ライヴ・エンターテインメント市場調査を行うぴあ総合研究所は9月5日、04年の音楽コンサートや映画興行などのマーケット規模調査結果を発表した。 それによると、音楽コンサートの動員数は2330万人(対前年比1.2%増)、市場規模は1360億円(同2.6%増)と、いずれも前年を上回り、00年以降の増加基調を維持する結果となった。音楽パッケージ市場が98年以降マイナス成長を続けるなかでの対照的な伸びには、野外ロック・フェスティバルがこの6〜7年間に飛躍的に拡大し、今や音楽コンサート市場全体の1割弱を占めるまでに成長してきたことが要因に挙げられている。 ロック・フェスについては、イベント自体のイメージを訴求した販促活動やお祭り的な演出、様々なアーティストによる多くのファンへのアピール、会場の収容人数の限界というボトルネックの解消といったイベントの仕組み自体の開発によって成功を収めたとする。 映画興行は、04年の動員数が1億7009万人(同4.8%増)、市場規模が2109億円(同3.8%増)。動員数では21年ぶりの1億7000万人台を記録し、市場規模は過去最高となった。 この要因には、興行収入100億円を超える大ヒット作品が5作品(『ハウルの動く城』『ラストサムライ』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ファインディング・ニモ』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』)あったことが挙げられているが、今や全スクリーン数の6割を占めるまでになったシネマコンプレックスというインフラの拡大と、それによる動員状況に応じた柔軟な上映スクリーン設定等の相乗効果によって、ヒット作品の生まれ方が変わってきているとする。
動員数(百万人) | 00年 | 01年 | 02年 | 03年 | 04年 | 音楽コンサート | 23 | 22 | 23 | 23 | 23 | 映画興行 | 135 | 163 | 161 | 162 | 170 |
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市場規模(億円) | 00年 | 01年 | 02年 | 03年 | 04年 | 音楽コンサート | 1243 | 1252 | 1284 | 1329 | 1364 | 映画興行 | 1709 | 2002 | 1968 | 2033 | 2109 |
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