――前作『Home』発表以降の1年は、いろんなことがありましたね。
【アンジェラ】 はい。いろんなことを体験できた濃密な1年でした。日本武道館でのライブがあったり、紅白歌合戦に出演させてもらったり、シングル曲がドラマ主題歌やTV-CMソングに起用されたり、また弾き語りでのライブツアーもあったりと、いろんなことをさせていただきました。そういった濃密な経験を元に作られたのが、今回のアルバム『TODAY』である、と言えますね。
――ではタイトルどおり、アルバムにはアンジェラさんの“現在”が詰まっているワケですね。
【アンジェラ】 そうですね・・・、でも必ずしも“今日”だけではないですね。例えば1曲目の「サクラ色」は、辛かった過去の失恋を思い起こす“今日”だったりとか。“今日”を基準に、過去や未来を見つめている感じです。だからいろんな時間がアルバムには存在しますね。
――いつ頃から、“今日”を音楽にしようと思ったのでしょう?
【アンジェラ】 今年の始めに「サクラ色」のレコーディングをしていた頃から、『TODAY』がテーマになる、そしてこの曲がアルバムの冒頭を飾ると、パッとひらめいていて。「孤独のカケラ」「たしかに」を制作した頃には確信になりましたね。それで弾き語りツアーをしながら、収録曲のアイディアを考えていき、レコーディングし始めたんです。でも最後に『TODAY』を象徴するような曲を作ってないことに気が付き、完成させたのが、3曲目のタイトルチューンだったんです。
――この曲は、希望にあふれながらも、ちょっと冷静に現実を見つめていますよね。
【アンジェラ】 ただポジティヴなことだけを伝える音楽って、どこか薄っぺらく感じるんですよ。現実って、いろいろネガティヴなことも起こるじゃないですか。そういうこととどう向き合い毎日を過ごしていけばいいのか、を伝える音楽にしたかったんです。
――収録曲で印象的だったのが、「モラルの葬式」。ストリングスとピアノの応酬がスリリングかつミステリアスですね。どこか『不思議の国のアリス』の世界に迷い込んだようなイメージが思い浮かびますよね。
【アンジェラ】 (笑)。これはピアノを弾いているうちに完成した曲です。『TODAY』ってタイトルにしたから、今の自分を表現できるものなら何でもアリと思って、収録したんです。私のなかの寓話的な要素が表現されているのかな。確かに、J-POPとは言いづらいタイプの曲かもしれないけれど、私は自由な発想で音楽を表現していきたいから、出来には満足しています。