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「外出できなくても、日本の景色を伝えたい」自然の彩りを“切り絵”に込めた作者の思い
見慣れた身近な風景さえも、切り絵と組み合わせたら輝いて見える
Erica「綺麗」「癒やされました」などの声を多く頂きました。なかには「絵も撮る構図も全てが好きだ」と言ってくださる方も。見ていただいた方、全てのコメントがありがたいですし、すごくうれしいです。
――本作は、どんな発想から生まれたのでしょうか?
Erica元々和服が好きでよく描いていました。ただ「着物を着た女性だけでは寂しいな、お花も添えたい」と思い、私の好きな薔薇の花を一緒に描こうと思いました。描くときは、春夏秋冬でテーマを考えながら作っているのですが、それは着物の柄を春夏秋冬で合わせたいと思ったのが、一番のきっかけです。
――新緑の緑が映えて、素敵な着物の柄になっていますね。
Ericaありがとうございます。本当は「いろいろな場所で景色と合わせたい」という思いで作りました。ですが、今は旅行も行けず我慢の日々が続いています…。なので、近くの公園や庭園で合わせようと考えました。見慣れた身近な景色も、切り絵と合わせることでキラキラ輝いて見えたんです。「いつも見ていた景色がこんなに変わるんだ」と感動しました。個人的に、切り絵に写る木漏れ日も好きなので、太陽が木々に当たっている所を探して撮ってます。
――コロナ禍でなかなか思うように外出ができない今、忘れていた日本の美しい風景を改めて感じられます。
Erica日本の景色はほんとにきれいです。私が住んでいる所は自然豊かな場所なので季節折々の花や景色が味わえます。その景色をたくさん伝えたい、切り絵に染まる景色をみんなに届けたい、といつも思って制作、撮影しています。
着物や服の柄だけでなく、瞳の奥にも四季や景色を宿らせるこだわり
Erica小さい頃から絵を描く事が大好きで、私にとってかけがえのないものでした。3年程前に切り絵と景色を合わせている方がいらっしゃって、その方に憧れて始めたのがきっかけです。今までみていた景色の見方が変わりました。
――切り絵はどのように制作されているのでしょうか?
Erica白い画用紙に下描き、本描き、ペン入れをしています。そこから筆描きして、切り抜いてます。以前は髪の毛や洋服の柄に折り紙や和紙や布地を切り抜いて貼っていましたが、最近は万年筆用のインクや、色鉛筆、コピックなどを使用してます。
Erica一番気をつけていることは切り抜きと着色の時です。間違えて他の場所を切らないように慎重に切り抜いてます。着色も一度失敗すると下描きからやり直しになるので、万年筆用インクで色を塗る時は別の画用紙に試し描きしてから塗るようにしてます。色塗りはほぼ一発勝負なので…、気が抜けないです。
――制作する際、一番こだわっているところはどんなところですか?
Erica目の色も変わるように切り抜いてるところです。春夏秋冬、さまざまな景色によって瞳の色も変わったらきれいだろうなと思い、こだわって作っています。
――制作にはどのくらいの時間がかかるのですか?
Ericaキャラクターを考える時間も含め、3日から1週間程です。仕事や育児の合間にしているため1日の制作時間は少なく、日にちもかかります。
Ericaもともと、憧れがきっかけで始めたわけですが、私の作品を見て、他にもたくさんの方が切り絵を始めてくれたらうれしいなと思います。他の切り絵師様とは作り方も違いますが、自分が考えたキャラクターが四季折々で染まっていくのはすごく楽しいですし、私自身もこれからも制作を続けていきたいです。
――切り絵で今後やってみたいこと、今後の目標を教えてください。
Erica切り絵と景色のグッズを作り、いろいろな方に届けたいですね。そしていつか個展を開き、来場された方と一緒に、切り絵と撮るのも私の夢です。