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ネタ番組復権へ、フジテレビの大博打 『KYO-ICHI』2回目の生放送

 お笑い番組が減ったと言われる昨今、あえてネタ番組に、それも生放送で挑む局がある。かつて7 年連続で視聴率 3 冠を達成したこともあるフジテレビ。きょう11日、ジブリ作品を放送する『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ)、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)、『金スマ』(TBS)など、各局強力なコンテンツが並んでいる金曜9時台にフジが放送するのは、『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』(後9:30〜11:22)。大博打ともいえる番組を手掛けるチーフプロデューサー兼演出の藪木健太郎氏(45)は「今の視聴者の方は新参者の番組には厳しいので変な数字を取っちゃいそうで恐い。けど、やるしかない」と語る。この“熱”はネタ番組復権ののろしとなるか。

ネタ番組復権へフジが大博打!『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』のチーフプロデューサー兼演出の藪木健太郎氏 (C)ORICON NewS inc.

ネタ番組復権へフジが大博打!『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』のチーフプロデューサー兼演出の藪木健太郎氏 (C)ORICON NewS inc.

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■ゴールデンでの生放送に自信 ネタ番組復権へ熱い思い「芸人さんの財産を使っている」

 『KYO-ICHI』は、今夏の『FNS27時間TVフェスティバル』内で放送された、漫才、コント、ピン芸、音ネタ、全てのジャンルが集い、この日1番面白い芸人、つまり“今日イチ”を決める「お笑い1DAYトーナメント」。この時も生放送され、失敗できない一発勝負の緊張感と、与えられた数分間に懸ける芸人の集中力、何が起こるか分からないワクワク感を提供することで、お笑い好きの視聴者に一定の評価を得た。

 同番組のコンセプトは、ズバリ“会場が笑いやすい空気”を作ること。そのために、ほかのコンテスト系番組とは異なる審査方法を採用した。「芸人さんにとって、緊張感のある、笑いにくい空気の中でネタをやらされるのはすごくツラい事だと思う。それは審査員の方やお客さんなど、会場内に審査をする人がいて『どこで笑わせてくれんだ?』っていう雰囲気になっているからではないかと感じたので『じゃあ、もう審査は会場からなくしちゃえ』ということで、視聴者の方に審査をしてもらうことにしました」。セットにもこだわり、上からも下からも観客の笑い声が舞台上に降ってくるように「すり鉢状」の客席を作った。

 一方、生放送という状況と各ブロックの組み合わせによって、程よい緊張感も生まれる。「ファーストラウンドの対戦カードは『これは決勝で見たい』と『もったいない』と思えるような組み合わせを作っています。あとはどのコンビが勝ち上がっても生放送ならではのドラマが生まれると思っています」。

 出演した芸人からも反響があった。「1回目の放送で象徴的だったのが、我が家しずるラバーガールが対戦する組み合わせ。我が家としずるは『レッドシアター』で一緒にやっていた言わば同志なのですが、あえてファーストラウンドでぶつけました。すると、しずるからは『意地悪だなー』って言われましたね(笑)。でもやっぱり、ある程度はトゲトゲしていないと面白くないような気がしますね」と藪木氏。

 MCは、おぎやはぎと女優の松岡茉優が担当するが「この3人を見ていただいたらわかるように、これは僕が担当していたネタ番組『うつけもん』からの流れなんです。だから、サブタイトルを『笑わせた“もん”勝ちトーナメント』にしました」と藪木氏。おぎやはぎについては「番組が目指している『きょう一番面白かったら、いいでしょ』という空気にぴったり。小木(博明)さんも矢作(兼)さんも、何かしら面白いコメントをつけてトボケながらも、時に辛辣な部分もありますから」と力説。番組進行を担当する松岡についても、大きな期待を寄せている。

「この番組での松岡さんの役割っていうのは、本来ならアナウンサーの方がやっていることと一緒なんですけど、よくやってくれていて『本当に女優さんかな?』とびっくりすることがある。おぎやはぎさん同様、信頼感を持っています。ネタ番組は、基本的に芸人さんの財産を使って番組を作っているようなものなので、まずは全力でネタを披露するに値する空間を作る事、そして視聴者の方にテレビの前にまず座ってもらえるように、新参者としてギリギリまで準備をしていきます」(藪木氏)。

