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週間売上の新記録を樹立 白石麻衣写真集の大ヒットを支えた販売担当の戦略

 今月6日に発売された人気アイドルグループ・乃木坂46白石麻衣(24)の2nd写真集『パスポート』(講談社)が、初週で10.4万部を売り上げ、2008年のオリコン週間“本”ランキングの集計開始以来、女性ソロ写真集(※)では歴代最高の週間売上を記録する爆発的なロケットスタートを切った(※フォトブック、フォトエッセイを含む)。それまでの1位だった『小嶋陽菜1stフォトブックこじはる』が2014/1/6付で記録した週間6.1万部を4万部以上も上回った。
 
 昨年の「年間“本”ランキング」の写真集部門で1位だった、同グループの西野七瀬の『風を着替えて』の期間内売上の8.7万部もいきなり上回り、現在も品切れ中の書店に重版分が順次配備されているため、年間1位も視野に捉えた。日々アイドルの写真集が多数出版される中、なぜこの作品がここまで大ヒットしたのか。本記事では、出版元の講談社の販売担当社員の声を元に、要因を探ってみた。

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◆特殊な販売制度のなか、市場を見極めて踏み出した「初版10万部」

 本作の発売が発表されたのは、昨年12月8日。人気アイドルグループの随一の美形メンバーで男性ファンが多いだけでなく、女性ファッション誌『Ray』や『LARME』のモデルを務め女性ファンも多い白石。そんな彼女がランジェリー姿で透き通るような白い肌を大胆に露出したセクシーカットが解禁されると、SNS上では一気に騒然となった。そして、初版部数が写真集としては異例の10万部という大台に乗ったことで、出版ビジネス全体という視点からも話題を呼んだ。

 販売の面から本作を担当した社員の一人である講談社・第一事業販売部の久保田千尋氏は、白石が過去に出版した写真集が男性から、フォトブックが女性から支持されたという販売データを持っており、企画段階から「ファン層の広さに可能性を感じていた」と振り返る。10万部という初版部数についても「事前の予約数が過去に例のない伸び方をしていたので、この客観的なデータに加えて『白石さんほどの人気メンバーの写真集だから、この部数で勝負すべき』という社内評価が多かったことを受け、超異例の大部数を決断しました」と明かした。

 そもそも、雑誌や書籍などの出版物は「委託販売」という制度で販売されている。出版社は書店に商品を「委託」しており、書店は一定期間が経過すると売れ残った商品を原則として自由に出版社へ返品することができる。制度の成り立ちやメリット・デメリットについては割愛するが、端的に表現すると、通常の小売業界であれば売れ残った商品は店舗の在庫となるが、出版業界では書店で売れ残って返品されたものは出版社の在庫になり、これらは通常は断裁処理されるので、返品はすなわち出版社にとっての“負債”を意味する。

 出版社の販売担当者は、商品を求める読者の手に発売日に不足なく行き渡ることと、過剰に商品を供給させて返品を生み出さないこと、この二つのバランスを見極めながら、初版の発行部数を決断するのがミッションである。今回も白石麻衣というタレントの訴求力や写真集の内容、市場でのニーズ、タイミングなどさまざまな要素を精査し、社内外の情報収集と調整を進めながら、久保田氏をはじめ販売担当者たちは大きな責任を持って初版10万部という大台に踏み出した。

◆誌面の内容と「乃木坂現象」を追い風に累計発行部数18万部に到達

 「初版10万部」は大きなニュースとなって拡散し、続けて誌面カットが追加で公開されるたびに白石麻衣フィーバーは加熱して、市場の需要はグングン上昇。結果的に予測を大きく上回り、発売前から二度の重版が決まり累計で13万部に到達した。この時期について久保田氏は「社内外から『すごいですね!』『どこまでいくのか楽しみです!』という声を数多くいただきました。印刷所の方も『白石さんの写真集をスピーディーに重版するために、専用の印刷機をおさえました!』と意気込んで対応してくれましたのも印象的です」と回想。「これほどの大部数の写真集を扱うのは初めてで、すべてが規格外でした」と各方面の対応に追われた久保田氏だったが、「10年に1度あるかどうか」という大ヒットを盛り上げようという関係者一丸の思いのもと、必至で奔走した。

 そして、発売日を迎えると、白石が「挑戦して一歩踏み出した」というセクシーカットの数々を目撃したファンの絶賛の声がSNS上で殺到し、ネット書店「Amazon」のレビューも非常に高い評価を獲得。すぐに全国で品切れ店が続出して追加注文が相次ぐ事態となり、さらに5万部の重版も決定した。「1週間で1万部売れれば写真集としてはヒット作と言われる部類に入るのですが、今回は1週間で10万部を超えてきている。あり得ない速度で売れていることで、書店さんたちが在庫の取り合いになっている状況です」(久保田氏)。

 フィーバーはアイドルに興味のない一般層へも波及。『週刊朝日』が大ヒットの要因を探る記事を掲載し、『女性セブン』は白石の「大人の美乳」に憧れる女性が多く、美しいバストへの関心が高まっていることを紹介する記事を展開した。アイドルグループの一人のメンバーの写真集が、アイドルという枠を超えた社会現象を起こしつつある。

 販売という面から作品に携わった久保田氏は、ヒットの最大の理由を「女性からの支持が厚かったことです。もともとの乃木坂46ファンに加えて、モデルとして活躍する白石さんのファンの女性が多く購入してくださったおかげで、驚異的な広がりを見せています」と読み解いた。さらに、1月から3月にかけて乃木坂46メンバーの写真集が立て続けに5冊(齋藤飛鳥、白石、橋本奈々未、秋元真夏、桜井玲香)も発売されることも、“相乗効果”を得られたと分析。いずれの作品も予約段階から反響を呼んでおり、出版界では「乃木坂現象」と呼ばれる好景気の波が押し寄せた。

 そのほか、『パスポート』という意味深なタイトルが白石のグループからの卒業を連想させ、“最後”を感じ取ったファンが購入に走ったという背景も推測される。写真集の公式ツイッターがオフショットや動画を公開し、たびたびネットニュースに取り上げられたこともあった。これらの一つひとつが大ヒットの要因となっているが、商品力を信じ「初版10万部」というインパクトで話題を作った販売担当社員の決断も、今回のフィーバーには欠かせなかっただろう。



関連写真

  • 週間売上10万部突破の大ヒットを記録した白石麻衣2nd写真集『パスポート』誌面カット(撮影:中村和孝)
  • “おしゃれでセクシー”がコンセプト(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』表紙(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』表紙(撮影:中村和孝)
  • 2nd写真集でランジェリー姿に挑戦した乃木坂46・白石麻衣(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 2nd写真集でランジェリー姿に挑戦した乃木坂46・白石麻衣(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣2nd写真集『パスポート』(撮影:中村和孝)
  • 白石麻衣写真集『パスポート』の先行カット(撮影:中村和孝)

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