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炎上も芸の肥やし? 稀代のヒール芸人・小籔千豊が“根本”から嫌われないワケ

 お笑いタレントの小籔千豊といえば、芸人としての活躍はもちろん情報番組のコメンテーター、来年1月からは連ドラ初主演など多岐に渡る。2011年の東京進出から徐々に上り詰めていった感があるが、
そもそもは、バラエティ番組に出演しては周囲に噛みつく“炎上芸”が得意芸。一方で、インスタグラムを活用してモデルまでこなし、新たな女性層を獲得している。“稀代のヒール”といった印象が強い小籔だが、その立ち居振る舞いは他の芸人とは一線を画す。

◆インスタグラムを有効活用している唯一の男性芸人

 小籔は10年近く大阪の吉本新喜劇で座長を務めているが、2011年、新喜劇が東京に進出する際に「東京にも新喜劇を広めたい」との思いで東京吉本に移籍。以降、東京のバラエティ番組にも数多く出演するようになり、まわりにいる芸人、芸能人、タレント、一般人まで、男女を問わず毒舌を浴びせていた。それは、「一方的にケンカを吹っかけてるだけなのでは?」と思わせるほどの迫力で、関西の人間ならともかく、関東の人間には理解し難しい“炎上芸”として小籔の名とともに認知され、嫌われてはいるのだが、なぜかテレビでよく観る“稀代のヒール”として関東での地位を獲得する。

 多くの大阪芸人がそうであったように、大阪人の強烈すぎるキャラは全国区で受け入れられることは難しく、東京進出のハードルは高い。小籔が他の芸人とひと味違っていたのは“芸人以外の活動”を積極的に行なってきたことだろう。

 小籔が企画・主宰した、お笑いを融合した野外音楽フェス『コヤブソニック』は2008年から大阪で開催されてきたが、斉藤和義、小泉今日子などの大物ミュージシャンが参加し、最終的には2日公演、1万人を動員するというビッグイベントになった(2014年で終了)。また小藪はSNSなどのメディアもいち早く活用し、インスタグラムで妙にキレイな爪を披露したり、オシャレなランチの写真をアップしたりして、「女子力が高い!」などと評判になると、いきなり女性ファッション誌とコラボ。何と3誌で芸人初の専属モデルにもなった。さらには、インスタグラムで小藪がしつこくやり続けていた“モデルがしそうな変なポーズ”、通称「カズニョロポーズ」は、世界的モデルのミランダ・カーが自らインスタグラムで披露するまでになったのである。インスタを有効活用して人気を博している芸人としては渡辺直美が知られているが、男性芸人では小籔以外にはいないのではないだろうか。

◆新喜劇を一番大切にする小籔の“男気”や“誠実さ”が、結果的に好感度を上げている

 このように毒舌だけじゃなく「いろいろな才能がある」として女性にも受け入れられるようになった小籔だが、その根底には変わることのない吉本新喜劇への“愛”があるようだ。東京でブレイクした今もなお、新喜劇から卒業する気はまったくないと断言。新喜劇が常設劇場以外に初めて進出した東京・俳優座劇場での公演の際、「若い世代にも見てもらいたい。新喜劇を古典にするつもりはない」と熱く語っている。

 新喜劇の座長を最年少で務めて以来、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)を初め、今ではCSのスピンオフ番組『兵動・小籔 おしゃべり一本勝負』に出演するなど、バラエティ番組でも高い評価を受けている小藪だが、同時に「新喜劇以外の活動は、新喜劇の広告塔として考えている」とも公言している。インスタや女性誌などで“イマドキ”を気取りながらも、新喜劇を一番大事にするという“男気”や“誠実さ”は、ともすれば強烈に見える言動を通して視聴者にも伝わり、結果的には芸人・小籔の好感度を上げている要因になっているのではないかと思われる。

 いつも強気の小籔だが、今回のドラマ初主演に関しては、「メチャメチャ演技がヘタ」と珍しく弱気だとも伝えられる。小藪なりの謙虚さなのかもしれないが、嫌われることに関しては何も臆することのなかっただけに、ドラマに限らず、これからもそのまま突っ走って欲しいと思う視聴者も少なくないはずだ。

(文:五目舎)



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