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ピクサー“シリーズ3作目の掟”とは? 『トイ・ストーリー3』で確立された手法

 ディズニー/ピクサーの人気シリーズ最新作『カーズ/クロスロード』が、7月15日に公開される。スタジオ設立以来、数々の感動と胸躍る冒険の物語で世界中を魅了し続けてきたディズニー/ピクサーだが、これまで同シリーズで3作目が製作されたのは『トイ・ストーリー』と『カーズ』の2作品のみ。『トイ・ストーリー3』が製作される際、「主人公に葛藤を与える」という“シリーズ3作目の掟”が確立され、同作でもその手法を駆使している。

ディズニー/ピクサー最新作『カーズ/クロスロード』は7月15日公開 (C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー/ピクサー最新作『カーズ/クロスロード』は7月15日公開 (C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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 “3作目の掟”について語ったのは、シリーズ生みの親であるピクサーの巨匠ジョン・ラセター氏から同作を受け継いだ、ブライアン・フィー監督。『カーズ』、『カーズ2』にストーリーボード・アーティストとして参加し、ラセター氏の右腕として活躍してきた彼は、「『トイ・ストーリー』のウッディも、本作のマックィーンも、続編の3作目をやり始めるときには、“キャラクターたちの新たな苦悩を描く”ことを心掛けている。それまでの2作でたくさんの教訓を学んでいる主人公たちが“取り組まないといけない新たな問題”を持っているからこそ、観る人たちには新鮮な感動と共感が生まれると思うよ」と、ストーリーの裏側を語ってくれた。

 『トイ・ストーリー3』では、主人公ウッディらおもちゃたちと、持ち主アンディとのエモーショナルな別れが描かれ、多くの観客の涙を誘った。ウッディは「自分だけがアンディの傍にいるかor 仲間たちとまだ見ぬ運命を共にするか」という“自分の幸せ”と“仲間との友情”の究極の選択に苦悩していた。

 同作の主人公である天才レーサー・マックィーンは、人生を揺るがす衝撃的な大クラッシュをしてしまい、「周囲の期待に応えるため再起をかけて走り続けるのか、それとも全く異なる新たな道を選ぶのか?」という“人生の岐路”(クロスロード)に立たされる。

 最新テクノロジーを追求した新たなレーサーが登場するなか、最大の挫折を経験した彼は、メーターや新たな相棒クルーズら仲間に支えられながら“人生の決断”をするストーリーとなっている。『トイ・ストーリー3』も同作も、観客たちの胸を打つような“主人公に迫られる問題と決断”が多くの共感を呼び、人々の心を掴んで離さないのだ。

 フィー監督は、マックィーンの抱える問題に関して、実際に同じ境遇を経験した人々にリサーチを行ったことを明かし、「ずっと第一線で活躍してきた先人たちは何でも持っていたけど、すべての人が“人生の岐路”に直面していたよ」と、どんな優秀な人物であっても思い悩んだ経験があったと語っている。「正直に話すと、僕もアーティストとして同じものを感じているよ。世界中のどんな人も、誰かもっと若い人がやって来たときに、たぶんそんな感情を持つと思うんだ」と、本作で描かれるマックィーンの姿には監督本人も共感すると説明した。

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