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宮本輝『草原の椅子』、佐藤浩市主演で実写化 パキスタン・フンザで世界初の映画ロケ

 直木賞作家・宮本輝原作の小説『草原の椅子』が俳優・佐藤浩市(51)主演で実写化されることが8日、わかった。バツイチで二十歳の娘と二人暮らしの会社員役に佐藤、仕事という枠を越え、大人の友情を育む取引会社の社長役を西村雅彦(51)が務め、ヒロインには吉瀬美智子(37)が決定している。公開は2013年、春を予定。

宮本輝原作の映画『草原の椅子』に出演する(左から)西村雅彦、佐藤浩市、吉瀬美智子

宮本輝原作の映画『草原の椅子』に出演する(左から)西村雅彦、佐藤浩市、吉瀬美智子

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 1997年12月3日から1998年12月31日まで毎日新聞で連載されていた、“大人力のある”物語。カメラメーカーの営業局次長として働く主人公・遠間憲太郎(佐藤)と、取引先会社「カメラのトガシ」社長・富樫重蔵(西村)と友情を軸に、50歳を越え人生を折り返した2人がこれからをどう生きるかを見つめ直していく。

 この二人を強く結びつけていくのは、母親に虐待されて育った為に心に傷を負った4歳の幼い少年・圭輔と、遠間が密かに想いを寄せる器屋のオーナーの篠原貴志子(吉瀬)。偶然見つけた草原に椅子がポツンと置いてある写真に惹かれた二人は、圭輔と貴志子を連れ、4人で写真の撮影場であるパキスタン・フンザへと旅立つ。

 原作では1995年の阪神・淡路大震災が登場するが、劇場版では昨年の3.11東日本大震災以後の東京へと設定を変更。6月30日からすでにクランクインし、8月からはパキスタン・イスラム共和国に入国。フンザ、カリマバード、スカルドゥ(北部地区)他での2ヶ月間に亘る長期撮影に臨む。

 “花の桃源郷”とも呼ばれる美しい景観が広がるフンザだが、映画のロケが行われるのは、世界映画史上今回が初。過酷な撮影が予想されるが、宮本氏は「映画ではフンザでの撮影が不可欠」と断言し、「あのフンザの素晴らしさを日本の人々に、動く映像としてみせてあげたい」と、期待を込める。

 エグゼクティブ・プロデューサーには『戦場のメリークリスマス』(1983)をはじめ、『失楽園』(1997)、『武士の家計簿』(2010)など、数々の人間ドラマをヒットへと導いてきた原正人氏、監督には『八日目の蝉』(2011)で『第35回日本アカデミー賞』において作品賞と監督賞など最多10部門で最優秀賞を受賞し、映画賞を総なめにした成島出が決定している。

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