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年明けから続くビッグニュースに見る ネット時代の情報価値の変化

 ベッキーの不倫騒動やSMAPの解散騒動など、年明けから衝撃的なビッグニュースが続いている。テレビや新聞、ネットなどニュースは連日これらの話題でもちきり。その一方で、昨日まで騒いでいたニュースがぱったり話題にならなくなったり、他の大きめのニュースがさほど注目を集めなかったり…ネット時代の情報の鮮度が失われる早さ、寿命の短さを改めて実感させられる。改めてネット時代の情報の価値について考えてみたい。

■大きなニュースで塗り替えられてしまう話題の中心

 1月19日、「第154回芥川賞・直木賞」の受賞作品が発表された。ピース・又吉直樹の第153回芥川賞受賞がそれほど遠い記憶ではないだけに、時の速さを感じている方も多いだろう。しかし今回の芥川賞は、正直に言って前回ほど大きな話題にはなっていないように感じる。受賞者の一人である本谷有希子氏は、声優デビュー後に劇作家・小説家に転身し、数々の小説賞を受賞したスター作家。しかもコアなアイドルおたくで、容姿も端麗とエンタメ的には充分ニュースバリューのある存在なのだが……。

 やはり時期が悪かったと言わざるを得ない。2016年のエンタメ界は、年明けからあまりにも大きなニュースが相次いだ。DAIGO&北川景子の入籍会見(1月11日)、女優・杏の双子妊娠報告(1月13日)といったハッピーな話題もあるにはあったが、やはり衝撃が大きかったのはゲスの極み乙女。川谷絵音&ベッキーの熱愛発覚(『週刊文春』1月7日発売号)と、SMAPの独立・解散騒動(『日刊スポーツ』1月13日紙面 ともに第一報)だ。1月の一時期にはYahoo!ニュースのトップページのエンタメ枠8枠のうち、5枠がSMAPの話題で占められたこともあった。

 こうした状況に頭を抱えているのが、映画や商品の宣伝を手がける会社だ。試写会や新商品発表会見といったイベントにタレントをブッキングするのは、そこで発せられた一言や行動が芸能ニュースとして取り上げられ、ひいてはPRにつながるからだ。しかしこの定番の手法も、ビッグニュースの影には話題が霞んでしまう。「最悪、スケジュールを組み直さなければ……」というPR会社スタッフのボヤキも漏れ聞いた。

■ネガティブな話題抱えるタレントは安堵?

 「人の噂も七十五日」というが、情報があふれるネット時代になり関心の移ろうスピードはさらに早くなった体感がある。ニュースの第一報は瞬く間に拡散され、世間を騒がせるも、間髪入れずに新しい情報が拡散され、以前のものの鮮度はすぐに薄まっていく。たとえば昨年の劇場版の大ヒット以降、社会現象的な話題となっていたアニメ『ラブライブ!』。一時は『ラブライブ!』関連のニュースであれば必ずと言って話題となっていたが、新作アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』が放送決定(今夏放送予定)するも、ファン以外にはあまり騒がれていない印象だ。また冒頭でも触れたピース又吉原作『火花』がドラマ化され、今春Netflixで配信が始まるが、間近に迫った今も、注目度が高まっていない。

 一向に報道が収束する気配がない二大事件についても、そろそろ「報道の多さにうんざり」「ほかに取り上げるべきニュースがあるのでは?」という声がユーザーサイドから上がってきている。たしかに追加情報があればまだしも、憶測を膨らませたり、特に関係のない人物にSMAPやベッキー、川谷について言及させることでニュースに仕立てるのはやりすぎだったかもしれない。

 ハッピーな話題に比べてネガティブなニュースはとかく尾を引きがちだが、情報は鮮度が命。そして人々は常に新たな話題を求めている。2016年最大の芸能ニュースになるであろうこれらの話題も、春頃にはもはやトップニュースにはなっていないはずだ。スキャンダルを抱えてしまった側は、こうした風潮にホッとしている節もあるだろう。しかし、一度ネットにあがった情報はいつまでもログとして残る。次にまたネガティブな情報が出るたびに蒸し返されるということも肝に銘じておいたほうがいい。情報の鮮度が落ちるのも早いが、時を経てさらに濃密に熟成されていく。それもまた、ネット時代の芸能ゴシップの性質と言えそうだ。

(文/児玉澄子)



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