若い頃に「過食症」を経験した渡辺アキさん(@watanabe_aki)は、当時のエピソードを漫画にして発信。周囲にはひた隠しにしてきたが、執筆の後押しをしてくれたのは、「あなたの経験談が、乗り越えられるかもしれない”希望”になった」という同症状に悩む知人女性からの言葉だった。ダンサーなど表に立つ仕事をしていた渡辺さんは、症状を抱えていた当時、”痩せている=キレイ”、”痩せている=仕事がもらえる”という思考から離れられなかったと語る。
■周囲の一言が過食症の引き金に「自分と言うより、周囲の人間からの評価が影響する」
渡部さんはダンサーとして複数のオーディションを受けるなかで、審査員から「君のサイズどれくらい? 衣装入らないとこまるし…」と声を掛けられたことがトラウマに。「痩せたら仕事がもらえるのか…」と思い込んだ渡部さんは、「食べたものは出せばいい」「吐くくらい苦しくなるまで食べよう」と過食を繰り返した。
渡部さんが過食症の症状と戦っていたのは、10年間以上。症状が重い時期は毎食後に吐いてしまうようになり、初期に感じていた「痩せた気分になる爽快感」はとうに消えてなくなった。過食嘔吐できるかできないかでその日の行動が決まってしまい、自己嫌悪で激しく落ち込む日々。病院に通う決意をするが、いくつかの病院を受診をするも、症状が良くなることはなかった。改善するために、症状が軽い時期に少しずつ、「過食しなくても大丈夫、自分はこの体型でいい」と自分に理解させることに時間を注いだ。普通の食事量に体が慣れ、過食嘔吐が必要ない状態となるまでに、かなりの時間を要したという。
「正直これは難しくて、『こう行動すればよかった』というのも、『こんなコミュニケーションを取ればよかった』というのも、特にありません。今の私が過去の過食症初期の私を説得しに行けるならば、辞めさせることができるとは思うのですが、自分の行動を何か変えたところで過食症になってしまうということはあまり変わらなかったと思います。
それこそ、こういう漫画があって、それを初期に読んでいればもしかしたら変わっていたかもしれません。過食嘔吐は自分が自分に満足出来ていないと止められないものだと思うので、自分と言うより、周囲の人間からの評価が影響するものだとも思います」
■「この漫画がより多くの方の過食嘔吐への抑止力になれば」
渡部さんは、「痩せる代わりに失うものの大きさや、自分自身が自由に生きられなくなる現実を知って欲しいし、伝えていきたい」と話す。
「もし過食嘔吐してみたいと考えているか、過食嘔吐を始めたばかりの人がいたら…まだ辞められる可能性が高いため、ぜひ私の体験談の漫画を一度読んで見てほしいと思います。
『理想の体型』になるためには、過食嘔吐をするよりか『多少の空腹を我慢』する方がよっぽどの近道だと今の私は思います。その空腹が我慢できないから、過食嘔吐に走るのはとても理解できますが、お金や時間、友達、彼氏、仕事、綺麗な肌や髪や爪…失うものや、影響を及ぼしてしまうものは自分が思うよりもどんどんと増えていきます。私のようになって欲しくないと思います」
漫画を描き始めたのは、同じような過食症に悩まされている人々に向けて「あなただけじゃない」とメッセージを送るためだった。漫画にはたくさんのコメントが集まり、その中には「やろうと思ったけど、この漫画を読んで辞めました」「過食嘔吐を始めた友達に、こうなるから辞めたらと言えました」「自分からカミングアウトできなかったので家族にこの漫画を見せて、私は今こうなってると伝えることができました」というものも。
「長い間、過食症だったため、なんとなく『この人もそうだろう』と分かるようになったりして、当時私の周囲に過食症だと明かしている人は1人しかいませんでしたが、実際にはもっと多いのではないかと感じていました。反響を受けて、自分が想像していなかった色々な用途で多くの方にこの漫画が影響を与えることができたのだと知って、描いてよかったと思えました。今後、この漫画がより多くの方の過食嘔吐への抑止力になればと思います」
■周囲の一言が過食症の引き金に「自分と言うより、周囲の人間からの評価が影響する」
渡部さんはダンサーとして複数のオーディションを受けるなかで、審査員から「君のサイズどれくらい? 衣装入らないとこまるし…」と声を掛けられたことがトラウマに。「痩せたら仕事がもらえるのか…」と思い込んだ渡部さんは、「食べたものは出せばいい」「吐くくらい苦しくなるまで食べよう」と過食を繰り返した。
渡部さんが過食症の症状と戦っていたのは、10年間以上。症状が重い時期は毎食後に吐いてしまうようになり、初期に感じていた「痩せた気分になる爽快感」はとうに消えてなくなった。過食嘔吐できるかできないかでその日の行動が決まってしまい、自己嫌悪で激しく落ち込む日々。病院に通う決意をするが、いくつかの病院を受診をするも、症状が良くなることはなかった。改善するために、症状が軽い時期に少しずつ、「過食しなくても大丈夫、自分はこの体型でいい」と自分に理解させることに時間を注いだ。普通の食事量に体が慣れ、過食嘔吐が必要ない状態となるまでに、かなりの時間を要したという。
「正直これは難しくて、『こう行動すればよかった』というのも、『こんなコミュニケーションを取ればよかった』というのも、特にありません。今の私が過去の過食症初期の私を説得しに行けるならば、辞めさせることができるとは思うのですが、自分の行動を何か変えたところで過食症になってしまうということはあまり変わらなかったと思います。
それこそ、こういう漫画があって、それを初期に読んでいればもしかしたら変わっていたかもしれません。過食嘔吐は自分が自分に満足出来ていないと止められないものだと思うので、自分と言うより、周囲の人間からの評価が影響するものだとも思います」
■「この漫画がより多くの方の過食嘔吐への抑止力になれば」
渡部さんは、「痩せる代わりに失うものの大きさや、自分自身が自由に生きられなくなる現実を知って欲しいし、伝えていきたい」と話す。
「もし過食嘔吐してみたいと考えているか、過食嘔吐を始めたばかりの人がいたら…まだ辞められる可能性が高いため、ぜひ私の体験談の漫画を一度読んで見てほしいと思います。
『理想の体型』になるためには、過食嘔吐をするよりか『多少の空腹を我慢』する方がよっぽどの近道だと今の私は思います。その空腹が我慢できないから、過食嘔吐に走るのはとても理解できますが、お金や時間、友達、彼氏、仕事、綺麗な肌や髪や爪…失うものや、影響を及ぼしてしまうものは自分が思うよりもどんどんと増えていきます。私のようになって欲しくないと思います」
漫画を描き始めたのは、同じような過食症に悩まされている人々に向けて「あなただけじゃない」とメッセージを送るためだった。漫画にはたくさんのコメントが集まり、その中には「やろうと思ったけど、この漫画を読んで辞めました」「過食嘔吐を始めた友達に、こうなるから辞めたらと言えました」「自分からカミングアウトできなかったので家族にこの漫画を見せて、私は今こうなってると伝えることができました」というものも。
「長い間、過食症だったため、なんとなく『この人もそうだろう』と分かるようになったりして、当時私の周囲に過食症だと明かしている人は1人しかいませんでしたが、実際にはもっと多いのではないかと感じていました。反響を受けて、自分が想像していなかった色々な用途で多くの方にこの漫画が影響を与えることができたのだと知って、描いてよかったと思えました。今後、この漫画がより多くの方の過食嘔吐への抑止力になればと思います」
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2021/12/22