■きっかけは『オンバト』の終了 ネタ番組の火を守るために始めた『うつけもん』

 『爆笑ヒットパレード』、『笑う犬の情熱』、『ネプリーグ』などフジテレビの一時代を築いてきた数々のバラエティー番組の制作に携わってきた藪木氏。中でも、2007年2月から数回に渡って放送した特番が好評で、レギュラー放送へとこぎつけた『爆笑レッドカーペット』は、1分間というネタ見せ時間の短さと、レッドカーペットが動いて芸人が退場していく画期的な演出が人気を集め「ショートネタブーム」を巻き起こした。同番組のシステム誕生の裏には、ビートたけしの快挙が関わっていたと振り返る。

「はじめに名前から決めたのですが、その頃は『レッドカーペット』という言葉が一般化していなくて、イベントもなくて、たけしさんがレッドカーペットを歩くということが年に1回くらい騒ぎになる感じだったので、この番組も芸人さんにとってそういう場になればいいなと思って、あえてタイトルからハードル上げてみました。そこから、いろんな演出を考えていったという感じです」

 お笑い畑を歩んできた藪木氏に危機感を募らせた出来事が、前身番組『爆笑オンエアバトル』から通じて15年間にわたって続いてきた『オンバト+』(NHK)が2014年に終了したこと。「オンバトが終わったことで、レギュラーのネタ番組がゼロになった。だけど、芸人さんが何か発表する場がないといけないと思って、その年の4月に『うつけもん』というネタ番組を深夜で始めました。新しい人をドンドン出していく場を確保するために、ちゃんと石を投げておこうとの思いで立ち上げました」。おぎやはぎと松岡茉優をMCに据えてスタートした同番組は、半年後には放送時間繰り上げとともに名称を『オサレもん』に変更。

 翌15年9月には『ツギクルもん』と再び名前を変えて、土曜の夜7時というゴールデンタイムでの放送を実現させた。そんなネタ番組の火を大切に育ててきた藪木氏。「僕は『ENGEIグランドスラム』という番組もやっていますが、番組放送中の4時間はツイッターとかブルブル震えながら検索しています。土曜日に放送して(視聴率が出る)月曜日の朝までがもう…その怖さといったらないですね。でも、自分が用意したものや考えたものが世の中に面白いかどうか審判してもらえるのは幸せなことです。僕は子どもの頃に『吉本新喜劇』、大学生になって上京してからは『夢で逢えたら』をワクワクしながら観て育った。今はいろいろと世知辛い世の中ですけど、視聴者の方がゲラゲラ笑って『観たなー』と思っていただけるような、中身のつまったネタ番組をこれからも作っていきたいです」。

■『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』
放送日時:11月11日(金)午後9:30〜11:22
MC:おぎやはぎ、松岡茉優
出演者:Aブロック(ライスジャルジャルタイムマシーン3号とろサーモン
   :Bブロック(横澤夏子ニッチェ笑撃戦隊ZAZY)
   :Cブロック(レイザーラモンダイアンさらば青春の光、錦鯉)

関連写真

  • ネタ番組復権へフジが大博打!『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』のチーフプロデューサー兼演出の藪木健太郎氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 番組MCを務める(左から)おぎやはぎ、松岡茉優(C)フジテレビ
  • Aブロックに出場するライス(C)フジテレビ
  • Aブロックに出場するジャルジャル(C)フジテレビ
  • Aブロックに出場するタイムマシーン3号(C)フジテレビ
  • Aブロックに出場するとろサーモン(C)フジテレビ
  • Bブロックに出場する横澤夏子(C)フジテレビ
  • Bブロックに出場するニッチェ(C)フジテレビ
  • Bブロックに出場する笑撃戦隊(C)フジテレビ
  • Bブロックに出場するZAZY(C)フジテレビ
  • Cブロックに出場するレイザーラモン(C)フジテレビ
  • Cブロックに出場するダイアン(C)フジテレビ
  • Cブロックに出場するさらば青春の光(C)フジテレビ
  • Cブロックに出場する錦鯉(C)フジテレビ

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