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寺島しのぶ、独自の演技感とは「リアルに演じることが私の使命」

男社会で生きてきたからこそ、演技に関しては意外と男目線

――寺島さん自身は以前、「歌舞伎界に生まれてコンプレックスがある」とおっしゃっていましたが、それは今でもありますか?
寺島 ありますよ。でも男社会で生きてきたからこそ、演技に関しては意外と男目線なんですよ。体は女だけど気持ちは男だから、例えば裸になることにもあまりこだわりがないのかもしれないです(笑)。

――それこそ“職人”気質なんでしょうね。
寺島 そうですね。そうならざる得ない環境だったんでしょうね。昔は男社会にいることが嫌だったけど、今は女に生まれてきた以上、そこを使ってやろうじゃないと。そういう部分はあるかもしれない。

――そんな寺島さんが演じるNHKの朝ドラ『あさが来た』の主人公・あさの母親役・梨江は古風な日本女性という役柄ですが、その裏には複雑な感情も持っている。そこはご自身にも通じるものがありますか?
寺島 『あさが来た』は、今よりもっと男性の世界に踏み込んじゃいけないっていう時代ですからね。そのなかで梨江は保守的な女性で、自分のお腹から産まれた子供がどうしてこんな風になっちゃんだろう? って、あさに対して常に葛藤がある。でもだんだんとあさがやることを認めざるを得なくなって、最後には自分は間違っていたかもしれないと思い始めるわけですよ。そこは私も男社会にいながらも「なんで男がそんなに偉いわけ?」っていうところがあったから、わかります。でも逆に女性がこうすると男性はこう反応をするんだってこともわかるので、男性じゃなくてよかったとか、男性を知ることができてよかったなって感じる部分も多い。そういう意味では男性に対しても女性に対しても、けっこう醒めているかもしれないです。

――男女双方の目線で客観的に見られると。それはやはり演技でも役立ちますか?
寺島 立ちますね。我を忘れてばーっといく瞬間が必要なこともあるけど、所詮“芝居”ですからちょっと引いた目がないと自意識過剰になってしまうんですよね。

――では、お芝居でこれだけは譲れないというポリシーみたいなものはありますか?
寺島 「こういう人いるよね」って思ってもらいたいです。私はリアル過ぎるぐらいリアルにやることが自分の使命だと思っています。例えば『裏切りの街』の智子を絶世の美女がやってしまったら、話が違ってくると思うんです。でも私がやれば「この人なら荻窪あたりにいるかもしれない」って思ってもらえる(笑)。そういうところが私に求められていることで、美しくあらねばならないっていうところは別の誰かがやればいいんです。

――しかも、寺島さんは役柄によって見事にオーラを消しますよね(笑)。
寺島 「こういう人、歩いてそうだよね」ってところをリアルに、でもそれを芝居でやることが自分の楽しみなんです(笑)。だから智子も、観ている人が「ハッキリしなよ」とか「なんで何も言わないの?」とか、本当にムカついてくれたら本望。とにかくセリフを自分に落としこんで、どんなことを言われようと常にその人間=役でいられるようにしたい。そして、1つひとつの役ごとに変身していけたらいいなと思います。

(文:若松正子/写真:ウチダアキヤ/スタイリスト:中井綾子/ヘアメイク:EFFECTOR 片桐直樹/衣装:トップス&パンツ[レ・コパン/サン・フレール 03-3265-0251] シューズ[レヴィ ケー ショップ/レヴィ ケー ショップ 南青山 03-3407-0131] ピアス&リング[イー・エム/e.m.表参道店 03-5785-0760])

dTVオリジナルドラマ『裏切りの街』

【ストーリー】
変化のない日常を送る平凡な専業主婦の橋本(寺島しのぶ)は、15歳も離れた年下の菅原(池松壮亮)と出会う。彼には同棲している恋人が、自身には夫がいることをお互い知りながらはっきりとした目的もないままに中央線沿いの狭い街の中で逢瀬を重ね、遂には体をも重ねていく。終わりのない空虚な現実から逃げるようにして、身を寄せ合う2人の逃避行。しかし、ある出来事をきっかけに揺らぎ始める2人に待ち受けていたのは、あまりにも非常な現実だった……。

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