私は何でも受け入れられるタイプ
――原作とドラマのファンだったそうですが、どういうところが好きだったんですか?
【長澤】 どうしようもない幸世(ゆきよ/主人公)が本当におもしろいなぁって。バカだなぁ、この人って笑えるところがいいんですよね。それは原作を読んだときから思っていたことで、そのあとドラマになって、音楽とか別の要素が入ってきて、またおもしろいなぁと。なんとなく世間を俯瞰(ふかん)で見ている作品なんだろうなぁと思わせておいて、ちゃんと流行に乗っているっていうところがいいと思うんです。
――幸世のようなどうしようもない男子は、実際のところどうですか?
【長澤】 実際にかぁ(笑)。でも、映画の幸世ってドラマの頃よりもちょっと成長しているんですよね。完全に草食系だったのが肉食系な部分も持ち合わせちゃって。両方持っているのがいいなぁと思っていたので、わりと理想に近づいた気がしますね。自分の世界を持ちつつ、ちゃんと女の子を引っ張ってくれる人がいいと思うんです。常に男の人が前に出る必要はないですけど、ときには引っ張ってくれる強さだとか、勢いだとか、そういうものを見せてもらいたいですよね。
――幸世のようなサブカル好きはどうですか?
【長澤】 嫌いじゃないです。私、麻生さんが演じたるみ子的なところがあって、何でも受け入れられるタイプなんです。こういう仕事をしているからかもしれないんですけど、いろんな人からいろんなことを教えてもらって、受け入れられる範囲が広くなったんですよ。知っていけばいくほど、おもしろさもわかってきますからね。だから、サブカル男子も嫌いじゃないです。
自分の考えが反映された愛着のあるキャラ
――映画には、ライブ、フェス、“ひとりカラオケ”などのシーンがありますが、長澤さんが好きなのは?
【長澤】 ライブやフェスは残念ながらあまり行く機会がないですね。昨年、サマーソニックに行ったんですけど、すごく楽しかったです。たくさんカップルがいて、昔は遊園地がいちばんデートっぽい場所だと思ってましたけど、今はフェスに行く方がデートっぽいのかなと思いました。ひとりカラオケは、一回だけあるんですよ。共演していた年下の女の子に「すごくおもしろいからやってみてください」と勧められて行ってみたんですけど、ほとんど歌わずにポテトをずっと食べていました(笑)。でもおもしろい経験ではありましたね。
――カラオケはよく行くんですか?
【長澤】 そうですね。打ち上げで行くことが多いです。古い曲から新しい曲まで、まんべんなく歌いますよ。最近は、あやまんJAPANさんの歌が十八番です(笑)。大勢で行くと、私は盛り上げ役なんですよ。って自分で言うのも変ですけど、盛り上げ役をがんばろうとしているんです、いつも。盛り上げ隊長が目標です(笑)。
――みゆきは幸世を振り回すような女性ですが、共感できるところはありましたか?
【長澤】 監督とお話をする機会があって、そのときに私は「自分に自信がない人間です」と伝えたんですね。それが活かされた決定稿にしてもらえたので、人間味が増したキャラクターになった気がします。最初の台本だと、みゆきはコミュニケーション能力が高くて、奔放で明るくて、男子には憧れられるけど、軽いと思われるところもあって。でも、決定稿では、恋人のダイスケが自分の理想で、彼のマネをすることでなりたい自分を模索しているような子になったかなと思いました。本当は自分に自信がなくて、自分を探しているような段階だから、ダイスケのマネをしていることに対して、ふと虚しくなってしまう瞬間もあって。そこに幸世という男性が現れて、心が揺れるという。演じるうえでは、決定稿になってずいぶん心境が変わりました。だから、似ているというよりは、自分の考えが反映された愛着のあるキャラクターという感じですね。
――お気に入りのシーンは?
【長澤】 自分のシーンで気に入っているところは、幸世とにらめっこするところですかね。本当にやっていて楽しかったんで。自分の出ていないシーンだと、麻生さんの“ゾンビシーン”ですね。幸世にすがりつくところなんですけど、『モテキ』チームのなかでは「ゾンビシーン」と呼ばれていたんです。まともに見ちゃうと、すごくるみ子がかわいそうで、幸世がいやなヤツなんですけど、あまりにも重たすぎて、ストーカーみたいで、気持ち悪くて。それがもうおもしろくておもしろくて。映画であんなに大爆笑したのは久しぶりですね(笑)。
(衣装協力:sakayori/文:岡 大/撮り下ろし写真:原田宗孝)