ORICON STYLE

2005年03月23日

 2005年、倉木麻衣がいい。
 年明け早々にリリースされた5周年記念ライヴDVD『Mai Kuraki 5th Anniversarry Grow, Step by Step』でデビューからの活動を総括したかと思えば、すぐさま05年第1弾シングル「Love, needing」をリリース。今様R&Bを噛み砕き、間口の広い“倉木流ポップ”へと昇華したこのシングルは、まさに彼女の本来の立ち位置へと舞い戻ったかのような確固たる作品だった。特筆すべきは、彼女の端正な表現に、かつては感じられなかったような“ハジケた感覚”が加わっていることだ。この曲には「no no no..but but」という小気味良いフレーズに象徴されるようなイキイキとした躍動感が宿り、そこには従来の表現から一歩も二歩も踏み出そうとする意志が感じられたのだ。
 それもそのはず。彼女はこの3月に大学を卒業し、晴れて社会人となる。つまり、これからは音楽活動に専念できる、というわけだ。そして、彼女は今まで以上に楽曲制作に関わっていくとのこと……というより、そうした体制は既に「Love, needing」より始まっているとのことだ。既に“社会人”としての創作活動はスタートしている、というわけだ。「Love, needing」に感じられる躍動感は、音楽制作に没頭し、自身の感性をよりダイレクトに表現できる喜びから生まれたものに違いない。
 そして、早くも登場する05年シングル第2弾も、さらなる躍動と遊び心に溢れた意欲作となった。表題曲「ダンシング」は、倉木麻衣にしては"やや濃いめ"のファンク・チューンだ。変わろうとする人へのメッセージをイナタいファンクのフィーリングで綴るという意外性。さらには、中間のスロウダウンする“リズムの仕掛け”や、敢えてカタカナで「ダンシング」と表記するセンス。こうした遊び心が楽曲本来の持つ躍動感をさらに増幅させている。カップリングの2曲も充実した作品だ。美しいバラード「through the River」では哀しみの中に希望を見出すポジティヴな姿を描き、ミディアム・ポップ・チューン「You look at me〜one」では何かを始めようとする人へのエールを送っている。
 新たな一歩を踏み出す人へと向けられたこの3つのメッセージ。それは決して一方的に投げ掛けられたものではなく、倉木自身が聴き手と共有するものだ。だからこそ、これほど鮮やかに響くのだ。そして、そこには“新生活”へと向かう彼女のワクワクとした躍動感が溢れている。
(文・石川真男)
ダンシング
倉木麻衣
2005/03/23[シングル]
\1,260(税込)
GIZA studio
GZCA-4036
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楽曲情報
01.ダンシング
02.through the River
03.You look at me〜one
1982年10月28日生まれ。
1999年10月、ボストン Cybersoundへレコーディングのため渡米したことがきっかけで、16歳で“Mai・k”名義の『Baby I Like』で全米デビュー。
1999年12月8日、シングル「Love, Day After Tomorrow」でデビュー。2位を獲得。
2000年3月15日、シングル「Stay by my side」で、首位獲得。
デビューからミリオンヒットを立続けに記録。
2000年6月28日、アルバム『delicious way』で、首位獲得。400万枚を突破。
2001年7月4日、アルバム『Perfect Crime』で、首位獲得。ダブルミリオンを達成。
2002年1月、全英語詞によるアルバム『Secret of my heart』を全米リリース。
2005年3月23日、シングル「ダンシング」をリリース。