約2年ぶりにオリジナルアルバム『オクリモノ』をリリースするRAG FAIR。6人の“声”を核にして、様々な表現を色彩豊かに届けてくれた今作は、RAG FAIRの新しい第一歩となった。
―─昨年12月にアカペラグループとして初めて日本武道館公演を行ったことは、RAG FAIRにとって大切な一区切りになったし、今回のアルバム制作にも大きな影響を与えたのでは?
【引地】 そうですね。武道館は完全燃焼できました。やりきった感、充実感が持てたことで“さぁ次は!!”っていう気持ちの上でも新しいスタートが切れましたね。
【加藤】 武道館でRAG FAIRが結成されてから僕らが得てきたものを出し切ったからこそ、新しいことに挑戦してみたいという思いもふくらみました。
【奥村】 武道館をやったこと、その前にベストアルバムを出したこと、今年に入ってライブサーキットをやったこと、「降りそうな幾億の星の夜」や「君のために僕が盾になろう」が出せたこと・・・。ひとつひとつが今回の『オクリモノ』につながってた。
【土屋】 ヘキサゴン(六角形)の面積が広がりましたね。6人それぞれの個性が今までもRAG FAIRというヘキサゴンを作っていたけれど、その形はいびつだったと思うんですよ。だけど今回はヘキサゴンがきれいに広がって、内側の面積が増えた。
【加納】 それぞれの持ち味、立ち位置をちゃんと6人が意識しながら共同作業ができた。今まではRAG FAIRってこういうグループだよねっていうイメージが僕らの中にもずっとあって、そこから抜けきれてなかったような気がするんですよ。
【奥村】 今回はそういう枠をひとりひとりが取り払って、しかも6人のコミュニケーションの絆がぐっと強くなって作れた。
【荒井】 ステップアップしようっていう覚悟が武道館以降すごく自分の中にあったし、その覚悟が新しい挑戦に挑むパワーをくれたと思います。
―─いろんな挑戦をしていても、その音楽の核にあるのは“声”なんだという自信があるんだなということを『オクリモノ』に収められた曲たちは教えてくれますね。
【引地】 6人だからこそRAG FAIRなんだっていう自信がやっと生まれた。
【土屋】 デビューして5年経って気づけたっていうのは嬉しいことだよね。
【加納】 メロディがちゃんと届くようにっていうのはそれぞれが意識してたと思う。以前だったら6人の声が均等に聴こえるやり方をしてたり、あえてアカペラグループであることを意識しすぎていたりしてた時期があったけれど、今は一番聴こえるべきところが聴こえなきゃ、伝えるべきものがより伝わらなきゃっていう届け方をしてる。
【土屋】 せっかく録ったのに、あとでバッサリ削っちゃったりしたしね。
【荒井】 深くなったよね。この楽曲が一番輝くのはどんなやり方だろうっていうのを一番に考えるようになった。
【加藤】 あらためて思うのは、武道館までの間にもRAG FAIRは色んなことをやってきたけれど、それは僕らの軸は何なんだろう、どういう方向に進んでいくんだろうっていうのを探すための道のりや挑戦だったんじゃないか、と。でも今はRAG FAIRの軸がしっかりと自分たちの中にあるんだ、それこそ“アカペラ”という力強い原点があるんだと分かった上で、今やってみたいことを素直にやれるようになったんだなって思います。
【奥村】 楽曲クレジットの名前がメンバーの個人名であっても、その後ろには他のメンバーの名前を全員のっけてもいいってくらいの気持ちを持てるようになれたなぁ。
―─『オクリモノ』って心が丸くなる優しいタイトルですね。
【加納】 誰が言い出しっぺなのか覚えてないんだよね、誰も(笑)。
【引地】 実はこんな意味があるんですって後付けできないくらいシンプルなタイトル(笑)。
【土屋】 くやしいなぁ、なんか後付けできないもんかねぇ。
【引地】 無理矢理作らなくていいから(笑)。
【奥村】 手渡しで僕らの音楽を、僕らの想いを、RAG FAIRを届けてるアルバムなので、『オクリモノ』にしました。
―─11月からは約2年ぶりの全国ツアーがスタート。どんなライブになりそうですか?
【加藤】 音と声で今のRAG FAIRを届けるライブになると思います。
【土屋】 スタンダードなライブですね。
【引地】 今のRAG FAIRだからこそできるスタンダードなライブ。
【奥村】 『オクリモノ』がRAG FAIRの新しい土台になったと思うので、僕らもこのアルバムを持って回れるツアーがとても楽しみです。
(文:松浦靖恵)