの日のハイカラを象徴していたように思う。
エンターテインメント感いっぱいのステージング
All Japan Goithの写真
【All Japan Goith】
 3番手はやはり沖縄・糸満出身のAll Japan Goith。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、4人のホーンセクションによる8ピースバンドであり、オーセンティックなスカをベースにしたサウンドのなかでグッと心に迫る“歌”を響かせる。高い演奏能力に支えられたアンサンブルと“みんなでいっしょに楽しもう”という気分が満載されたエンターテインメント感いっぱいのステージング(ホーン隊がめちゃくちゃ楽しそうに踊ってるんですよ)を両立させたこの日のアクトは、初めて生の彼らを観た人(おそらく、たくさんいたと思う)も巻き込みながら、会場をがっちりとひとつにしたのだった。そのピークは沖縄の民族音楽のフレイバーをふんだんに取り入れたダンスチューン「でいごの花」。沖縄特有のお囃子、掛け声、踊りがエッジの効きまくったスカビートに乗って、オーディエンスの熱をどんどん高めていく。いま思い出しても心がウキウキしてくるような光景は、このイベントにおける大きなハイライトだったと思う。
ORANGE RANGEの写真1
バンドとしての洗練とステージにおける凄み
ORANGE RANGEの写真2
【ORANGE RANGE】
インタビュー
 そして最後は、ORANGE RANGE。SE(キリキリマイ)が鳴り響き、メンバーが登場するだけで、“何かすごいことがはじまる”という予感がビリビリと沸き起こってくる。実際、この日のORANGE RANGEはとんでもないステージを体現してくれた。ワールドカップ期間中に流れまくっていた「チャンピオーネ」、ふだんの悩みとか問題が一瞬で弾け飛んでいくような興奮を生み出す「お願い!セニョリータ」、ハードエッジなギターリフを中心とした激ロックチューン「UN ROCK STAR」(8月30日にリリースされる新曲)を叩き込んだ時点で、彼らのパフォーマンス能力がさらに向上していることがハッキリと伝わってくる。演奏自体はきわめてシンプルで、すっきりとした手触り。だけどそこから生まれてくるアッパーな空気はまさに爆発的。バンドとしての洗練とステージにおける凄みを同時にアップさせている、そんな印象なのだ。
 特に素晴らしかったのだが、「U topia」。エレクトリックとヘビィロックをバランスよく配したサウンドは、危うい狂気とでも言うべきスリリングな空気を交えながら、観客を未体験の興奮へと誘い込む。ライブでこの曲を体験すれば、ロックバンドとしての彼らがいま、めちゃくちゃにヤバイ場所にいることがハッキリとわかるはずだ。
 そしてアンコールの「キズナ」では、会場中の大合唱が生まれる。ジャンルに関係なく、音楽そのものを素直に受け取り、気持ちよく楽しむ。「キズナ」における美しい感動は、『MUSIC PICNIC』のコンセプトを端的に映し出していたと思う。
(写真:鈴木健太)
(文:森 朋之)
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