月刊情報誌『日経トレンディ』（日経BP社）は10月31日、毎年恒例の「2013年ヒット商品ベスト30」を発表した。今年のヒット商品1位には「コンビニコーヒー」が選ばれ、2位に「パズル＆ドラゴンズ（パズドラ）」、3位に「アベノミクス消費」が続いた。また、堺雅人主演で最高視聴率42.2％を記録した『半沢直樹』（TBS系ドラマ）が4位、関連楽曲や書籍もヒットし、観光客も増えるきっかけを与えたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』が7位となった。

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　同ランキングは1987年の同誌創刊以来続く人気企画。今年6月には初の試みとして上半期のヒット商品が発表され、1位に「アベノミクス消費」、2位に「パズル＆ドラゴンズ（パズドラ）」、3位に「Nexus 7＆iPad mini」が選出。上半期7位の「コンビニコーヒー」は下半期で大躍進を遂げた。下半期にヒットした『半沢直樹』は、一気に上位に進出、上半期28位だった『あまちゃん』も盛り返した。

　今年は、コンビニのオリジナル商品のヒットが相次ぎ、中でも象徴的存在となった「コンビニコーヒー」が1位に輝いた。先駆けのサークルKサンクスに続き、ローソン、ファミリーマートが追随。最後発のセブン-イレブン・ジャパンは今年1月から「セブンカフェ」として参戦し、9月には約1万5800店全店に導入し、業界の勢力図を塗り替えた。「セブンカフェ」は9月末に累計2億杯を達成。年間販売目標は4億5000万杯を見込むなど「コーヒーはコンビニで買う」文化が浸透した。

　2位は、無料プレーで2000万ダウンロードを達成したスマホゲーム『パズドラ』。3位は“官製好況”で上期に輸入車、高級時計の売れ行きが激増、住宅は株価急落後も続伸し、好況に沸いた「アベノミクス消費」が選ばれた。

　同日に都内で行われた発表会で、渡辺敦美編集長は「高くても安くても、価値があるものに消費者が手を出した。非常に賢い消費者が背景にいるランキング」と総評し、「世界遺産に富士山が登録され、東京五輪決定など、久々に明るいニュースが続いた。社会現象が起きた『半沢直樹』や『あまちゃん』で元気をもらうことができ、消費者に前向きさが出てきたと思う」と今年の時流を説いた。また、来年については「消費税の影響が気になる。節約が続くけど、長いスパンで見た場合、“身の丈バブル”が起こると思う。自分の趣味にお金をかけて、周りのものには堅実に、となる。それに対して、いろんな新しい商品が出ると期待する」と予想した。

　「2013年ヒット商品ベスト30」は、2012年10月から2013年9月の間に発売された製品やサービスを対象に、売れ行きや新規性、影響力などのヒットの度合いを評価し、総合判定を行っている。同企画が掲載されている『日経トレンディ』12月号は11月2日発売。

■2013年ヒット商品ベスト30
1位…コンビニコーヒー／2位…パズル＆ドラゴンズ（パズドラ）／3位…アベノミクス消費／4位…半沢直樹／5位…伊勢・出雲／6位…Nexus7＆iPad mini／7位…あまちゃん／8位…レイコップ／9位…ノンフライヤー／10位…グランフロント大阪

11位…セブンゴールド　金の食パン／12位…ルック　おふろの防カビくん煙剤／13位…アイカツ！／14位…ヨナナスメーカー／15位…鍋キューブ／16位…ベジップス／17位…アレグラFX／18位…くつろぎ時間のSLIMWALK 足指セラピー／19位…ブルートゥーススピーカー／20位…ヘルシアコーヒー

21位…風立ちぬ／22位…フルメークウォッシャブルベース／23位…目もとエステ／24位…グルメポップコーン／25位…ネイルシール／26位…アンチスタックス／27位…「ブレンディ」スティック　ティーハート／28位…ASOKO＆フライング　タイガー　コペンハーゲン／29位…林修／30位…富士山