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【東京国際映画祭】古舘伊知郎&尾上菊之助、歌舞伎座で“競演” 外国人客の評価で明暗?

 都内で開催中の『第29回東京国際映画祭』の一環で27日、東京・東銀座の歌舞伎座で「歌舞伎座スペシャルナイト」が開催された。日本の伝統芸能である歌舞伎を上演している歌舞伎座で新しい“映画”体験と感動を提供する目的で企画され、今年で3回目。今回は、歌舞伎俳優・尾上菊之助による女型の舞踊『「鷺娘」』の上演と、昭和初期の無声映画『忠臣蔵(デジタル最長版)』『血煙高田の馬場』を、弁士と生演奏付きで上映。スペシャルゲストとして、フリーキャスターの古舘伊知郎が出演した。

 この日の先鋒を務めたのは、古舘。海外メディアの記者を含め、外国人客も多かったことから、「ニューヨークでトークキングライブをしたことがありまして。国連理事会の通訳をやったことがあるという人に同時通訳を頼んだのですが、2時間半しゃべりまくったライブの後、激怒されました」という武勇伝とともに「僕は早口が真骨頂。同時通訳できないと思う」と先にお詫び。

 実際、外国人客に聞くと、2人いた同時通訳は「追いついていなかった」ようで、ギリシャからの取材陣(3人)には「日本人は笑っていたけど、ジョークもよくわからなかったし。しゃべっている時間も長すぎた」などと不評だった様子。

 古舘は、「忠臣蔵」をテーマに、縄文・弥生時代にまでさかのぼって日本の歴史をひも解き、「医療大麻」などの最新ニュースの言葉も織り交ぜながら、40分しゃべり倒し。その後、無声映画『血煙高田の馬場』(約6分)では、後の赤穂浪士の一人、中村安兵衛が決闘に臨む叔父の助太刀をするため、八丁堀から高田馬場まで駆けつけるストーリーを映像に合わせて“実況”し、古舘目当ての客は楽しめたに違いない。同作は『忠臣蔵』のスピンオフともいえる銘々伝の1つで、1928(昭和3)年に11巻で公開された中で、唯一現存している1巻。

 インドネシアからの取材記者は「2014年から3年連続でこのイベントを取材しているけれど、今年が一番よかった。何と言っても『忠臣蔵』のフィルムと生演奏がすばらしかった」と絶賛。同映画は1926(大正15/年昭和元)年の公開時のタイトルは『実録忠臣蔵』で、生涯で1000本以上の映画に出演した日本映画草創期のスター俳優、尾上松之助が大石内蔵助を重厚に演じ、「忠臣蔵」映画の“模範”を示した名作。昨年、新たなフィルムが発見され、没後90年の今年、歌舞伎座で上演されるというめぐり合わせ。今回は、海外でも活躍している弁士、片岡一郎が語りをつけた。

 外国人客をもっとも魅了したのは、やはり菊之助の『鷺娘』。鷺の精が人間の男と道ならぬ恋をして思い悩み、次第に責め苦が襲い始め、ついに鷺の精の本性を顕すというストーリーで、引き抜きやぶっかえりといった歌舞伎ならでは早着替えの手法、演出を用いた人気の演目。前出のギリシャの取材陣は「初めて観たけど、まるで動く絵画のようだったよ。一瞬にして衣装が変わる仕掛けは何がどうなってそうなるのか知りたくなったし、もっと観てみたいと思ったね」「自分の中になんとも言えないエネルギーが湧いてくるような気がしたよ」と大興奮だった。

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