アメリカデビューは成果よりも挑戦してみたかった
――まず10周年おめでとうございます。すっかり大人の魅力溢れるカッコいい女性BoAさんに進化を遂げられましたね。
【BoA】 自分ではわからないですけど〜まあ、やっと25歳になりました(笑)。
――改めてこの10年を振り返ってみていかがですか?
【BoA】 意外と早かったですね。振り返ってみるといろいろあるんですけど……というか、ありすぎて(笑)、自分でもすごく濃い10年だったと思います。日本での活動は2、3年程度かなと当時は思っていたんですけど、まさかこんなにも長い間続けてこられるとは!?
――想定外であったと。
【BoA】 はい。でも、それも支えてくださったファンの方のおかげだと思っています。本当にありがとうございます!
――しかも、韓国、日本のみならず、アメリカと世界を股にかけての活躍ですしね。
【BoA】 アメリカに関しては、結果にこだわらず、とにかくチャレンジしようと。勉強になることや刺激をいっぱい受けたいっていう気持ちのほうが大きかったですね。だから、アメリカでの成功を目指してというよりは、自分のスキルアップとアーティストとして新たな分野に挑戦してみたかったんです。
――不安は一切なかった?
【BoA】 不安じゃなかったですといえば、絶対嘘ですけど(笑)、今まで自分が作ってきたキャリアには自信があったし、そのペースがいきなり崩れることはないなって。もちろん新たなスタートをするときには、そのぶん犠牲にしなくちゃいけないものもあるのはわかっていましたし。
――改めて思うのが、BoAさんは常に自分をもうひとりの自分が冷静に、客観的に見ているような。
【BoA】 自分では特別意識しているわけではないんですけど、それはあるかもしれないですね。
――BoAさんが最初に日本に来たときは、現在のようなK-POPブームではない状態で、まさに先駆者といえると思うのですが。そのぶん、言葉の壁など、苦労したこともたくさんあったんじゃないですか?
【BoA】 日本で活動するならば、ちゃんと自分の言葉で伝えたほうが、見てくださるみなさんに対して気持ちがより伝わるんじゃないかと思っていました。
――この10年は、努力の積み重ねの10年じゃないかと。
【BoA】 努力というよりも、日本語に関しては、やりながら覚えていったという感じですね。デビュー当時は、取材が毎日ギッシリ入っていて、もちろん精神的にも疲れることはありましたが、むしろそのおかげでトレーニングできて、日本語が上達したんです!
「SM」の後輩たちへ…どんなときも誠実さを大事に
――なるほどね。最近では、『SMTOWN』などのイベントで東方神起や少女時代、SHINeeといった同じ事務所に所属する後輩アーティストたちと共演をする機会が多いですが。先輩から見て後輩たちの活躍ぶりはいかがですか?
【BoA】 みなさん各国で頑張っているなと思います。
――それはBoAさん自身もですけどね(笑)。
【BoA】 いやいや。たまに「今ロンドンから帰ってきたんですよ」「オーストラリアに行ってきました」とかスケジュールを聞くと、すごいな〜って。それも今のK-POPブームの影響だと思うんですが。東方神起もK-POPブームのない状況で日本での活動をはじめて、苦労した部分もあると思うんですが、同じ事務所の後輩とはいっても、私は応援する側じゃなく、同じプロの世界で戦っている身であって。そういう意味では、お互いライバルなわけじゃないですか?だから、先輩として言ってあげられる言葉はないといいますか……むしろ私自身、そんなことを偉そうに言えるような立場ではないです。ただ自分たちのグループや音楽を、自分たちなりに理解して表現すること、どんなときも誠実さを大事にしてほしいなとは思いますね。
――まさにこの10年間、誠実に歌と向き合い続けてきたBoAさんならではの言葉ですね。
【BoA】 でも、2007年あたりかな。自分のリミットにぶつかってしまって、歌から離れたい時期があったんです。日本と韓国の活動……スケジュールが……(苦笑)、そのなかで自分のやりたいことやさらなるアイディアが浮かばなくなってしまったんです。
――こなすだけで日々精いっぱいだったと。
【BoA】 どれだけ好きなことでもやりすぎてしまうと慣れてしまって、そのありがたさがわからなくなってしまうじゃないですか?きっとそれは誰もが経験する体験だと思うんですけど。たまたまそこにぶつかってしまった時期だったんです。
――しかも、自らを放出するばかりで、いろんなことを自身の中に吸収する時間も限られると思うし。
【BoA】 本当はひと呼吸して、ゆっくり充電したかったんですけど、その頃からアメリカデビューの話が出ていて結局できなくて。でも、自分がそのとき一番したかったことは、インプットすることだから、アメリカデビューはまさにインプットする絶好の機会だなって。
――そして、インプットした結果、アメリカ進出を機に、アーティストとして、さらにパワーアップしましたね。
【BoA】 目に見える変化というよりは、何より内面の変化が大きかったと思いますね。歌に対してより高い意識、アーティストBoAに対しての覚悟といいますか、より責任を持てるようになれましたね。
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(文:星野彩乃)