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永山絢斗『嫌いではないけどきつかったひとりの時間』

自らの演技、そして作品に対して、だれよりもストイックな姿勢で向き合う俳優・永山絢斗。敬愛する豊田利晃監督との二度めの現場となる『クローズEXPLODE』で対峙した、前回とは異なるさまざまな出来事。また自らを大きく成長させたようだ。 『クローズEXPLODE』連載インタビュー、東出昌大に続く第2弾は永山絢斗が登場☆

刺してくる感じが楽しい

──豊田利晃監督との仕事は『I’M FLASH!』に続いて二度め。俳優になるきっかけも豊田監督の『青い春』だと聞いています。今回の『クローズEXPLODE』出演の経緯は?
永山オーディションを受けました。豊田さんの作品に入ることは自分にとって勉強になる時間なので、どうしても参加したくて……。

──そう思わせる豊田監督の魅力って?
永山豊田さんの人柄や豊田作品の芸術美に惹かれているのもあるし、役者をものすごく深いところまで持っていってくれる人だと思います。今回は二度めということもあって、「もう、やることわかっているよな?」という感じでした(笑)。前回もそうでしたけど、豊田さんのそういう刺してくる感じが、楽しいんです。

──愛、ですね。今回演じるのは、鈴蘭の近隣高である黒咲工業高校の藤原。内部抗争で柴田(岩田剛典)に破れて少年院送りになり、出所後は目的のためなら手段を選ばない冷酷さで暴れる役。演じるにあたって、監督からはどんなアドバイスが?
永山「とりあえず、絢斗はみんなとご飯食べに行ったりしないで」と言われました。

──それは、アウトサイダー的な役柄だからですか?
永山だと思います。ひとりで過ごすのは決して嫌いではないんですけど、みんなの楽しそうな姿を見るときつくて……。車で撮影現場を移動するときも、僕にとっては久々にみんなと一緒にいる空間だけど、みんなは昨日の食事の店がどうとか楽しそうに話していて。ひとりでいるようにしているのは敢えて周りに伝えていなかったので、誘われても「俺は大丈夫だから」とかごまかしていました。しかも地方ロケだったので、撮影がない日は近くの公園で台本を読んだりして。でもその時間は、頭のなかで藤原のことをしっかりと考えるための時間だった気がします。

──苦しさあってのあの藤原だったんですね。
永山最初は台本を読んでわからないところがたくさんあったんですけど、現場に入ったら不思議と藤原で居ることができたんです。足りない部分はもちろんあったと思うけれど、余計なことはしたくなかった。というのは、小手先のことをしても豊田さんにはバレるんです。「何やってんだよっ」て(苦笑)。豊田さんって、棋士だったじゃないですか。だから、俺はどのコマかな? とか考えたりもしました(笑)。

──(笑)監督の期待に応えたいというのは、イコールやり甲斐ということでもある?
永山でも、けっこうきつかったです。きつくて、撮影中に豊田さんに話を聞いてほしくて「ちょっと飲みませんか」と言ってみるんですけど、あっさり断られました(笑)。「今日の撮影、まだ終わりませんか?」と連絡しても「また連絡するよ」ってメールが来るだけで、そのあと音沙汰なし。さらにこちらから連絡すると、「いま、何してるんですか?」「ご飯、食べてるよ」「行っていいですか?」「だめ」という具合です(苦笑)。で、メールで「孤独を楽しめ。それが映画だ」と。そういうやりとりもありながら、苦しいのは数ヶ月間だからしっかり役と向き合おうって思ったんです。

