『ワッツ・アップ?』のブランド構築力

HIP-HOP/R&Bコンピレーション人気の火付け役
『ワッツ・アップ?』シリーズ通算100万枚達成のブランド構築力


 03年6月、ユニバーサルミュージック(以下UMK社)がリリースした業界初の2枚組HIP-HOPコンピレーション『ワッツ・アップ?−ヒップホップ・グレイテスト・ヒッツ−』が約15万枚の大ヒットを記録。それまで日本ではアンダーグラウンドだったHIP-HOPを人気ジャンルの一つにしたばかりでなく、 密なマーケティングでブランド構築し、シリーズ7作品をコンスタントに10万枚以上セールスしてきた。そしてこの年末には通算100万枚達成を記念して、シリーズ初のCDとDVDの2枚組パッケージをリリースする。一過性のブームに終わらせることなく、さらにブランド価値を上げ続けている『ワッツ・アップ?』シリーズ人気の秘訣に迫った。

 
『ワッツ・アップ?HIPHOP/R&Bアニバーサリー』12月26日発売
3500円(税込)



CDとDVDをセット展開し強力なブランド力を発揮

   HOP-HOPコンピレーションの草分け的存在にして、今もトップランナーの『ワッツ・アップ?』シリーズ。03年の“エミネム旋風”の好機をとらえた業界初の2枚組HIP-HOPコンピレーション『ワッツ・アップ?−ヒップホップ・グレイテスト・ヒッツ−』(最高位11位・累積売上14.4万枚)は、日本ではまだアンダーグラウンドだったHOP-HOPシーンに風穴を開け、洋楽の人気ジャンルの一つに押し上げる大ヒットとなった。



 その成功から4年、今年9月までに2枚組CD7作品をリリースした同シリーズは、コンピレーションでは大ヒットと言われる10万枚をコンスタントにクリアする高水準のセールスを記録し、シリーズ通算100万枚を達成した(UMK社発表)。

 同シリーズを第1弾から手がけてきたUMK社の吉岡仁氏(USMジャパン TV‐M・カタログ本部 洋楽編成部 チーフ・プロデューサー)はその成功の要因を「CDとDVDのブランドとビジュアルを一緒にしたブランディング力」と分析する。車の利用率が高い郊外での購買率が高いコンピレーションは、CDのみならずカーナビで再生できるDVDも男性ユーザーの間で人気が高い。HIP-HOP/R&&Bの人気アーティストを数多く擁するUMK社にとっては得意なジャンルとあり、ミュージック・ビデオを収録したDVDをCDの数ヶ月後に発売、あるいはCDと同発し、セットで店頭展開して強力なブランド力を発揮してきた。

 当初は男性ユーザーに支持されたHIP-HOPシリーズだったが、Ne-Yoの台頭によるシーンの流れを読み、06年9月にはR&Bをタイトルに据えた『ワッツ・アップ? R&Bグレイテスト・ヒッツ』(最高位10位・累積売上12.5万枚)をリリース。トレードマークの王冠はそのままに、ブリンブリンなジャケットで女性ユーザーの心をつかみ、ファンベースをさらに拡大した。

「ビジュアルを一目見て、ワッツ・アップの新シリーズが出たんだなと認識されるようTVスポットで刷り込みをしたうえで、目を引く色にしてみたり、ジャケットに流行りのブリンをあしらったり、いち早くラインストーンを取り入れて埋め込んでみたりと、店頭でのインパクトをかなり意識した作りになっています」(UMK社 USMジャパン TV‐M・カタログ本部 宣伝部 松岡祐子氏)

 こうした緻密なマーケティングとブランドの構築によってシリーズ100万枚を達成した同シリーズは、CDとDVDの2枚組パッケージ『ワッツ・アップ?HIPHOP/R&Bアニバーサリー』を12月26日にリリースする。CDには07年後半のヒット曲19曲が、DVDには06年末〜07年を代表するクリップ19曲が収録されている。年末商戦最後の目玉商品は5万枚限定発売。「このジャンルは特にDVD人気が高まってきているので、ショートタイムで売り切って飢餓感をあおり、次作へつなげたい」(松岡氏)という言葉どおり、恐らくあっという間に売り切って、さらにブランド価値を高めることになりそうだ。


 

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