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“おしり”とともに30年、クレヨンしんちゃん『ケツだけ』企画展に込めた思い

 東京・池袋サンシャインシティ・展示ホールCで『クレヨンしんちゃん』アニメ・映画30周年を記念した体験型企画展『しん劇!ケツだけワンダーランドの大冒険』が開催中。しんちゃんらしいといえば、しんちゃんらしいが、なぜ「ケツだけ」? 同展に関わるスタッフの声を聞いた。
【出席者】
双葉社:鈴木健介さん、石割太郎さん
シンエイ動画:山崎智史さん、西川由香里さん
テレビ朝日:佐野敬信さん
ADK:秋山倫子さん、野崎友里恵さん

「おしり」を出す意味に真剣なのが『クレヨンしんちゃん』

――30周年を締めくりとして、今回のリアルイベントを企画した狙いは?

双葉社:鈴木2016年に25周年記念で初めて『クレヨンしんちゃん展』を全国で開催し、おかげさまで大盛況でした。その成功体験もあって、30周年はさらなるステップアップにつながる展示会をやろうと、計画してきました。原作の30周年は2020年でしたが、翌年のアニメ放送30周年に合わせて2021年に実施できたらと思っていたのですが、コロナウィルスの流行もあり結果的にアニメ・映画も含めた30周年の締めくくりとして、今年このイベントを開催することになりました。

――いろいろ切り口はあったと思いますが、なぜ「ケツだけ」に?

シンエイ:山崎あまり深いことは考えていなかったような…(笑)。

双葉社:鈴木とにかく会場からみんなの笑い声が聞こえてくるといいよね、という思いがあって。それなら「おしり」しかないでしょって(笑)。ただ、おしりを出し過ぎるのはどうなのよ、という議論もあって。そこの塩梅はすごく考えたところではあるんですよね。

シンエイ:西川大人たちが「おしりを出す意味とは?」と、真剣に考えている現場って、なかなかないですよね。

シンエイ:山崎でも結局、出した方がいいでしょうって。この30年、幾多の困難をおしり一つで乗り越えてきたのが『クレヨンしんちゃん』であり、野原しんのすけ。しんちゃんの原点ともいえるおしりの魅力を存分に知ってもらいたい、という思いがありました。

――おしりを出す意味を真剣に考えている。

双葉社:鈴木それはちゃんと考えますね。おしりを出して子どもたちに見せておけば笑ってくれるだろう、そんな考え方では30年は続かなかったと思います。いろいろなメーカーさん、ライセンシーさんからも、「おしり」を出した商品を作りたいという提案をいただくのですが、必ず「これ、おしり出す意味ありますか?」という問いかけをしていますね。そういうことに真剣なのが『クレヨンしんちゃん』なんですよね。

 おかげさまで、今年公開した『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』は興行収入20.4億円と大台を突破し、グッズの売れ行きも好調ですが、ひと昔前は、それこそおしり出して下品だと言われていました。それが、「共感できる」「感動できる」「泣ける」といった評価をいただけるようになって、下品なイメージを上回るようになった結果だと思っているんです。今回の展示会はそういう『クレヨンしんちゃん』が歩んできた「おしり」で笑わせながらも、それだけじゃない魅力を感じていただける内容になっていると思います。

各担当者が企画展の見どころをプレゼン

――具体的には?

ADK:野崎「ケツだけ」じゃない、というところで言うと、「ケッさくシーンの広場」は、おしりに特化せず、30年分の漫画やアニメ、映画の名シーン、しんちゃんならではの“ケッさくシーン”を、イラストや映像とともに振り返ることができるコーナーになっています。第1話を漫画とアニメで比較しながら紹介していたり、映画の貴重な設定資料も展示されていたり。

シンエイ:西川25周年の『クレヨンしんちゃん展』の時も、「セル画とかないですか?」と言われて探したんですが、展示に耐えられる状態の良い物が見つけられず、アニメ関係の資料はほとんど展示されていませんでした。その後、社内でちょっとした引っ越しがあって、なんと今まで出してこなかった資料が見つかったんです。それを今回、展示させてもらっています。それに加えて、歴代のプロデューサーや監督さんに展覧会開催について連絡したところ、「セル画持っているよ」と個人で保管してくださっていたものが出てきて、本当に初出しの、資料やセル画が展示されているので、それは見どころだと思います。

双葉社:石割僕のおすすめは会場内で観ることができる映像全般ですね。しんちゃんのアニメって、昔から本当に自由だったんだなって(笑)。アニメーションを作っている方々が楽しみながら、視聴者を楽しませようとしていたのが伝わってくるし、その熱量を潜在的に感じて「面白い」と思ってきた人たちがたくさんいて、今があるんだな、というのを改めて確認、再発見しました。

シンエイ:山崎展示の「頭」から「おしり」まですべてが見どころですね。この3年間、しゃべっちゃいけない、触れちゃいけない、と言われ続けて、子どもたちもみんなストレスが溜まっていたんじゃないかと思います。コロナはまだ収束していませんが、眺めるだけの展示だけではなく、おしりを動かして、触って、楽しんでもらえるものができたことは本当に良かったと思います。子どもたちに喜んでもらえるといいなと。おしりを使って遊ぶアトラクションがあるんですけど、大人もつい夢中になってしまうので、おしりというか腰を痛めないように注意してください(笑)。

テレ朝:佐野この企画展でしか見られないスペシャルムービーがおすすめです。テレビアニメの主題歌、ケツメイシさんの「スーパースター」(2020年)に乗せて30年分の”ケッさくシーン”を集めた映像ですが、これが本当に素晴らしい映像です。見た人が本当に幸せな気持ちになれる映像なんです。いまはスマホなどでどこでもいろいろな映像を観ることができる時代ですが、会場に来ないと見られないもの、それこそリアルイベントの最大の魅力だと思います。『クレヨンしんちゃん』ファンにはたまらない映像になっていますし、「ケツだけ」じゃないものを持ち帰っていただけると思います。ぜひ、会場に足を運んでいただきたいと思っております。

イベント情報

会場:東京・池袋サンシャインシティ・展示ホールC
入場料(当日券):大人1500円、子ども1000円
チケット(当日券)発売期間: 2023年1月9日 午後6時まで
※土・日・祝日は日にち指定券を発売。
※日時指定券、日にち指定券を「ローチケ」「テレ朝チケット」では前日午後11時59分まで販売。会場窓口では各日の当日券を午後6時まで販売。最大購入可能数は1回につき一人5枚まで
※テレ朝チケットでは、お得な「イベント割(大人1200円、子ども800円)」で購入可能。

●ローチケ:https://l-tike.com/event/mevent/?mid=670635
●テレ朝チケット:https://ticket.tv-asahi.co.jp/ex/project/shinchan_anime30th

■「しん劇!ケツだけワンダーランドの大冒険」公式サイト
https://www.shinchan-app.jp/30th-anniv-anime/wonderland/

(C)臼井儀人/双葉社 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 1993-2022

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