すい臓がんのため23日に亡くなった大手芸能事務所サンミュージックプロダクションの創業者で代表取締役会長の相澤秀禎さん（享年83）の告別式が29日、東京・青山葬儀所にてしめやかに営まれた。当日は多数の所属タレントをはじめ、古くから交友のあった北島三郎ら約700人が弔問に訪れ、最期の別れを告げた。

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　弔辞は、ホリプロ創業者で現ホリプロファウンダー最高顧問の堀威夫氏、1968年に設立された同社の第1号タレントとして活躍した千葉県知事の森田健作、1962年に設立した「竜美プロ」で相澤さんにスカウトされ、デビューした西郷輝彦の3人が務めた。

　相澤会長の長男として葬儀を取り仕切った同社の相澤正久代表取締役社長は、「『タレントと社員は大切な家族』という親父の理念をこれからも継承し、常日頃、親父が言っていました『本当の強さとは優しさだ』という精神を体に刻み込み、弊社タレントと社員みんなで、本日お集まりのみなさまに一層信頼されるサンミュージックグループに邁進していく所存です」と父の遺影を前に力強く誓った。

　告別式のBGMは、相澤会長の作ったウエスタンバンド“ウエスタンキャラバン”のテーマソング「Steelguiter Rag」などのカントリーミュージックを使用。出棺時には、特に大好きだという「You all come」が流された。同日は雨も心配されたが、社名同様に“太陽”が差しこみ、親族と西郷、森田のほか、所属タレントの小島よしお、カンニング竹山、野村将希らによって棺が霊柩車に運び込まれた。

　棺には、家族や兄弟と撮影した幼少期の写真、ペットの愛猫3匹の写真、所属タレント全員のプロフィールが掲載されたタレント名鑑、創立30周年時にリリースされたCDアルバム「サウンドオブサンミュージック」のジャケット写真などが納棺された。

　当日は、北島三郎、野村将希、さんみゅ〜、鳥居みゆき、髭男爵、榊原郁恵、城咲仁、IZAM、小野真弓、牧村三枝子、ヒロシ、鏡リュウジ、ダイアモンド☆ユカイ、植松晃士らが参列した。

以下参列者の主なコメント

◆北島三郎
「3月に会ったときは、元気そうでいい顔をしていて、病気のことは知らなかったから、俺たちは残された人生を生きましょうなんて言っていた。半世紀くらいの付き合いで、お互いに厳しい道を歩いてきた良き友。芸能界で出会った仲間たちに活躍して欲しいという同じ思いで生きてきたので、亡くなって寂しい」

◆西郷輝彦
「芸能界のいろんなことを2人で経験してきて、当時生意気だった僕のことをマネージャーとして体を張って守ってくれた。事務所を辞めるときは嫌な別れ方をしたけれど、会長から『仲直りしようよ』と言ってくれて。亡くなる前にもうダメかもしれないって電話があったときは、僕は舞台をやっていて、すぐ会いに行けなかった。26日にそっち帰るから待っててって言ったら『わかった、頑張る』って言ってくれて、本当に頑張ってくれて。楽しい思い出いっぱいで幸せだったよ」

◆榊原郁恵
「相澤さんとはご近所に住んでいました。事務所は違ったけれど、デビュー当時から、私ホリプロじゃなくてサンミュージック所属なんだっけ？　って思うくらい良くしてくれました。近くに住んでからも、主人（渡辺徹）の体調を気にかけてくれたり、家族のようにいつも笑顔で接してくれて、太陽みたいな方でした」

◆野村将希
「会長は親代わりでした。デビューした頃、俺も森田（健作）先輩みたいなスターになりたいって、会長たちと必死に頑張ってたのを思い出します。亡くなる数日前に、会長は『俺はもうダメなんだよ』って言っていた。でも、娘が冗談を言ったら笑ってくれて、こういう状況でも気持ちに余裕がある会長は、改めてすごいと思った」