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ORICON NEWS
「30坪未満」の家なぜ増えた? マイホーム希望者が「広さ」よりも優先するものとは? 専門家が解説
LDKを充実させ寝室や客室はコンパクト傾向に
背景1)広さよりも性能やデザインを重要視する家庭が増えた
国からZEH住宅(※)への補助金や、長期優良住宅への金利優遇などもあって、より高性能な住宅に目が向けられるようになったと感じます。
また、メンテナンス性の高い仕様や、太陽光パネルと蓄電池など、家を建てると時に設備投資をする人も増えています。これらの設備費のため、坪数を抑えるというご家庭も多くなっているのではないでしょうか。
※ZEH(ゼッチ)住宅…net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語。家庭で使用するエネルギーと太陽光発電などで創るエネルギーの収支をゼロ以下にする家のこと。
背景2)共働きが増えたことにより、家で過ごす時間も短くなった
背景3)4LDKの要望から3LDKの要望へと変わっていったこと
家づくりは坪数にこだわらず、自分の価値観を大切に
実際のところ、28坪と30坪のお家があったとして、その違いはお部屋の広さではなく、廊下の有無や収納の量、バルコニーの有無などで面積が変わることも多いです。
暮らしにはゆとりも大事という意見もありますが、廊下や物を置くスペースにも1坪60万、80万と費用もかかってきます。坪数にこだわらず、限られた資金のなか、いかに快適な空間を作り上げるか。そういった意味でも「間取り」は非常に重要になってきます。
今ではSNSで色々な施工例や実例を見ることができるようになりました。また情報もたくさん飛び交う中、情報を選ぶ目も必要になってきているように感じます。ただSNSで取り上げられているお家は実はほんの一握りの特殊なお家のケースもとても多いのが事実です。
「よそはよそ、うちはうち」という言葉が昔からありますが、まさに今必要な言葉かな、と思います。かけている予算や建築条件も違う中でのお家なので、自分の価値観を大事に、他人が喜ぶのではなく自分が喜べる家づくりを目指して欲しいです。
間取りのセカンドオピニオンや、別の設計士を自分で確保するのも一つの手だと考えています。SNSでも人柄が分かった上で、間取りの依頼もしやすい時代になりました。もう住宅会社と契約したら、あとは任せておけば大丈夫という時代は終わり、これからは自分で自分の家づくりを守らなければいけない時代かもしれません。
【建築士ママ・はなこ】
▼Instagram
@hana_madori_designer
間取りデザイナー&建築士。大手ハウスメーカーに8年間勤務、設計部主任を務めたあと独立。現在はフリーランスで間取りのセカンドオピニオンや土地購入前診断、ハウスメーカーの垣根を超えた住宅相談を行う。
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間取りデザイナー&建築士。大手ハウスメーカーに8年間勤務、設計部主任を務めたあと独立。現在はフリーランスで間取りのセカンドオピニオンや土地購入前診断、ハウスメーカーの垣根を超えた住宅相談を行う。