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松本人志が語る『すべらない話』誕生秘話

 2004年にスタートし多数の芸人をブレイクさせ、現在のバラエティ番組を代表する存在となった『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)。司会を務めるダウンタウン松本人志にとっても、もはや“ライフワーク”といっても過言ではない同番組について、松本本人がその舞台裏、誕生秘話、さらに共に番組を創ってきた後輩芸人たちへの想いを明かしてくれた。

番組スタート当初は、自身にとっても少なからず不安があったと明かした松本人志

番組スタート当初は、自身にとっても少なからず不安があったと明かした松本人志

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 04年に深夜の単発番組としてスタートした『人志松本のすべらない話』。芸人たちの“絶対にすべらない”鉄板ネタを芸人のみの空間で披露し合うという、当時としては実験的要素の強い番組だった。そもそもの番組誕生のきっかけは、行きつけの飲み屋での芸人同士による雑談からだった。「当時、割と行きつけにしてた店があって。今はもうないんやけど、中目黒の高架下の、きったないゴキブリだらけの店で(笑)。その頃なぜか、そこにみんなでよく飲みに行ってたのよ。後輩の芸人とか、清水(宏泰/番組の初代プロデューサー)とかと一緒に」と当時を振り返る松本。「そのときに確か、そんな話をしたような記憶がある。本当に面白い話だけをするシンプルな番組ができへんかな、みたいなね。でも、清水は『いや松本さん、それは無理ですね』とか言うてたような気がするわ。『それじゃ、ちょっと番組にはならないんじゃないですか』って(笑)」。

 当時、まだまだテレビ露出が少なかった千原ジュニア宮川大輔らと夜な夜なその店に通い、皆で“すべらない話”を披露し合った。「本当にあいつらの話は面白くて、みんなで腹抱えて笑ってたんやけど。でも当時は、たぶん世間的には、大輔のことなんか誰も知らんわけ。ジュニアですら、そんなに有名じゃなかった頃やからね。だから、こんな面白い奴らをなんとか花開かせることはできないかな、みたいな、そういう意識はもちろんあったよね」。

 番組のスタートは、深夜帯の単発番組からという今では考えられない扱いだった。これまでに前例の無い番組形態だっただけに、松本自身にとっても当初は少なからず不安があったという。「フレッシュな人たちと同じ土俵でやるってことで、俺だけ浮いてまうんじゃないかっていう恐怖心のほうが強かったかもしれへん。タイトルは、えらい悩んだ記憶があるねぇ。“すべらない話”っていう言葉に行き着くまでに、候補が何個かあって。“鉄板”とかいうタイトル案も挙がってた気がするなぁ。でも今思うと、“すべらない”って言い方は、俺たちは普通に使ってたけど、その頃、世間一般ではそんなに認知されてなかったかもしれへんね」。因みに“人志松本の”という部分については、「あ、それは、ふざけて言うてただけ(笑)。ちょいちょいあんねん、俺がふざけて言うたことが、そのまま採用されるってパターンが」。

 初回放送には、松本を筆頭に千原ジュニア、宮川大輔、ほっしゃん。、河本準一らが出演。各芸人たちによる、絶対にすべらない鉄板ネタが披露され、深夜帯ながら大反響を呼んだ。今回、改めて初期の作品群を鑑賞した松本は「意外と最初の頃は、ぬるい話をしてたんやなぁって。もちろん自分も含めてね。そう考えると、みんな間違いなく、どんどんクオリティが上がってきてるよね。テクニックもついてきてるし、それぞれ自分流のやり方みたいなもんも生まれてきてるし」。確かに放送を重ねるごとに、オチまでの流れや、擬音、ネタの傾向など、出演者の個性がより明確化され、この番組を機に出演芸人たちも次々とブレイクしていった。「格闘技で言う“寝技”とか“立ち技”とか、いろんなスタイルがあって面白いなぁと。そんなふうに、みんな切磋琢磨しながら進化してきてるんやなって感じはするね」。

 『すべらない話』の本番前といえば、嗚咽をする芸人やタバコに火が付かないくらい手が震えている芸人など、張りつめた緊張感がスタジオ内に充満していることで知られている。それは若手に限ったことではなく、これまで数々の修羅場をくぐってきた松本も同様だという。「一年を通じて『この仕事、イヤやな』と思う2大イベントのうちのひとつやから。もう1個は『笑ってはいけない』(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の年越し特番シリーズ)なんやけどね。この『すべらない話』という番組においては、俺も、いち芸人でしかないからね。周りが、いち芸人としか見てくれないから。今まで積み上げてきたものとか、そんなん関係あらへん」。

 放送すれば毎回高視聴率を獲得し、DVDもこれまでに22作品が発売され約350万本という大ヒットを記録するなど、フジテレビを代表するキラーコンテンツとして成長した『すべらない話』。今後の展開について松本は「全国ツアーとかね。深夜の頃みたいに5、6人ぐらいに人数を絞って、地方を回ったりしても楽しいんちゃうかな」と展望を語る。常にライブ感を大事にし、張りつめた緊張感のなかで繰り広げられる、芸人としての“存在意義”をかけた戦い。流行に左右されない本当に面白い話だけをするシンプルな番組だからこそ色あせないし、日々新たな“すべらない話”が誕生していくのだ。

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