ORICON STYLE

2005年09月14日
HEAVEN【CD+DVD】
浜崎あゆみ
2005/09/14[シングル]
\1,890(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-30842/B
松竹配給映画「SHINOBI」主題歌
ダウンロード購入
HEAVEN【CD】
浜崎あゆみ
2005/09/14[シングル]
\1,050(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-30843
松竹配給映画「SHINOBI」主題歌

 2ヶ月連続でリリースされる浜崎あゆみのシングルは映画『SHINOBI』(9月17日より全国ロードショー)の主題歌。アーティストとしての7年間を全力で突っ走ってきた彼女にとっては、あらゆることをやり尽くした感があるのではと思っていたのだが、なんとこれが初となる映画主題歌書き下ろし。それだけに、この曲に込めた“気合い”は尋常ではない。まずは聴くべし。そして感じるべし。あなたのバラード観が変わることは確実だ。

悲しすぎる曲。そして……この上なく強く美しい歌。

 星の瞬きを感じさせるイントロ。空の上との交信。空へと還っていってしまった人へのメッセージ。「HEAVEN」には色濃く“別れ”の影が漂い、主人公の“孤独”が映し出されている。
 愛する人を“死”で失うというシチュエーションを持つ歌は数限りなくある。古くはチェッカーズの「星屑のステージ」や沢田知可子の「会いたい」であり、最近では平井堅の「瞳をとじて」などが代表的なナンバーだろう。そこには“終焉”というドラマが存在し、そのドラマをリスナーが共有できるからこそ、感動が生まれ涙が溢れてくるのだ。
 映画の主題歌ともなればなおさらのこと。ストーリーが完結し、感動に打ち震えているところにダメを押すように流れてくるのがメインテーマだ。その曲調がドラマチックであればあるほど、人はストーリーを反芻(はんすう)し、曲に身を委ねてしまう。乱暴な言い方をするなら、主題歌の出来で涙をいくらでも絞り取ることは可能だし、逆にそれまでの感動を全てぶち壊すこともできる。
 『SHINOBI』は、伊賀と甲賀の敵対する忍の二大勢力の跡取りが、立場を知らずに出会い、恋に落ちてしまったが為に招いた“宿命”の悲劇。ロミオとジュリエットでもあり、『タイタニック』のジャックとローズのようでもある。そこに悲劇的な結末が待っているのが分かっているだけに、誰もが悲劇の恋人たちにエールを送る。
 そんな状況下に音楽を載せるのは(ましてや初の書き下ろしなのだから)至難の業であり、そこに身を投じた彼女のプロ根性は天晴れと言える。

聴き手と共に作り上げる感動のバラード

 全編を通して、淡々と歌う浜崎あゆみがいる。ことさらにイメージを増幅させるでもなく、感情を注入するでもなく、抑えたように歌う浜崎がいる。色にたとえるなら淡いモノトーンであり、情熱の“赤”や悲しみの“ブルー”は漂っていない。
 彼女のボーカル力を持ってすればエモーショナルに歌うことも容易かったはずだろうが、それを敢えてやらなかったのは何故か。個人的な印象に過ぎないが、少なくともこの歌い方によって、主題歌としての特性が薄れることは一切ない。むしろ、ドラマチックに歌われれば歌われるほど、色は特定され、曲と映画のストーリーが同化し、“浜崎あゆみの作品”というポジションからは離れていってしまったことだろう。
 極端な色を付けないことで映画を活かし、自身の言葉を活かすという選択が採られた「HEAVEN」。聴き手がそこに色を与えていくことで、曲の“濃度”が変わるという手法は鮮やかすぎるほどだ。
 聴き手と共に作り上げる感動のバラード。その意外性と成功に、浜崎のクリエイティヴィティと音楽に対するコントロール能力の高さを感じずにはいられない。
(文:田井裕規)
1998年4月8日、シングル「poker face」で、デビュー。
1999年1月1日、アルバム『A Song for ××』で首位獲得。
1999年7月14日、シングル「Boys&Girls」で首位獲得。
以降、リリースの度大ヒットを記録。
日本レコードセールス大賞、日本レコード大賞、日本ゴールドディスク大賞等、数ある賞を次々と受賞。
また、“ベストジーニスト”と抜群のセンスにより音楽の枠を越えファッションでも注目され、若者のカリスマ的存在となる。
2004年12月15日、アルバム『MY STORY』で首位獲得。
2005年3月23日、アルバム『MY STORY Classical』をリリース。
2005年4月20日、シングル「STEP you/is this LOVE?」で首位獲得。
2005年8月3日、シングル「fairyland c/w alterna」で首位獲得。
2005年9月14日、シングル「HEAVEN」(松竹配給映画『SHINOBI』主題歌)をリリース。
オフィシャルサイトへGo
特集:『2曲の異なるシチュエーションで伝えたかった』(2005/08/03)
特集:『ツアー速報!圧巻の全9変化!』(2005/05/09)
特集:『“あゆ”を再認識する1枚』(2005/04/20)