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乱立するハウスクリーニング業者どう選ぶ? エアコンや洗濯機の故障につながることも「安すぎるのは危険」
ホントは怖い洗濯機の中、洗濯槽クリーナーでは「汚れがほとんど落ちきれない」
「洗濯機は湿気があることに加え、カビの餌となる汚れをずっと与えている状態なので、実はエアコンよりもカビが生えやすいんです」
ところが、洗濯機もエアコン同様に進化を続けているため、素人では分解できないレベルに。業者でも難しいという。
「実は私たちも、数年前までは分解せずに洗浄だけを行っていました。しかし、研究所で調査をしたところ、分解して洗った洗濯機のカビの落ちを100%としたとき、分解せずに洗浄剤とブラシで落ちたのは50%、洗浄剤のみでは汚れがほとんど落ちきれないという結果に。以来、洗濯機も全商品を買ってきて、技術者が完全分解する方法をアプリで伝授しています」
自分で洗濯槽クリーナーを使って掃除する人も多いだろうが、落ちる汚れは限定的だとすると、やらないよりは当然良いが根本的な解決にはなっていないように思える。とくに人気のドラム式は、乾燥ダクトの中の掃除も重要になるという。
「衣類の糸や綿ボコリなどが溜まり、次第に乾燥時間が長くなる、設定した通りふわっと乾かないという症状が出てきます。これは洗濯物から出る繊維のくずが、乾燥ダクトの中に蓄積されて空気の流れが弱くなるのが原因で、分解しないと取り除くことはできません」
では、どのくらいの頻度でプロのクリーニングを頼んだらいいものか。尾崎氏は「洗濯機もエアコンも、本当は1年に1度がいいのですが、最低でも2年に1度は分解洗浄を行ったほうがいいでしょう」とアドバイスする。
プロにリセットしてもらうことで健康被害も回避、では適正価格は?
「普段の掃除で、自分で落とせる汚れはせいぜい6割か7割程度。残った汚れは蓄積する一方となってしまいます。しかし、1度プロの手でキレイにしてもらい、新品に近い状態にリセットしてもらえば、本体が長持ちすることにつながりますし、何より、健康被害が避けられます」
価格については、「大手はブランド名がある分、高い」「CMを流しているから高い」という声も聞かれる。しかし、価格設定の基準を尾崎氏はこう解説する。
「まず、お客様にご納得いただけるサービスをしっかり提供することを基本に、そのサービスを行う人がきちんと暮らしていけるかどうかで金額を算出しています。ブランドというより、それがビジネスとしての適正価格ですね。もちろん、その分人材育成には力を入れています。チェーン規模が大きければそれだけ技術教育に投資できますので、日本最先端の技術をアプリで知識を共有するだけでなく、1ヵ月間みっちり技術的な研修をし、マナーも含めたサービス面も学びます」
安値の業者が増える中、価格競争に加わるのではなく、価格に見合うサービスを提供するための努力を重ねているということだ。さらに、価格に含まれる価値として挙げられるのが「ハウスクリーニングはオーダーメイドサービスである」こと。
「お客様にわかりやすく、ウエブからもオーダーしやすいよう、価格をパッケージで提示していますが、もともとハウスクリーニングはオーダーメイドサービス。お家にうかがった際にお客様の悩みを聞き、解決するためのご相談に乗るということもしています」
自分が頼みたいのは、プロの知識と技術が必要な場所なのか、家事代行レベルのお掃除なのか。見極めたうえで、賢く利用して、役立てたいものだ。
(文:河上いつ子)
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