11月28日に東京・渋谷の路上で救急車を蹴ったとして、器物損壊の疑いで警視庁渋谷署に現行犯逮捕され、その後に処分保留で釈放された歌手・鬼束ちひろの代表曲「月光」をオマージュした『写真展 月光 〜光宗薫〜Homage to Chihiro Onitsuka』が10日、都内で開幕した。

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　2000年に発表された鬼束の代表曲「月光」。アーティスト・女優の光宗薫を被写体に心の葛藤や喜怒哀楽、さまざまに渦巻く感情を教会や繁華街を背景に写真と映像を撮りおろし、楽曲の世界観を表現。きょう10日〜12日まで開催され、光宗が写真展のために描き下ろし筆画作品『つきの光』も展示される。

　主催するケイズプロジェクト・小辻富明氏は、報道陣の取材に応じ「今年の頭に『月光』をテーマに写真展ができないか思ったのがきっかけ」と明かす。レコード会社を経由して、鬼束の所属事務所に打診し「ものすごく快く引き受けてくださった」と感謝しながら「僕たちが曲を聴いて思ったイメージを再現させた」と確かな手応えをにじませた。

　開幕直前に鬼束の騒動が発覚したが、イベント中止の可能性は「全くなかった」という。「『イベントはやるの？』と問い合わせがたくさんありましたが、曲は悪くないですから。普通通りにやろうと」と説明し、鬼束の所属事務所から謝罪を受けたことも明かしていた。

　また、アーティストとして参加した光宗は、楽曲を通じて感じた“鬼束ちひろの魅力”を問われると「私が語ることはおこがましいけど、ワードセンスや孤独感、やるせない気持ちの“言葉にできない感情”を楽曲や歌詞に込める。誰しもができることではなく、やはり表現する方なんだなと感じました」と語り、リスペクトのまなざしを向けた。