新作歌舞伎『プペル〜天明の護美人間』が3日、東京・新橋演舞場で初日公演が行われた。 市川海老蔵、市川ぼたん、堀越勸玄の親子3人が共演。原作は、キングコング・西野亮廣による絵本『えんとつ町のプペル』。ゴミ人間プペルと、父が遺した言葉を信じる少年ルビッチが、お互いの友情を信じ、新たな世界に飛び出してゆく奇跡のファンタジー物語。歌舞伎として舞台化するにあたっては、原作の西野自らが脚本を担当している。主人公のプペル役ほか4役を海老蔵が、市川ぼたんと堀越勸玄はプペルのともだち・はるを交互出演で務める。「荒事」「だんまり」「ぶっ返り」「立廻り」など歌舞伎特有の手法がたっぷり盛り込まれ、新たな歌舞伎作品として生み出された作品となっている。 時は江戸時代、黒い煙が立ち込める江戸の町。大きな拍手とともに花道へ登場したのははるの父・熊八(海老蔵)。何者かに斬り殺されてしまい花道スッポンに引っ込んだ海老蔵は、あっという間に2役目の心臓として舞台中央より再登場。赤と青のふん装で登場した海老蔵に会場は湧き上がった。続く大きな龍たちとの立廻りでは、心臓の鼓動を表現した和太鼓を海老蔵が打ち鳴らし、会場を一気に歌舞伎の世界へ誘う。 その後、場面は一転し盆踊りで賑わう江戸の町へ。舞台中央ののれんから顔をのぞかせたはる(初日公演は市川ぼたん)に、場内から歓声とともに一層大きな拍手が送られた。続いて、はるに手を引かれるように護美人間プペル(海老蔵)が登場すると劇場はさらに盛り上がる。 プペルとはるが屋根に上り、星の存在を語る場面では、海老蔵とぼたん2人きりの心温まる掛け合いに拍手が起こった。