NHKの新年度からの番組新キャスターが2日、東京・渋谷の放送センターで発表された。新年度から放送時間を午後10時台に改め、内容も刷新する『クローズアップ現代＋（プラス）』（月〜木　後10：00〜10：25）には、同局を代表する女性キャスター7人が交代制で務めることになった。久保田祐佳、小郷知子、松村正代、伊東敏恵、鎌倉千秋、井上あさひ、杉浦友紀の各アナウンサーで、それぞれの得意分野や関心ごとを生かして番組を進行していく。

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　同番組は、国谷裕子キャスターの出演で1993年4月に放送開始した『クローズアップ現代』の後継番組。23年にわたって番組が培ってきた「ジャーナリズム」精神を大事にしながら、帰宅したサラリーマンや働く女性、家事を終えた主婦など、社会を担う現役世代の関心を呼ぶテーマを取り上げ、独自の切り口のVTRと親しみやすい演出で、報道情報番組の新境地を開く、としている。

　複数キャスター体制の意義について、『日曜美術館』でもおなじみの伊東アナは「皆が専門性シェアして、役割を分担していくことで、小郷アナや私のように子育てをしていても午後10時台の番組に関われる、社会に発信できる機会をちょうだいできた。ワークシェアリングの進化形、先行だったよね、と言われるように、それぞれが専門性を磨いて、自分の視点を持って臨みたい」と語った。

　久保田アナは『紅白歌合戦』の副音声でバナナマンと一緒に“裏トーク”チャンネルを担当し、歌のうまいアナウンサーとしても知られているが、「『ニュース７』のサブキャスターを３年務めさせていただいたり、国会中継にも８年ほど通っていた」一面も。「国際、政治、経済のニュースって難しそうだなというイメージがあったのですが、よく知っていくと全部、生活の延長にあって、自分たちにとってすごく大事なことなんだということが、よくわかるようになってきました。私自身勉強しながら視聴者の皆さんに親しんでいただける番組を作っていきたいと思っております」。

　『ニュース7』（土日祝）や『おはよう日本』を担当していた小郷アナは、1年半の育児休暇から復帰。「いち生活者としての視点をもって、記者やディレクターが取材して深く掘り下げたものを視聴者に届ける橋渡し役になりたい」と抱負。現在『ニュース7』や『首都圏ニュース845』を担当している松村アナは「自分の問題意識に正直になって、視聴者の知的好奇心を満たせるような番組につなげていけたら」とコメントした。

　鎌倉アナはツイッターの意見を番組に取り入れたニュース番組『NEWS WEB』（月〜金　後11：30）を2014年4月から担当しており、それ以前は米国や中国などで豊富な取材経験を積んでいる。「集団キャスター制ということを逆手に取るというか、そのメリットを生かして、なるべく外に出て自分の目で取材をしていきたいと思います」と意欲的。

　『ニュースウオッチ9』のキャスターを務めていた井上アナは、昨年4月から京都放送局勤務となり、『クローズアップ現代＋』も「京都に暮らしながら担当」するという。「視聴者の皆さんの疑問や関心に答えられるように、１つ１つのお仕事にチーム一丸となって取り組んでいく所存です」。

　杉浦アナは引き続き『サタデー／サンデースポーツ』を担当することを武器に、「スポーツキャスターとして光栄な機会。私にとってもプラスになり、皆さんにとってもプラスになる番組になればいいなと思っています」と話していた。