ORICON STYLE

2006年06月21日
Ayumi Hamasaki Special issue
たくさんの想いが詰まった40枚目のシングル!!
 浜崎あゆみ40枚目のシングルは「BLUE BIRD」。40枚という数を積み重ねてきた記念すべきシングルの割には、ずいぶんとストレートで心地いいシングルだな?、と思っていたら・・・・・・ムム。読めば読むほどイマジネーションが湧き出てくる歌詞、その裏側に秘められたメッセージ。これだから、彼女の作品は侮れない。今回もじっくりと味わって、いつまでも大事にできる渾身の1曲です。

限りなく深い内容を宿している歌詞

 冒頭からおもいきり古い話で申し訳ないけれど、かつて一世を風靡したザ・タイガース(沢田研二が在籍したバンド)が68年に発表したヒットナンバーに「青い鳥」という曲があった。それから5年後(つまり73年)、デビュー間もない桜田淳子の人気を決定づけた作品は「わたしの青い鳥」というタイトルだった。
 青い鳥──幸福を運んでくる鳥として、かのメーテルリンクの戯曲(チルチルとミチルの夢物語)を通じて、幼心にイメージを刻みつけた人も少なくないのではないだろうか。だからこそ、日本のポップスシーンにおいても(当然ワールドワイドのミュージックシーンにおいても)、幸せを求める心の象徴として“青い鳥”は幾度となく、カゴから解き放たれてきた。

 さて、浜崎あゆみの新曲「BLUE BIRD」である。タイトルを直訳すればそのまま“青い鳥”。疲れた羽を休めたのか、傷ついた体を癒したのか、いずれにせよ、時が経ち、もうすぐ飛び立っていこうとする“僕”に「このまま一緒にいようよ。」と語りかけ、「僕が君を守ってあげる」と包み込む“君”の心情が描かれたラブストーリーだ。そう、タイトルの「BLUE BIRD」を意識することなく、歌詞の世界へ入っていけば、これは“僕”と“君”のラブストーリーになる。
 でも、“青い鳥”のことを念頭において詞を追っていくと、印象はガラリと変わる。“居場所はいつもここにあった”というのは、求めている幸せは日常のすぐとなりにあることを意味し、その幸せをイメージする“青い鳥”との別れは、次なる幸せへとはばたいていく序章でもあるということを意味している。でも、今の幸せな状態のままがいいから“青い空を共に行こうよ”と語りかけつつも、それが最初から無理なことがわかっているから“君”も“僕”も泣いてしまう──次の幸せをつかむための成長について歌ったというのが、この曲の“もうひとつのテーマ”だ。
 しかも、ここで“君”と“僕”の視点を入れ替えることで、バリエーションはさらに広がる。“君の声で目を覚ます”とは、“鳥の声で目を覚ます”というケースだけではなく、“人の声で目を覚ます鳥”というケースもあるということ。前者なら語りかけたのは鳥であり、後者ならそれは人ということになる。なんだかややこしくなってきたけれど、それほどまでにこの歌詞は、“表層的”なものではなく、限りなく深い内容を宿しているということだ。

浜崎あゆみのメッセージが秘められている新曲

 そして、<さらに>だが、この“君”と“僕”を浜崎自身と彼女のことを支え続けているファンに置き換えてみると、どうだろう。そこにはファンとともにありたいと願う彼女の強い意志を込めたメッセージが横たわってはいないだろうか。
 その軽快なスピード感と爽やかさについつい“気持ちいい”で味わってしまいかねない「BLUE BIRD」だが、そこには幾重にも重ね合わされた浜崎あゆみのメッセージが秘められていたのだ。浜崎あゆみの手によって、再びミュージックシーンに解き放たれた“BLUE BIRD”、それはファンにとっての浜崎であり、浜崎にとってのファンであるのかもしれない。

(文:田井裕規)
Release
BLUE BIRD【DVD付ジャケットA】
浜崎あゆみ
2006/06/21[シングル]
\1,890(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-31051/B
CDを購入する
BLUE BIRD【DVD付ジャケットB】
浜崎あゆみ
2006/06/21[シングル]
\1,890(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-31052/B
CDを購入する
BLUE BIRD【通常盤ジャケットC】
浜崎あゆみ
2006/06/21[シングル]
\1,050(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-31053
CDを購入する
Profile
1998年4月8日、シングル「poker face」で、デビュー。
1999年1月1日、アルバム『A Song for ××』をリリース。初登場首位を獲得。
1999年7月14日、シングル「Boys&Girls」をリリース。初登場首位を獲得。
日本レコードセールス大賞、日本レコード大賞、日本ゴールドディスク大賞等、数ある賞を次々と受賞。
また、“ベストジーニスト”と抜群のセンスにより音楽の枠を越えファッションでも注目され、若者のカリスマ的存在となる。
2004年12月15日、アルバム『MY STORY』で首位獲得。
2005年にリリースしたシングル「STEP you/is this LOVE?」 「fairyland c/w alterna」 「HEAVEN」 「Bold&Delicious/Pride」で首位獲得。
2006年1月1日、アルバム『(miss)understood』をリリース。初登場首位を獲得。
2006年6月21日、シングル「BLUE BIRD」をリリース。
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