毎年恒例の単独ライブが11月26日に迫った女芸人の友近（38）。毎回ライブのタイトルには意味をもたせ、昨年はテレビで自身が「濡れやすい」と発言したことから「濡れる街角」、一昨年は映画『吉原炎上』が大好きで、所属事務所に言いたいことがあったことから「吉本炎上」とつけた。そして今年のタイトルは「せっかくやから」。一体何が“せっかく”なのか、ORICON STYLEでは友近本人に直接話を聞いてみた。

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■「お客さんが笑わなくても気にならないって感覚」

――「せっかくやから」。どんな意味があるのでしょうか。

　「それは私の口癖なんです。普段から頻繁に言っているので、思い切ってタイトルにしました。今年は舞台『アニー』もやっているし、毎日のようにマネージャーに説教しているので、“せっかくやから”ミュージカルやマネージャー育成講座みたいなネタをやろうという思いを込めています」

――ライブでは、独特なネタが多く、テレビとは異なるシュールなものもありますよね。

　「ネタの多くは、実は気になっているけどなかなか言えないデリケートなものや、捉え方によってマイナスに映ることを柔らかく表現して、共感できる形にしているつもりです。なので、それが独特なものになることはあると思いますし、伝わらないこともあるかもしれません（笑）。例えば、映画の舞台あいさつに出てくる映画監督で、たまにキャラが濃い人いますよね。ライブでは、そういったネタを多くやっていて、あくまで“私はこういうのを面白いと思ってるんですよ”っていうのを発表したいだけなんです（笑）」

――それだと、観客に“笑って欲しい”というよりも“わかって欲しい”に近いですよね。発表することがメインで、最悪ウケなくてもいいぐらいのニュアンスに聞こえますが。

　「それはあります。極端なことを言うと、お客さんが笑わなくても気にならないって感覚です。人によって笑いのツボや価値観が違いますからね。あくまで、最終的に面白いと思ってくれる人が集まってくれればいいんです。初期の頃は、テレビでやっていたモノマネのイメージが強かったせいか、若いお客さんが多かった。それでイメージと異なるネタをやると、みんな不思議な顔して全然ウケない。それでも毎年繰り返すことで、来てくれる年代が段々変わってきて、理解を得られるようになってきました。今では30〜40代がほとんどで、20代の子なんてほとんどいませんよ」

――客層がガラっと変わるのは、本人から見て嬉しい変化なのでしょうか。

　「すごく嬉しいし、やりやすくなりましたね。結果的に笑いも増えましたし。微妙なものの価値観が同じ人が多くなったと感じます。すごく楽しいです」

――では、最近は悩みとかあまりないんですか？

　「それがあるんですよ。毎日マネージャーにイライラしてます（笑）。それが原因で、家の観葉植物が枯れるぐらいです。テレビでもよく言ってるんですが、仕事する前にマネージャーにエネルギーを奪われている状態で、スケジュール管理も私自身がしてるんです（笑）　それがなくなれば、もっと笑顔で仕事できるのに」

――マネージャーのマネージャーをしている状態？

　「そうです、そうです。なので、吉本からはマネージャー教育費の別途料金を頂こうと思ってます（笑）　マネージャーはきっと文句言われていると思うかもしれへんけど、私としては世直しなんですよ。まあ、複数の芸人さんを抱えているので、仕方ないとは感じているんですけどね」

■「結婚に落ち着いていられない」

――最近、芸能界は結婚ラッシュですが、私生活ではピンではなく早くコンビになりたいんじゃないですか。

　「結婚は本当にしたいと思ってます。来年か再来年には。この人と結婚したいと思う人もいます。いま38歳なので、40歳までには子どもも産みたい。ただ、最近ようやく私の仕事を理解してくださるスタッフさんに巡り会えて、今が一番のチャンスだって気持ちが強いんです。この世界に入って11年目でようやくスタートラインに立てた感じなので、結婚に落ち着いていられない。そういう意味でも、この単独ライブにかける想いは強いですね」

　レギュラー番組6本（10月現在）を抱える今でも「休みが欲しいと思っても、いざ休むと不安になる」という友近。「いつかライブのネタを自分の冠番組でやりたい」と語り、インタビューの最後には「これからの3〜4年が勝負！」と気を引き締めていた。

　友近の単独ライブ『せっかくやから』は、11月26日（土）に東京・ルミネtheよしもとで、12月9日（金）に大阪・なんばグランド花月で行われる。チケットはきょう22日から発売。