ORICON STYLE

Check 2011年02月23日

思い入れのあるシーンを思い浮かべて

――この曲がまた本当にすばらしい。どこまでも音楽的なBUMPならではのバラード曲で。
【一同】 ありがとうございます!
――『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』の主題歌に決定しましたが、どのように生まれた曲なのでしょうか?
【藤原】 完全にのび太のことを考えていましたね。まず、きっかけとしては『鉄人兵団』の主題歌のオファーをいただいて。僕らとしても『ドラえもん』が大好きで、なかでも映画として公開される大長編に対する思い入れがすごくあるんです。大長編には甲乙つけがたい魅力的な作品がたくさんありますけど、そのなかでもオリジナルの『鉄人兵団』は僕らのなかで3本指に入る作品だったんですね。いざ、曲を書くとなったときは、『鉄人兵団』で自分がいちばん思い入れのあるシーンを思い浮かべましたね。
――それはどのシーンですか?
【藤原】 終盤の、のび太とリルルというメインキャラクターの友情を巡るシーンなんですけど。半壊状態にある街の地下鉄の階段で、思い悩むリルルがしゃがみ込んでいるところをのび太が見つけるんです。で、リルルは振り返って笑うんです。子どものころからそのシーンがとくに印象に残っていて。“このときのリルルってどんな気持ちなのかな?”って。のび太もまた、いろんな複雑な思いを抱えてリルルを捜しにきてくれたんですよね。そのリルルとのび太の情景を思い浮かべながら、ギターを弾いて、歌詞を書いていたんですけど――最初はどちらかというと、リルルに寄った気持ちがありましたが、そうじゃなくてこれは俺自身の気持ちなんだなってどんどんなっていったんです。思い返すと、読者である自分が何かに悩んでいるときも、うだつが上がらないときも、のび太はいつも友だちのままで見守ってくれていたような……。そうやって、のび太がいつも自分と一緒にいてくれたという感覚があるんですよね。のび太とリルルの印象的なシーンを入り口にして、自分から見たのび太、さらにのび太を通して、『ドラえもん』という作品を感じながら曲を書いていって。そのシーンはもしかしたら、自分だけじゃなくて、『ドラえもん』という作品と受け手の象徴的なひとコマなのかもしれないなって思うようにもなってきて。『鉄人兵団』という窓枠を通して、自分の想いがどんどん外にも広がっていったんですよね。

得体の知れない怖さとそれを越えていく感動

――すごく個人的かつ普遍的な友情を描く歌になっていった。
【藤原】 うん。ここまで一緒にバンドをやってきたメンバー、CDを聴いてくれるリスナー、ライブに来てくれるお客さん、小学校のころの友だち、スタッフ、リリースのたびに取材してくれる人たち、その記事を読んでくれる読者にもどんどん思いが向かっていって。それで、こういうスケールの曲になっていったんです。
――3人にとってのこの曲はどういう感触がありますか?
【直井】 藤くんにデモを聴かせてもらったときにイントロからグッときて、Aメロから涙が止まらなくて。まずドラえもんやのび太の顔が浮かんできて。そこからメンバー4人の想い出とか、幼なじみと薮のなかを駆けていた記憶とか(笑)――いろんなことが頭をよぎりましたね。あとは、藤子・F・不二雄先生にもう「ありがとうございます」といえないこととか……。今でもこの曲を聴くとヤバいですね。
【升】 例えば子どもだったら、この「友達の唄」をBUMP OF CHICKENの曲と認識しないで聴くわけじゃないですか。あくまで“ドラえもん”の曲として聴いてくれる。
―― 一生の記憶になる可能性が大いにある。
【升】 現に僕らにとっての『ドラえもん』はそういう作品だし。そういうふうに曲を届けられる機会をいただけてすごくうれしい気持ちです。あと大長編『ドラえもん』の最後って、ハッピーエンドなんだけど悲しいんですよね。必ずそこに別れがあって。『鉄人兵団』の物語に触れて、子どもでも大人でも心が揺さぶられるときにこの曲が流れることを想像したら、今からもう感動しています。
【増川】 この曲には、上手く言葉にできない感動があるんですよね。直井くんと同じように、いろんなことを想起させられるし。『ドラえもん』に関していえば、『映画ドラえもん』の世界観は得体の知れない怖さも描かれていて。最終的にはそれを越えていく感動があるんですけど、この曲もそういう深いところを揺さぶるようなものになったと思います。

(文:三宅正一)

RELEASE

友達の唄

友達の唄
BUMP OF CHICKEN
発売日:2011/02/23[シングル] 価格:¥1,050(税込)
トイズファクトリー 品番:TFCC-89333

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PROFILE

  • メンバーは、藤原基央(Vo&G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)の4人。全員が千葉県佐倉市出身で、幼稚園からの幼なじみ。1994年、中3の文化祭でBUMP OF CHICKENを結成。
  • 1999年3月18日、アルバム『FLAME VEIN』をインディーズよりリリース。その圧倒的な楽曲と演奏で大きな話題に。
  • 2000年9月21日、シングル「ダイヤモンド」でメジャーデビュー。
  • 2002年2月20日、アルバム『jupiter』をリリース。初の1位を獲得。
  • 2010年4月14日、シングル「HAPPY」をリリース。1位を獲得。
  • 2010年4月21日、シングル「魔法の料理 〜君から君へ〜」をリリース。1位を獲得。
  • 2010年10月13日、シングル「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」をリリース。1位を獲得。
  • 2010年12月15日、アルバム『COSMONAUT』をリリース。1位を獲得。
  • 2011年2月23日、シングル「友達の唄」をリリース。

過去の特集&インタビュー

映画情報

ドラえもん「のび太と鉄人兵団」
  • 予告編

ドラえもん「のび太と鉄人兵団」

Story
北極で、巨大なロボットの足と謎の青い球体を拾ってきたのび太。その青い球体に導かれるように、次々とロボットの部品が家の庭に降ってきた!ドラえもんとのび太は鏡面世界で部品を組み立て、巨大ロボット、ザンダクロスを完成させる。ところが、のび太の街にロボットの持ち主だと名乗るリルルという不思議な女の子が現れる。実は、ザンダクロスとリルルはロボットの星・メカトピアから地球を征服するために送り込まれたのだった……。

声の出演
水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 千秋 沢城みゆき 小林由美子 加藤浩次
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2011
2011年3月5日(土)全国東宝系ロードショー

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