23日放送の読売テレビ・日本テレビ系バラエティー『秘密のケンミンSHOW極』スペシャル(後9:00)では、「秋のディスカバ収穫祭2時間SP」と題して、さまざまな企画を届けていく。みのもんたから引き継ぐ形で、2020年4月から番組MCを担当している爆笑問題・田中裕二(58)。MCに就任し気づけば3年半の月日が経過した。コロナ禍に入ったタイミングでのバトンタッチから今にいたるまで、MCを“極めてきた”田中に『ケンミンSHOW極』について迫った。 「いやMCなんて全く極めていません。僕が『ケンミンSHOW極』の司会をするようになって、間もなくコロナ禍に入り、出演者の間隔を空けたり、アクリル板を置いたりっていうのがずっと続いていて、たまにVTRで過去の映像が流れると、信じられないくらい密集してやっていて。そこまでは戻ってはないんですけど、アクリルが取れてパネラーの人たちの間隔もちょっとずつ狭まってきているし、とてもやりやすくなっています」 番組では、それぞれの都道府県を背負って個性豊かな出演者がそろっている。進行上、心がけていることはあるのだろうか。「たとえば、『このおいしいもの食べました』っていう時の感想を全員に振るんです。だから、僕の方でこの人に当てようと決めることはなくて、ローラー作戦です(笑)。最後の方の人は言うことがなくなってきますけど、それぞれ個性的な感想が出てきます」 VTRの内容はもちろん、VTR中に流れるBGMも凝っている。「(制作会社の)ハウフルスが昔からそういうBGMで遊ぶということが多いので、僕もいつもVTRを見ながら、これだからこの曲がかかっているのかなと考えます。ちなみにきょうの収録では、西城秀樹さんの『君が望むなら〜』という歌いはじめの『情熱の嵐』という曲が流れていて、なんでこの曲なんだろうっていうのを考えたわけです。何のダジャレもないなと思ってたんですけど、よく見たらそのVTRで紹介したのは『梅の実ひじき』という福岡の人気のモノで、そこでハッとしました。西城秀樹さんが『君が望むなら』と歌ったあとに、ファンの方が『ヒデキ!』とのかけ声をするのが定番の曲なんです。だから『ヒデキ』→『ひじき』という変換で、かなりレベルの高いものでした(笑)」。 爆笑問題としての活動に目を向けてみると、今年はデビュー35年という節目にあたる。今なお2ヶ月に1度行われる『タイタンライブ』では新ネタを披露している。“漫才を極めた”と言っても過言ではないが「漫才もまったく極めてないです」ときっぱり。そこから、自身の偽らざる思いを語っていった。「僕らのラジオお聞きだったらわかると思うんですけど、進歩が見られないどころか、後退すらしてるんじゃないかというくらいです。せリフ忘れるし、ツッコミ間違えるし。だからもう60歳も近くなってきて、ここから良くなることはなかなかないと思うから、ダメだっていうことを受け入れちゃった方が楽しくできるのかなっていうのもあったり。まあでも、それは逃げのような気もするし…。それが正しいとは思ってはないんですけど。だから、プロ野球のピッチャーで言うならば、直球で勝負していたところを、コーナーと緩急を使い分けるっていう。キレイな言い方にするならそういった漫才ができればいいんですけど、今のところフォアボール・押し出しです(笑)。」 時事ネタを扱った漫才であるゆえ、毎回ネタを覚える必要もある。「ひとつの鉄板ネタを持っていて、それを何度もこなしていって、だんだんプラッシュアップして面白くなっていって、ネタ番組とかライブで『バーン』って披露して、ウケる…というスタイルの人たちが多いと思うんですけど。それはすごくうらやましくもあります。だから、我々はちょっとそういうスタイルじゃない方を選んだので。それはそれで、ネタが作りやすいとかメリットもあるんですよ。ネタの覚え方は、とにかく反復しかないですね。これからの季節が一番大変なんですよ(笑)。年明け、1月3日のNHK『新春生放送!東西笑いの殿堂』が終わるまでは、ずっと緊張感がある中で漫才を作り、練習し、外したりウケたりしながら、でも次やってっていうそういう日々です」。