• ホーム
  • 芸能
  • 風邪シーズン前にチェック 「薬は水で飲まないとダメ」の真実

風邪シーズン前にチェック 「薬は水で飲まないとダメ」の真実

 頭が痛い、風邪っぽい…。そんな症状が表れた時、「ひどくなる前に市販薬を飲む」という人は多いだろう。世の中には多数の薬があるが、一貫して言われているのが「水で服用」するということ。なぜ水? 緑茶じゃダメなの? “薬は水で”と言われる理由について、医薬品服用時の飲料が与える溶出の影響等を研究している摂南大学薬学部講師の小森浩二先生に聞いてみた。

 研究や実験を繰り返し行って安全性や有効性を確認したのちに、人を対象とした臨床試験(治験)を実施してデータを取って…。世に出回っている医薬品は、そんな長い工程を経て承認・認可されている。巷で言われている“薬と水”は、この医薬品承認過程の中ではお馴染みの飲み合わせで、臨床試験で服用する時に必ずと言ってよいほど用いられるとか。「ですから、製薬企業の提供する情報は水で服用したときの情報しかなく、医療従事者は“水で服用してください”と言うしかないのです」(小森先生・以下同)。

 小森先生たちは水以外で薬を飲んだらどうなるのか?を確かめるため、緑茶やコーヒー、ビールや日本酒など、さまざまな飲み物を使って溶解性や吸水性を確かめる研究を行っている。市販の頭痛薬や風邪薬に配合されることの多い成分・イブプロフェンを対象に行った時の結果は「それぞれの飲みもので、溶解性が異なりました。また、マウスでの吸収性にも差があり、アルコールでお薬を飲むとその吸収が抑えられる可能性を見出しました」。飲み物によって効果の出方が変わる薬はほかにも存在する可能性は高い。「ですので、現段階では“お薬は水で服用するに越したことはない”と言えます」。

 ちなみに、「服用方法は、医薬品の持つ特性(性質)から決められます」と小森先生も語るように、“食前”や“食後”といった、服用タイミングも守るべき重要なポイント。「多くの医薬品は食後に服用されますが、これは多くの医薬品は食事後の方が良く吸収されるからとされます。逆に、食前に服用する医薬品は、食事をとった後では吸収が悪くなるものが多いとされます」。

 注意すべきは「食直前」と「食直後」という飲み方。「食直後とは食事後10分から15分に服用することとされます。 “食直後”という指示は、お薬の食事に対する影響を考えて選ばれているので少し注意して欲しい所です。“食直前”はもっと注意してほしいと思います。その多くは血糖値を下げる薬が該当しますが、これは“お薬を服用後10〜15分以内に食事を摂ってください”という意味。糖尿病の薬であれば服用後すぐに食事を摂らなければ、低血糖などの副作用がでる可能性もあり、十分な薬の効果は得られません」。ちなみに、食後30分くらいを目安とする“食後”の薬を、食事の直後に服用することは「大きな問題ではない」とのこと。

 「今回お話しした内容は、薬剤師なら誰でも知っていることです。今後セルフメディケーションの活動が推進され、このような疑問を近くの薬剤師に気軽に相談できる社会が理想であり、安心してお薬を飲めるように、これまで以上に薬剤師がサポートする必要があると思っています」(小森先生)。



オリコントピックス