デビュー後すぐに「ズクダンズンブングンゲーム」で若者の人気を集め、2009年の『爆笑レッドシアター』で一気にブレイクを果たしたお笑いコンビ「はんにゃ」。東京NSC（吉本芸能総合学院）10期生で、同期には“ライバル”でもあるオリエンタルラジオがいる。一時のブームは落ち着きを見せ、新たな“天下取り”に向けて突き進む2人が、芸人の思いを代弁し、体を張った仕事が激減する現状に悲鳴をあげた。

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――「はんにゃ」さんと言えば、デビュー後すぐにブレイクしたイメージがありますが、ご自身たちはどう感じていましたか。

金田哲　あの時は異常すぎましたね。出てきただけで盛り上がって、ネタをまともに見てもらえなかった。「とりあえずズクダンズンブングンゲームやってよ」みたいな感じで。ちょっと違うなってイメージはありました。去年ぐらいから、ようやくライブとかでもちゃんとネタを観てもらえる人が集まるようになって、やりやすいです。

――当時は『レッドシアター』をはじめ、毎日のようにテレビで新ネタを披露していましたが、つらくなかったですか。

金田　あの頃は、毎週のようにネタを書いてて、正直めっちゃしんどかった。なので、終わった当初は楽だなって。でも、ネタ番組が一気に減ってきて、しばらく経つと披露するところがなくなってしまった。そうなると逆にネタを作りたくなって、単独ライブに力を入れたいと思うようになりましたね。

――デビューから毎年単独ライブをやっていて、年に2回やるときもありますが、いつも新ネタを用意するんですか？

金田　だいたいそうしてますね。11月3日から始まる単独ライブ『ちょいのめり』でも継続キャラはありますが、ネタは新ネタを考えています。なかにはテレビだと規制がかかるようなネタもありますね。リアルな反応を楽しむために、いろいろ工夫を凝らしてます。

――「規制がかかる」と言えば、スギちゃんの件もあって昨今は体を張った仕事がしにくい状況だと思いますが、芸人としては活躍の場が減りますよね。

金田　実際にそういった仕事が減ってる傾向にあると思いますし、それ以上にけがっていうのに敏感だなっていうのをすごく感じます。率直に言うと、全然関係なく僕らに危険な番組をやらしてほしい。お笑い仲間ともこの話をよくするんで、これは多くの芸人の総意と言っていいと思います。ある意味、けがするような仕事をやるからこそ、僕らは芸人なんで。この仕事してたらけがぐらい多少するでしょって話ですよ。それを抑えられたらつらい。

川島章良　あと、けがを強調して取り上げて欲しくはないですね。すぐいろんなところに載るのも怖い。“事故やけがが多い”って形を作るために、細かく拾われるので、ますますやりづらい風潮になりますよね。

金田　ホントに芸人側は大丈夫っすよ。けがしたからって、こっちは何の問題もないですから。むしろ、芸人やってて、笑いにつなげられないってことがどんなに悲しいことか。

――スギちゃんつながりでいくと、バイきんぐやHi-Hiなど、長い下積みを経て花開いた芸人も増えてますよね。すぐにブレイクしたお二人にはどう見えますか？

金田　みんな面白いので危機感ありますよ。ネタを見てもクオリティ高いし、お笑いの層が厚い。でも、早く出るなり遅く出るなり、ずっと出続ける持久力が重要かなって。体力勝負なところもありますし、それが一番難しいところだと思いますね。走り続けるためにはスキルもそうだし、人柄だったり、笑いを継続して生み出していくことが求められますよね。

――はんにゃとしての「持久力」はどうですか？

金田　自分たちのことはあんまりわかんないですね。ただ、僕らしかできないことをやって、番組に呼ばれるような特色を出していきたいのはあります。僕だと『ピラメキーノ』のような子供と一緒にやる仕事とか、剣道とかダンスの特技をもっと活かしたいなと。あと、もっとライブなどを通じて新しい特色も出していきたい。

川島　コンビとしては学生ノリを続けていきたい。個人では馬鹿キャラとか、料理とか、あとは人柄ですかね。僕は理解されるのに時間がかかるので、周りが知ってもらうのを待ちます。大器晩成型なんで焦らずにね（笑）。

金田　（苦笑）まあ、川島への期待は“ちょいのめり”ぐらいですね……。

　彼らの新たな特色が見られる単独ライブ『ちょいのめり』は、11月3日の岩手・プラザおでってをはじめ、同10日に東京・ルミネtheよしもと、同24日に福岡・スカラエスパシオ、12月28日に名古屋・今池ガスホールで公演。チケットは発売中。