質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」と親しまれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が11日、東京・紀伊國屋書店新宿南店で自著『ホセ・ムヒカ　世界でいちばん貧しい大統領』（角川文庫）の刊行記念サイン会を行った。

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　ムヒカ氏は、2010年から15年までの大統領任期中、官邸に住まず、質素な生活を心掛け、給与の大半を寄付するなど「世界一貧しい大統領」として知られる。同書では、その生き様や政治家としての功績を紹介。

　この日のサイン会はムヒカ氏の「日本の読者と交流したい」という思いから実現。抽選で選ばれた読者50人を前にすると「日本の国民、歴史に深い敬意を持っていた。日本人は美しく、忍耐強く、そして努力家。素晴らしい文化を築き上げている。今回、来日できたことはすごく栄誉なこと」と優しくほほ笑んだ。

　あいさつを終えると「生きること」について約30分間、熱弁を振るった。「人間にとって愛情や人間関係がいかに重要か、今生きていることがいかに重要か考えてほしい。そして人生で苦しいことがあっても何度でも立ち上がって歩み続けてほしい」とメッセージを送り、サイン会では読者一人ひとりと握手をし、笑顔で交流を深めていた。