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視聴者・制作者も“ダーク”な魅力を容認 蛭子能収が重宝されるワケ
ベテランながら主演映画でも責任感なし、演技での素人っぽさが武器
「(脚本の)福田さんと言えば、もともと『笑っていいとも!』(フジテレビ系)や『SMAP×SMAP』(同系)など、人気バラエティ番組の放送作家として活躍してきた人。劇団の座長として、構成から演出まで手がけた実績もあります。最近では『33分探偵』(フジテレビ系)や『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)の演出・脚本、映画『HK 変態仮面』などの監督を務めて、コメディタッチの作品では抜群の才能をもった“奇才”とも呼ばれてます。山田孝之さんや柳楽優弥さんといった若手俳優からの信頼も厚いし、“福田組”の常連、ムロツヨシさんや佐藤二朗さんをブレイクさせたのも福田さんですから」(ドラマ制作会社スタッフ)
実は蛭子にしても、1987年の『教師びんびん物語』(フジテレビ系)で俳優デビューした“ベテラン俳優”であり、今まで100本以上のドラマ・映画に出演してきている。特に『おばさんデカ 桜乙女の事件帖』シリーズ(同系)で主演・市原悦子の夫役がハマリ役として有名だ。いかにも“のほほん”としていて、セリフも棒読みなのだが、一周回ってそれが“朴訥としたいい味”とまで言われているのだから、何とも不思議である。
そして今回の『任侠野郎』では、蛭子は高倉健ばりの元ヤクザの若頭役を“大真面目”に演じているのだ。「決して演技がお上手とは言えませんが、俳優・蛭子さんにしか出せない素人っぽい“リアリティ”があるのは間違いないんです。セリフの棒読みや、普通すぎて逆に浮いて目立ってしまう“存在感”、そうしたものをいっそう引き立たせる豪華な共演陣など、蛭子さんの役どころや映画の趣旨を思えば、今回の『任侠野郎』の蛭子さん起用はさすがと言ってもいいですね」(前出のスタッフ)
伝説の名言「二度とギャンブルはしません!賭けてもいい」
「1989年に麻雀賭博で現行犯逮捕された時は、謝罪会見の際“こんなので捕まるのが納得いかない。みんなやってるでしょ!”的なことを初めて見るような憤怒の表情で逆ギレしてました。でも逮捕されて、警察官に“二度とギャンブルはしません。賭けてもいい”と言った直後、もうギャンブルをしている。懲りないと言いますか、ボケもあるし、憎めないのが最大の魅力でしょう」(前出のスタッフ)
言ってみれば、蛭子は芸能界で一番自分に正直に生きている人間なのかもしれない。黒エピソードも含めて、なぜか“蛭子さんだから許される”といった部分があるようだ。むしろ「蛭子さんを許して面白がれる自分って、人間が大きいかも?」といったような、視聴者の優越感をも満たす存在としてあり続ける限り、蛭子能収の“暴走”はまだまだ続いていくのであろう。