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【医師に聞く】「春は抜け毛の季節?」AGAが発覚する場合も…治療の“結果”はいつ出る?「初期脱毛」の注意を解説

 季節の変わり目は体調を崩しやすくなる時期。それは“毛”にも言えるようで、SNSには「春になると抜け毛が増えるような気がする」「春は換毛期?」など、髪の悩みを訴えるコメントも多数。本当に、春になると抜け毛が増えるのか? もしも一過性でなくAGAだったら一体どうすれば…。これまで多くのAGA患者の診療を行ってきた『クニックフォア』新橋院(外部サイト)の宋 有奈先生に聞いた。

人間にも動物と同じ“換毛期”が? 春の抜け毛の原因に注意

 「換毛期」という言葉がある。犬や猫などのペットでもお馴染みで、温かくなるとモフモフの冬毛が抜け、そこら中が毛だらけになるのを知る人は多いだろう。これは動物が季節の変化に対応するため、毛量の調節をする防衛本能によるものだ。動物では春や秋などに起こると言われているが、同じ動物である人間も同じなのだろうか。

 「人間も秋には『換毛期』のような、抜け毛が目に見えて感じられる期間があると言われているのですが、春にはあまりないと見られています。それでも『春に抜け毛が増える』と感じる人が多いのは、やはり新生活が始まったことによる環境の変化、冬から春へ移り変わる季節で乾燥が激しい…などの影響なのではないと考えられます」(宋先生/以下同)

 秋の場合は、夏の強い紫外線を浴びたことや暑さのストレスにより、抜け毛の症状が出るとも言われているが、それにもエビデンスがあるわけではないそうだ。

 「ほかにも、季節の変わり目なので、自律神経やホルモンバランスの変化などによる影響も考えられます。ただ、仮に春や秋に抜け毛が増えたといっても、頭皮に関する他の疾患やAGAでない限りは、あくまでも一時的だと思われます」

 本当に「一時的」なのであれば時間が解決してくれるかもしれないが、もし「他の疾患」や「AGA」だったらどうすれば…。ちなみに他の疾患というのは、例えば円形脱毛症。それ以外にも、皮膚にアトピー性皮膚炎のようなかぶれが起こっている場合や、にきびなどが原因で抜け毛が起こることもある。また、ポニーテールなどずっと同じ髪型で髪が引っ張られている場合、牽引性の抜け毛につながることもあるという。

 そして、とくに問題なのがAGAである場合だ。AGAとは男性型脱毛症のことで、思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症のこと。髪の毛の成長期が短くなり、成長しきれずに毛が弱り、寿命が短くなってしまうのだ。

「春の抜け毛」が原因でAGAが発覚、「放っておくとどんどん進行してしまいます」

 先生によると、この春もし抜け毛が気になる場合は、以下のような対処法もあるという。

 「栄養不足だと、毛が生えづらい状況が起こります。特に鉄分やビオチン、亜鉛は大切なのですが、鉄分はほうれん草やレバーなどの食材から、摂取しづらいビオチンや亜鉛はサプリメントで補うこともできます。ほかに、海藻などに含まれるミネラルも摂れるといいと思います。タンパク質は髪の毛を作るのに必要不可欠ですが、脂肪分・カロリーの高い食事は避けた方が良いでしょう」

 ほかにも、自分に合ったシャンプーを使い頭皮に炎症を起こさせない、毛穴の汚れを除去する…など、一般的に言われていることは色々ある。

 「ただ、生活スタイルや食生活での改善で様子を見るより、気になった時には専門医に診てもらう、というのがもっとも効率が良いでしょうね。自分の抜け毛が季節性のものなのか、他の疾患からなのか、それともAGAなのか。まず、その診断を受けるのが良いと思います。AGAである場合は放っておくとどんどん進行してしまいますが、処方薬で予防や改善が期待できます。実際、『春に抜け毛が増えた』と受診する方の中にも、『実は前々から薄毛が気になっていて…』と告白される方もいます。受診がきっかけで、本当はAGAであったと発覚することもあるんです」

結婚式や入学、入社、転職…、すぐに“結果”が出るわけではないAGA治療、始めるべき時期は?

 しかし、AGAの治療をしても、すぐに毛が生えるわけではないので注意が必要だ。


 「大体、変化を実感するまでに4〜5ヵ月かかります。なので、もし『この時期までになんとかしたい』という目標があるのであれば、半年でギリギリ、できれば1年前から治療を始めることをおすすめしています」

 実際、「結婚式までに薄毛をなんとかしたい!」と、クリニックに駆け込む人もいるとのこと。ただ前述のとおり、1週間や2週間で毛の様子が変わるものではないし、治療開始当初には「初期脱毛」が出る場合もある。これはAGA治療薬の服用後、2週間から1ヵ月あたりに起こりやすく、2ヵ月程度で収まることが多いという。初期脱毛は副作用ではなく、薬が力を発揮している証拠。とはいえ、もし初期脱毛期が結婚式に当たってしまったら、目も当てられない。

 「治療も、前もって計画することをおすすめします」と先生。1年前から治療を開始する必要があるのであれば、残念ながらこの春、そして今年1年は我慢の時になるかもしれない。だが、次の春に入学、入社、転職、就職活動、結婚など、転機や新たな出会い、人生のイベントが待っているのなら、今まさに一歩を踏み出す時期なのかも。新環境下で薄毛を気にして、さらにストレスを溜めこんでは髪の毛にいいわけがない。正しい知識を知り、専門家の手にゆだねるのが一番良さそうだ。

(文:衣輪晋一)

■クリニックフォア(男性AGA診療)(外部サイト)
■クリニックフォア新橋院(外部サイト)
宋 有奈(そんゆな)

監修者 宋 有奈(そんゆな)

獨協医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院に勤務し、形成外科・レーザーを中心とした診療を行う。現在はクリニックフォアで皮膚科、形成外科の質の高いプライマリーケアの実践を行っている。

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