「お前だったらどうすんだよ」と聞かれて…

──そこまで役者のために行動してくれる、追い込んでくれるって、愛のある監督ですね。
永山そうですね。前回とはまた違う豊田さんで、興味深かったです。

──そうやって作り上げた藤原というキャラクター。完成した映画を観た感想も聞かせてください。
永山眉毛がない!(笑)。

──そうでした(笑)。あの眉と髭は永山さんのアイデア?
永山準備槁の段階で「藤原の格好をどうしようか?」と自分なりに考えて、最初は髪を伸ばしていたんです。でも、決定稿には“少年院から出てきてちょっとしか経ってない”とあって。「……ってことは、坊主か」と(笑)。他のキャストはきっとすごい格好してくるだろうから、あと(勝負できるの)は眉毛か? という感じでした。

──各々が髪形とか考えてくるんですか?
永山衣裳合わせのときに相談する人もいたかもしれないですけど、そのときは決定槁があがっていなかったので、みんな自分で考えていたと思います。藤原は最終的に、坊主にちょっと髪が伸びた感じの髪形で、眉がなくて、髭を生やしました。現場に入ってから監督に「これ、どうですか?」って聞いたら「いいじゃん!」と言ってもらえて。あと、(柳楽)優弥がそうとう気合いを入れて現場に入っていたので、それもモチベーションになりました。

──いい刺激をもらったわけですね。
永山そうですね。あと、豊田さんから電話がよくかかってくるんです。「さっき、柳楽が手でタバコ握りつぶしたよ、じゃあね」と。そういうふっかけ方をしてきて……ずるいんですよ。それを聞くと「よしっ、俺も!」と思ってしまう。まんまとはめられました(笑)。


──豊田監督は策略家ですね(笑)。なかでも、とくに印象深く記憶に残っているシーンは?
永山柴田との産廃所でのタイマンシーンですね。スタントの人がアクションの型をつけていくんですけど、監督はその型を気に入らない様子で……。「絢斗、お前だったらどうすんだよ、藤原だったらどうすんだよ」って聞いてくるんです。

──よりリアルにするために、わざと気に入らないフリをして本人たちに考えさせたということ?
永山どうなのでしょうか……。で、いろいろ意見を言うんですけど、最終的には本番前に「このシーンは一発勝負だから好きにやっていいぞ」と。そういう振りに応えるのは大変でした。柴田とのタイマンでは(思いつきで)タイヤを投げたりもしたんですけど、そのタイヤがちょうど岩田くんのお腹の辺りに飛んじゃって。「やっべえー、ぶつかる!」と思ったら、岩田くんがシュッて避けた。さすが、三代目J Soul Brothersって(彼の運動神経の良さに)驚きましたね。そのあとの岩田くんからのお返しもすごかったです(笑)。

──そんな裏話を聞くと、もう一度観たくなります。で、監督とはその後、一緒に飲みに行けたんですか?
永山行きました。終わってから一緒に温泉にも! また豊田作品に出たいです。
(文:新谷里映/撮り下ろし写真:逢阪 聡)

クローズEXPLODE

  『クローズZEROII』から1ヶ月後。滝谷源治、芹沢多摩雄らが卒業し、新年度を迎えた鈴蘭高校では、空席になった“頂点”の座を狙って、新3年生たちが次々と名乗りをあげていた。頂点に最も近い男・強羅徹(柳楽優弥)、そのライバルと目される高木哲次(KENZO)、5人衆を束ねる寺島聡司(遠藤雄弥)、お調子者を装うキレ者・小岐須健一(勝地涼)。

 しかし2人の男の登場によって、鈴蘭の勢力図は大きく変わる。「自由気ままに生きたいだけ」と頂点争いに興味を示さない3年の転入生・鏑木旋風雄(東出昌大)と、本能のまま好戦的に暴れる新1年生・加賀美遼平(早乙女太一)。およそ接点が無く対照的な2人が、やがて鈴蘭史上最大の抗争の中心人物になっていく――。

監督:豊田利晃
出演者:東出昌大 早乙女太一 勝地涼 岩田剛典 永山絢斗 
【映画予告編】 【公式サイト】
2014年4月12日(土)全国ロードショー
(C)2014高橋ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会

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『クローズEXPLODE』公式サイト

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