“同族嫌悪”がオタクカルチャーを拡大させる?

 以前は暗いなどネガティブなイメージが強かった「オタク」も、いまや日本を代表する“OTAKUカルチャー”として世界中から引っ張りだことなった。オタク趣味を明かすことに抵抗がなくなり、オタク=カッコいいファッションのような感覚で考える層も現れ始めた一方で、オタクがオタクに対して不快感を示す「同族嫌悪」の風潮も目立つ。しかし、見方を変えるとこの同族嫌悪の側面こそがオタク文化が拡大してきた要因なのではないだろうか?

日本人は元来“オタク気質”を持つ

  • サブカル好きな層を取り込んだこともブレイクの基盤となったももいろクローバーZ (C)ORICON NewS inc.

    サブカル好きな層を取り込んだこともブレイクの基盤となったももいろクローバーZ (C)ORICON NewS inc.

 もともと日本人は物事に対して細部までこだわる人が多く、国民性として“オタク気質”な部分があると言われている。音楽や本、スポーツ…ジャンルに関係なく、一つの分野・事象をとことん突き詰めていく人が多いのだ。そのなかで、特にサブカルチャーを好むマニアを揶揄する言葉として1970年代頃に「オタク」(初期の頃は『おたく』)という言葉が誕生した。ただ、約40年経った今も明確な定義はない。最近ではオタクというと「アニメ」「ボーカロイド」といった二次元のキャラクターコンテンツ、「アイドル」「声優」などのファンをイメージする人が多いようだ。

 そして昔から、“オタクはオタクを嫌う”傾向がある。オタクではなくても、何か好きなものに対して「他の人とはレベルが違う」「私は目のつけどころが違う」と考えたことはないだろうか? とある大所帯のアイドルグループのファンだったとする。みんなは人気No.1のAちゃんが好き。でも私は他の子とは違うから、研究生のBっちが好き…というふうに。特にサブカル好きな人は“他の人が気付いていない面白いものをいち早く見つけ出したい”という思いが強いため、その傾向は強くなるだろう。その連鎖が多くのムーブメントを巻き起こしてきた要因なのだ。

「同族嫌悪」が新しいものを発見させる?

 その最たる例が、女性アイドルグループ・ももいろクローバーZだろう。今でこそ子どもから大人まで男女問わず幅広いファン層を獲得しているが、初期の頃は台頭していく王道のアイドルグループに対するアンチテーゼとして、サブカル好きな層が真っ先に飛びつき、それも基盤となって後の大ブレイクにつながったように思う。また、最近ではBABYMETALも、育成型や集団でのパフォーマンスが主流となり、ある意味、実力主義とは言えない最近のアイドルグループ(もちろん悪いことではないのだが)とは一線を画す存在として、新しいものを求めていた層にもハマった感がある。

 つまり、受け手側にどこか「同族嫌悪」な部分があったからこそ、新しいものが発見され、ファンがお金を落とし、やがて幅広い層へと受け入れられる強力コンテンツとなる基盤ができていった。これは例に挙げたアイドルだけでなく、アニメ、ボーカロイド、スポーツなど、全ての分野の「オタク」に言えること。「同族嫌悪」こそがオタク文化を活性化させ、市場を拡大していったのだ。

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